あらすじ
ケスグレイブ公爵と二度も殺人事件の謎を解いたベアトリスは、いつのまにか彼に想いを寄せるようになっていた。身分違いの恋心に蓋をするには、何か「新しい謎」が必要だ。それもとっておきの事件が。そんなふうに願っていた矢先、知人から殺人事件の捜査を依頼される。突然もがき苦しんで死を遂げた男性の謎――ベアトリスは読書家ならではの知識を総動員して、現場検証をする。毒殺に使われたのは、インドの先住民が使う植物の一種だろうか? 大きな謎に直面したとたん、公爵への想いが募る。そんなとき舞踏会で目にしたのは、彼が社交界のダイヤモンドと囁かれる令嬢と踊る姿。まばゆいほど美しく、お似合いの二人を目の当たりにして動揺し、立ち去ったベアトリスに公爵は……
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Posted by ブクログ
前回の事件でケガをし、外出禁止を言い渡されたベアトリスのもとに、最初の事件で殺されたオトレー氏の娘エミリーから、亡きオトレー氏の部下であり母の愛人でもあるウィルソン氏の突然死の謎を調査して欲しいと依頼が入る。もう殺人事件には首を突っ込まないと公爵に約束したベアトリスだが、向こうからきた事件は別と一人で調査に乗り出す。
犯人を見つけるとなれば危険なことも平気でするベアトリスと、調査の助けになる権力と広い人脈を持ち、常識的でブレーキ役にもなる公爵のコンビが、探偵と助手ではなく、対等な相棒という感じで良い。公爵にはめられ、メイド姿でたばこ屋から連れ出される場面はニコニコしながら読んだ。後半のプロポーズはロマンス色よりコメディ色が強く、私は公爵の婚約者なのよ!な態度にモヤッとしたので、今後に期待。
知的なはずのベアトリスが、人の部屋をあさって手紙や日記を読んだり、軽率に犯人を追いかけたり、情報を得るために人をだましたりして、躊躇も反省もしないのが引っかかる。ふと正気に戻って、自らの行動をかえりみる描写でもあればクレイジーさが薄まると思う。
Posted by ブクログ
ベッド上でもがき苦しんで死を遂げた謎。どう解決するのかと思いそわそわして読んだ。ベアトリスの周囲の登場人物もキャラが立ってて楽しく読めました。この二人のカップルがどうなるか次回作も楽しみ。
Posted by ブクログ
すごい、読後感!
相変わらず、推理パートが短く、ミステリものとしては、「キレイに伏線回収したんだから、もっと解決編を膨らませて!もったいない!」と思う。
でも、今回は仕方ない(笑)
だって、二人の行方の方が、重要なんだもの。犯人なんて、構ってる場合じゃない(笑)
探偵パート、推理パートがあるなら。このシリーズには恋愛パートがあって。恋愛パートは、実はシビアでシリアスな問題を含んでいる。
今回は、事件の解決編と、同時進行で恋愛パートがめっちゃクライマックスになって終わる。
事件も恋愛も、解決しない問題はまだ含まれているものの、こんなクライマックスを差し出されたら、いい意味で降参するしかない。
これからどうなっちゃうか、めっちゃワクワクする。
Posted by ブクログ
意外と早くくっついた!
読者の待ってました!を期待通りにくれるのが良きですね。
殺人事件の捜査依頼を受けてからまた2人で調べ始める、そして事件の解決が急転直下なのはこの作品の特徴。この型があるのも心地よい。
パタパタパタっと今回も最後の最後で一気に解決。
あと、犯人に襲われるのも毎度のこと、なのかもしれない。
ヌニートン子爵とレディアバクロンビーが毎度いい塩梅の仕事しますわ。いい塩加減加えてくれます。
2024.10.20
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Posted by ブクログ
シリーズ三巻。
恋心を自覚したベアトリスの感情変換方法が殺人事件捜査なのがブレなくて良い。
事件の真相はベアトリスから離れ闇の中なのかと思いきや、事件と恋の怒涛のラストは圧巻でした!
この作品を読んでいると、安易に他者を
『この人はこういう人』
と断定するのは間違っているし、それは傲慢な事なのだと思い知らされます。
西洋翻訳物の恋愛って日本とはまるで違う独特の展開の仕方をするので、読んでると「あー、翻訳本読んでるんだな〜」って実感します。
Posted by ブクログ
相変わらず事件としてはそんなに面白い謎解きがあるわけでもなかったが、二人の関係性が進展する巻。かつての事件関係者から依頼された殺人を、初めはベアトリス1人で解決しようと奮闘する。そんな彼女よ様子が面白くない公爵とのやり取りが面白い。何に重きを置いて読むかにもよるけれど、二人の関係に少し事件を添えての感覚で読むなら星5、ミステリーとして読むなら星3という印象。