スポーツを通して、人間の骨格や筋肉の仕組みに興味を持った子たちに読んでもらうのに、いい本がないかと思って探していたら目に入った本だ。とはいえ、紹介されているのは、骨格や筋肉の仕組みではなくて、それらを包む「筋膜」である。
初めて知ったのだが、人間の骨格と筋肉は、ほぼ一枚と言っていい膜に全身包まれて
...続きを読むいるのだそう。面白いのは、「筋膜」は、「筋膜」以外の人間のパーツを全て取り除くと、そっくりそのままの人型が残るくらい、文字通り全身繋がっているということ。
自分は、武術をやっているが、よく足を足で上げるな、腹で足を上げて蹴りを出せと言われることがある。感覚として言わんとすることはわかるが、素朴な疑問として、足を上げるのは足で、腹では上げられないのではと思う。どんなスポーツでも言われる体幹にしてもそうで、どうして体幹を鍛えると、全体の動きがよくなるのだろうか。
もちろん筋膜が全ての答えではないとも書かれているが、この本では、そうした筋肉のつながりと、体の動きとのつながりをイラストで説明してくれる。一見、腕と足は、「連動する」ことはあっても、文字通りの意味で「繋がっている」のだというのがよく分かって面白い。
知識があってもその動きができるわけではないけれども、自分の動きが、どのような仕組みでできているのか。それを、改めて見直したい「運動する人」たちに読んでほしい。