リン・メッシーナの作品一覧
「リン・メッシーナ」の「行き遅れ令嬢の事件簿」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「リン・メッシーナ」の「行き遅れ令嬢の事件簿」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
「ごきげんよう。ありえないと思うでしょうが、わたしは本当にケスグレイブ公爵夫人です。シェフの死について調査に来ました」
ケスグレイブ公爵夫人となり幸せいっぱいのベアトリスだが、壮麗な公爵家と大勢の使用人には戸惑うばかり。まずは家政婦を味方につけようと地階へ向かったベアトリスは、執事のマーロウが「ムッシュー・アルフォンスの不幸な死について、奥さまに調査をお願いするなんて許さん」と従僕のジョセフに話しているのを立ち聞きする。
急な結婚式と、公爵家に引っ越してからのドタバタが面白い。ミステリーよりこっちをメインにやって欲しい。公爵家の威光を振りかざして事件のあった家に上がり込むなど、変人っぷりを隠さなくなったベアトリスと、妻に甘々で調査の楽しさに目覚めつつある公爵のコンビが楽しい。犯人の動機はなるほどと思ったが、首を切り落とすのは無理なのでは?と思ったし、「いや、そうはならんだろう」の台詞に深くうなずいた。
Posted by ブクログ
「ぼくが他の女性を見つけたら、何の覚悟もない紳士にきみを押しつけることになる。それは不憫というものだ」
前回の事件をきっかけに、叔母家族とのわだかまりが解けつつあるベアトリス。結婚式の準備を十分に整えるため、公爵との結婚は延期すべきと説得されるなか、ノートン夫人がベアトリスに相談があると訪ねてくる。ノートン夫人は、ベアトリスの社交界デビューを台無しにした張本人だが、本人はその出来事をすっかり忘れている様子。祖父が自分に残した遺産のありかを調べてほしいと、ベアトリスに懇願した。
きっとノートン夫人に何かされるんだろうなと思いながら読んでいたが、気づいたベアトリスが機転をきかせて罠を回避し、公爵とともに黒幕をヘコませる展開が痛快だった。結婚式の延期でおあずけを食らった公爵が、ベアトリスを押し倒しかけて逆ギレしてきたり、ベアトリスを間違いなく愛しているが、たまに変人っぷりに引いてるところが良い。ただ、殺されたボブソンの謎が弱く、劇団員にも興味が持てなかったので、ノートン夫人なり従兄弟なりを巻き込んだ方がよかったのではと思った。
Posted by ブクログ
公爵の婚約者となったベアトリス。しかし社交界では、なぜ公爵はベアトリスに求婚したのか、彼女の罠にはめられたのではないかという噂が囁かれていた。レディ・アバクロンビーから亡き母の手紙を受け取ったベアトリスは、自分の両親が首相の依頼で商人ギルドに潜入していたこと、事故死ではなく何者かに殺害された可能性があることを知る。
生粋のお嬢様といった感じの公爵未亡人が、ベアトリスのソバカスを可愛いと褒めたあと、ダミアンに立ち向かえる賢い女性であれば、ひ孫達が美男美女でなくても、ちっとも気にしませんと言うのが辛辣で良い。ベアトリスのSOSに夜会服姿で颯爽と駆けつけ、ベアトリスの手助けをする公爵がかっこいい。予定と言えば自分の小冠を磨くことくらいと冗談を言っていて、王家の血筋なのかなと思ったら爵位貴族がかぶる冠があるそうでひとつ賢くなった。
ベアトリスの母クララが不倫をしていたと思い込んでいたヴェラ叔母さんが、ベアが母親のようにならないよう精一杯やってきたと告白するものの、結局は世間体を気にしているだけに思えて感動できなかった。ハイドクレア家の事件としては、スパイや不貞など衝撃的な過去が次々出てきて楽しめた。公爵含め、容疑者以外の登場人物がみんなベアトリスを褒め称えるのが鼻につくようになってきたので、そろそろ叔母さん以外の敵キャラが出てきて欲しい。
Posted by ブクログ
前回の事件でケガをし、外出禁止を言い渡されたベアトリスのもとに、最初の事件で殺されたオトレー氏の娘エミリーから、亡きオトレー氏の部下であり母の愛人でもあるウィルソン氏の突然死の謎を調査して欲しいと依頼が入る。もう殺人事件には首を突っ込まないと公爵に約束したベアトリスだが、向こうからきた事件は別と一人で調査に乗り出す。
犯人を見つけるとなれば危険なことも平気でするベアトリスと、調査の助けになる権力と広い人脈を持ち、常識的でブレーキ役にもなる公爵のコンビが、探偵と助手ではなく、対等な相棒という感じで良い。公爵にはめられ、メイド姿でたばこ屋から連れ出される場面はニコニコしながら読んだ。後半のプロポーズはロマンス色よりコメディ色が強く、私は公爵の婚約者なのよ!な態度にモヤッとしたので、今後に期待。
知的なはずのベアトリスが、人の部屋をあさって手紙や日記を読んだり、軽率に犯人を追いかけたり、情報を得るために人をだましたりして、躊躇も反省もしないのが引っかかる。ふと正気に戻って、自らの行動をかえりみる描写でもあればクレイジーさが薄まると思う。
Posted by ブクログ
前回の事件で容疑者から情報を聞き出すため、架空の元恋人デイヴィス氏をでっち上げたベアトリス。デイヴィス氏を捜し出そうとする叔母一家をあきらめさせるため、死亡広告の依頼をしに新聞社を訪れたベアトリスの目の前に、背中を刺された男が倒れ込んでくる。
舞台がロンドンに移り、19世紀英国を感じられる場面や人物が多く出てきて楽しめた。身分違いである公爵への恋心を自覚したベアトリスが、最悪だけど鈍くさい私には似つかわしいと自虐的に受け止めるところや、殺人事件に首を突っ込むのは身勝手な理由からだと自覚しているのが現実的で良い。
ベアトリスに欠点をずけずけ指摘されながらも、美貌と権力と絶対的自信を持つ公爵が「もうこれ以上評判を高める必要はないんだ。ぼくより人気のある人間はいないのだから」と堂々としているのが、身長180センチ超えの32歳とは思えない王子様らしくて良い。頭脳明晰にくわえ、ボクシングまでやっているのは、ちょっと盛りすぎでは?と思った。
公爵のおかげで自分の殻を破りつつあるベアトリスが舞踏会で注目を浴び、レディ・アバクロンビーの手助けで大変身くるかと期待したが、それはなくて残念。ハラハラする終わり方で次巻が楽しみ。