「さまざまな本屋の栄枯盛衰を見てきました。生き残りの条件は、ほかの店やネット書店にはない個性があり、時代のニーズに合わせて積極的に変化していけて、また店での買い物を楽しい体験として提供できることだと思います。」マグマ 店長 ジョン・ウイングレイヴ
これだ!と思わず心でつぶやいてしまう。この考え方を
...続きを読む常に持って、将来の温かい本屋さんにつなげていきたい。
「この書店では、1タイトルにつき1冊しか在庫を置かず、限られたスペースにできるだけ多数のタイトルを置く。そのため、読書傾向が一致した人々にとっては、大きな売り場を歩き回ることなく、効率的に本が見つけられる。在庫が1冊でも、今は出版社に注文すれば翌日日本が店に届くシステムが確立されているため、十分対応できる。」ロンドン・レビュー・ブックショップ
このシステムはすごく面白い。本との出会いを最大限増やせる、楽しめる場でありたい。
「いいデザインの本は平積みにしておくとよく売れる。それから、値段が安く買いやすい本を多めに入れるよう心がけている。子ども向けには本のほかにCDやDVD、おもちゃなどもそろえている。」
「書店が存在価値を発揮し、生き残っていくためには、本との触れ合い、人同士の触れ合いの場になる必要があります。だから、本の品ぞろえだけではなく、イベントの開催や、素敵なインテリアの居心地のいい店にすることがとても大事です」ル・メルル・モケール・サンキャトル店 店長 ヤニック・ビュルタン
「書店員のなかには、なんとなくあこがれて仕事についても、辞めてしまう人が少なくありません。実際、本のタイトルを入れ替えるだけのルーティン・ワークが多く、重い本を運ぶので肉体的にもきつい仕事ですから。でも僕は、本にいつも触れていられるだけで幸せなので、天職ですね」
ル・メルル・モケール・サンキャトル店 ステファン・ドリュジョン
本とワインを一緒に売ったっていい。
「つまりは当たり前のワインバーです。でも、本が会話のきっかけになることもあるし、この店なら、普通の本屋なら見落としていたかもしれない本を、ふと手に取って読んでみたくなるかもしれません。それが大切な1冊になることもあるでしょう。そんな出会いのために、この店に足を運んでもらえたらと思います」ラ・ベル・オルタンス 店長 グザビエ・ドナミュール
「この店に置いている本は、お金とスペースさえ許せばすべて自分でも買いたい本です。100%進められる本のよさを、お客さんと分かち合うこと。これが、本屋としての一番の喜びではないでしょうか」パレ・ド・トーキョー書店 店長 アルノー・フレモー
「書店経営が、ほかのビジネスと比べて特別なものだとは思いません。真心のこもった優れた商品を、真心を込めて販売することが大切です。」Ofr 店長 アレクサンドル・チュムレル
「あまり知られていない本に光を当てて、それを潜在的に求めている読者との出会いの仲人になることが、書店員の役割です」アリオン・エスポジツィオーニ書店
「多くの書店がインターネットでの通信販売を手がけているが、メンドでは店頭販売しか行わない。店で実際に本を見るという体験により、訪れる人にインスピレーションを与え、お客さんに付加価値として提供することが、重要だというポリシーを持っている。」p136
「また、今まで大きな店に置いてあっても目につかなかった本が、この店では目に入って来るということもあるでしょう。この店では、本がより美しく見えます」p138
「今この店で働いているのは、自分が情熱を傾けられることを見つけ、人生を楽しむための準備期間です」p139
「書店員を信頼し、自由を与えることが、よりよい書店をつくる」p141
「良い本には驚くべき力があり、本のほうから私に語りかけてきます」p150
「小売業の基本はひとつ。ショッピングの体験を楽しんでもらうことです。「なんだか来たくなる。本が買いたくなる」という店づくり。建築に力を入れることは、マーケティング上の戦略でもあります」150
とにかく本に対して生き生きと語る書店員さんの言葉がぎっしり。夢の詰まった本でした。
アクション
世界の本屋さんにいってみる。