あらすじ
公爵と婚約したベアトリス。これまで社交界の片隅で誰の目にも留まらなかった行き遅れ令嬢が、最高位の爵位を持つ公爵の心を射止めたとあって、前代未聞の大騒ぎに。これではもう、こっそり探偵の真似事を続けることも難しい。このまま公爵の婚約者らしく、大人しくしているべき? いや、そうはいかない。両親が亡くなった20年前のボートの事故――そこに何か裏があったことを知ったベアトリスは、またしても男装して捜査に乗り出すことに。しかしそんな自分の行動を、公爵に素直に打ち明けることができなかった。そればかりか婚約してからというもの、ベアトリスは公爵を目の前にすると恥ずかしくてうつむいてばかり。これでは以前の臆病な自分に逆戻りしてしまうだけだというのに、どうしたらいいの?
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Posted by ブクログ
公爵の婚約者となったベアトリス。しかし社交界では、なぜ公爵はベアトリスに求婚したのか、彼女の罠にはめられたのではないかという噂が囁かれていた。レディ・アバクロンビーから亡き母の手紙を受け取ったベアトリスは、自分の両親が首相の依頼で商人ギルドに潜入していたこと、事故死ではなく何者かに殺害された可能性があることを知る。
生粋のお嬢様といった感じの公爵未亡人が、ベアトリスのソバカスを可愛いと褒めたあと、ダミアンに立ち向かえる賢い女性であれば、ひ孫達が美男美女でなくても、ちっとも気にしませんと言うのが辛辣で良い。ベアトリスのSOSに夜会服姿で颯爽と駆けつけ、ベアトリスの手助けをする公爵がかっこいい。予定と言えば自分の小冠を磨くことくらいと冗談を言っていて、王家の血筋なのかなと思ったら爵位貴族がかぶる冠があるそうでひとつ賢くなった。
ベアトリスの母クララが不倫をしていたと思い込んでいたヴェラ叔母さんが、ベアが母親のようにならないよう精一杯やってきたと告白するものの、結局は世間体を気にしているだけに思えて感動できなかった。ハイドクレア家の事件としては、スパイや不貞など衝撃的な過去が次々出てきて楽しめた。公爵含め、容疑者以外の登場人物がみんなベアトリスを褒め称えるのが鼻につくようになってきたので、そろそろ叔母さん以外の敵キャラが出てきて欲しい。
Posted by ブクログ
すごーく、良かった!
過去3作と比べて、推理、解決パートの重さとクライマックスも、めっちゃいい!!
前作はめっちゃハッピーで終わったけど、今作は映画のようなどすっとした、しかし晴れやかな読後感。
恋愛ものとして、ケスグレイブ公爵、ベアトリスへの信頼関係の築き方もとても丁寧でとても良かった。
終盤近くに、2人がしっかり大事な物を最優する、愛しあう姿に泣いちゃったよ!
今回は、悲しくもベアトリス「彼女自身の事件」でもあり、前作までのどこかで軽率な(しかし軽やかな)探偵の振る舞いはない。
決意と勇気で、一歩ずつ操作を進める。ラストの犯人の動機や、情緒的な暗さも、痛みを伴う。
解決パートは、それでも。だからこそ、真の意味で「対決」であったし。ベアトリスが正々堂々知恵と機転で対決し、しかしそれを深くささえたケスグレイブ公爵に救われる。
ずっとモヤついてた、ヴェラ叔母さん一家からも、愛や信頼を感じられた。ベアトリスの家族なんだと安心できて良かった。
今回辛かったし、もっと2人がラブラブしてる姿を、見たいよ。次回も楽しみ!
Posted by ブクログ
公爵さまが男前で、凄く良かった…!こうやって信頼関係が築かれる様子が読めて良かったです。この二人の結婚は凄く良いと思うので次巻も本当楽しみ。こういう二人の関係、もっと読みたい。
Posted by ブクログ
ベアトリスが自身の両親の死と向き合う巻。公爵と婚約し周りは変わるけれど、時に後ろ向きででも前を向いて少しづつ進みながら核心に迫っていく。この巻ではベアトリスより公爵の変化がポイント。寄り添う姿は今までとひと味違う