アンクリーヴスの作品一覧

「アンクリーヴス」の「哀惜」「沈黙」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

ユーザーレビュー

  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作同様、事件の舞台となった地域に根付く人々の生活や心情が丁寧に書き込まれ、濃密なコミュニュティ空間で起きた自殺や連続殺人について、地道に捜査していくスタンスは変わらない。前回は主役刑事とそのパートナーを中心に物語が進行したが、今回は、脇を固める刑事2名がそれぞれの家庭での葛藤も交え物語の中心となり進んでいく。ルーシーも健在。厚いけど手が止まらず一気に読んでいける面白さ。犯罪解明としての鮮やかさを問う小説でなくすっきり感は少ないものの、とても心に残る一冊。新刊が出る前に別シリーズに手を出す予定。

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    2025年10月15日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    シリーズ2作目。最後の最後になるまで、登場人物と同じく五里霧中。
    主人公の後ろから、デヴォンシャーの地方を歩き回って雨に打たれているような気分。
    謎解きミステリというよりは、警察の丹念な捜査を一緒に見て、一歩一歩犯人に近づいていくような感覚。

    事件を追う刑事たちも、家族や同僚、めんどくさい上司との関係にモヤモヤしたりしながら何とかチームで仕事に当たっている様がリアル。
    色々な人物の視点でストーリーが進むので、お互いこういうところ評価してるんだ、とか実はこう思っている、というのが自然に語られていく。バージニア・ウルフの灯台形式というか、同じ国の人か…。
    当然捜査中の警察官にもプライヴェートがあ

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    2025年09月21日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    TVドラマ化されている『ヴェラ警視』シリーズは荒涼たるイギリスの大地で、人々の愛憎が描かれた。皆が秘密を隠そうとするクローズドサークルを、やや強引なヴェラが乗り込んできて、収拾にあたる。さて、本編はそれよりは明るいイメージ、というか、そもそもセンターに立つ捜査者のイメージが真逆である。

     男性の恋人がいる、やり手のマシュー・ヴェン警部シリーズ第二弾。今度も彼の夫ジョナサンがかかわるコミュニティで事件が起こる。ジョナサンが複合施設を運営しており、様々な人が出入りする。こう言っては何だが、容疑者、被害者、そして事件の宝庫である。ジョナサンは当事者として関係者に関わり、マシューはあくまで捜査する者

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    2025年09月11日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    マシュー・ヴェンシリーズ、第2弾。今回も良かった!とにかく彼女の小説はキャラクターにリアルが感じられて、味がある。主人公のマシューももちろんだけど、夫のジョナサン、部下のロスとジェン、それぞれのプライベートストーリーを挟みつつ事件を追う、警察小説の王道。一気に読めてしまった。今回は娘のガラス工房で、父親が色ガラスで殺されたところから事件が始まる。凄惨だけれど、どこかドラマチックな殺害現場。マシューはいつも通り粛々と捜査を始めるが・・・。という流れ。被害者、容疑者それぞれに、いろんな角度からスポットが当てられ、単純に良い人、悪い人じゃ片付けられない複雑な一面をのぞかせる。犯人は誰なんだろうと思い

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    2025年09月04日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    イギリスの作家アン・クリーヴスのマシュー・ヴェンシリーズ第二弾。

    ヴェンの部下のジェンがパーティである男と出会う。どうやら刑事であるジェンに相談したいことがあった様だが、酔いもあり次の日に約束をしたところ、その男は死体となって発見される…

    非常に染み渡る作品。警察の地道な捜査、関係者が直面する問題、主役たちのプライベートなど、複数からの視点で丁寧にこつこつと描かれる。この辺りはクリーヴスの得意とするところ(というか他の形式を見たことがない)。
    ただこれが好き嫌いが分かれるポイントなのかなぁと。中弛みに感じる人もいると思う。
    今作に限っては、実は過去一いいタイミングで転換点があった気がする。

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    2025年08月19日

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