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  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」第2位選出をはじめ、 各紙誌で絶賛された犯罪ルポルタージュの傑作、待望の文庫化! ***** 死んだ鳥を大量に盗む?   いったいぜんたい、だれがそんなことを? 2009年6月。 ロスチャイルド家がヴィクトリア時代に創設した博物館から、約300羽の鳥の標本が消えた。 世にも美しい鳥が行きついた先は、希少な羽で毛針を制作する愛好家たちの世界だった! この突拍子もない盗難事件を偶然知った著者は、最初は好奇心から、やがては正義感から、 事件の調査に乗り出す。 羽毛をめぐる科学史と文化史、毛針愛好家のモラルのなさと違法取引、絶滅危惧種の保護問題、 そして未来へのタイムマシンとなりうる標本と、それを収集・保存する博物館の存在意義。 スピーディーに展開される犯罪ルポルタージュ。 ◆本書に寄せられた賛辞 博物館侵入事件、進化論の発見、絶滅の危機に瀕した鳥たち、 そして毛針作りにとりつかれた者たちが巣くう地下世界 ――無関係に見える話題を見事にまとめあげた犯罪実話だ。 マーク・アダムス(『マチュピチュ探検記』著者) 一見すると地味で埋もれてしまいそうな事件を題材に、 つぎからつぎへと繰り出される洞察と驚き。 最初から最後まで魅力に満ちた一冊。 マイケル・フィンケル(『ある世捨て人の物語』著者) 犯罪そのものだけでなく、文化遺産の重要性について多くのことを教えてくれる。 エリザベス・マーシャル・トーマス(『犬たちの隠された生活』著者) 魅了される……この犯罪をめぐって著者が取り上げた何もかもがストーリーテリングの極みだ。 カーカス 科学、歴史、犯罪ドキュメンタリー好きの読者にアピールするページターナー。 パブリッシャーズ・ウィークリー ◆目次 第1部 捕われる鳥、裕福な人 1章 アルフレッド・ラッセル・ウォレスの試練 2章 ロスチャイルドの博物館 3章 羽飾りファッションの大流行 4章 自然保護運動の誕生 5章 ヴィクトリア時代の高貴なたしなみ 6章 毛針界の希望の星 第2部 トリング窃盗事件 7章 ロンドンでの日々 8章 博物館侵入計画 9章 窓破り事件 10章 突拍子もない犯罪 11章 捜査 12章 ネットオークション 13章 逮捕 14章 審理 15章 診断 16章 判決 17章 消えた仮剝製の行方は? 第3部 真相究明 18章 国際毛針制作シンポジウム 19章 自然史標本はなぜ重要か 20章 タイムマシンに出合う 21章 鳥類学者プラムのUSBドライブ 22章 エドウィンとの対面 23章 ノルウェーでの三日間 24章 ミケランジェロが消えた 25章 鳥の魔法

ユーザーレビュー

  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

    Posted by ブクログ

    とてもとても面白い。
    臨場感もあるし、現実を見るという意味でも素晴らしい切り口の本。文章も読みやすく、下手なミステリよりもはるかにミステリっぽい。
    面白いのだが、読むのにすごく時間がかかった。その理由は、すげえ腹が立つから……もうね。この本に出てくる、この博物館の標本を盗んだヤツをね、二重三重にボコりたい。めちゃくちゃにボコりたい。ボッコボコにしたい。もうね。こんな感覚久しぶりですよ。こんなにも腹立たしくて、相手をボコりたくなったのは……
    博物館に収蔵されている標本が、毛針愛好家の手によって盗まれて、良いようにバラバラにされて売りさばかれたっていう事件のルポルタージュなわけだけれど、この本の内

    0
    2025年10月05日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

    Posted by ブクログ

    評判になっただけあって面白かったです。毛針自作界隈という何それ? って趣味ジャンルと人類の自然愛好史との関係から始まり、半分くらいで事件解決しちゃったけど? と思っていたらさらなる深層に話が向かっていくというゴージャスなルポルタージュでした。
    最終的に犯人への同情心は一切わかず、マニア・・・最悪・・・! みたいな気持ちになれるのでいいですね。古墳を発掘するときの話や絵画の修復の話など数百年スパンで未来の人類を信じる話を以前見聞きしていたのでなお最悪でした。人のふり見て我が振り直せで身を正して生きないといけない。

    0
    2025年11月28日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

    Posted by ブクログ

    イギリスで実際に起きた標本盗難事件の犯罪ルポ。
    2009年深夜、大英博物館の分館から鳥の標本が盗まれた。数ヶ月後、盗難犯として逮捕されたのは王立音楽院に所属する若きフルート奏者。輝かしい将来を約束された若者は何故道を踏み外したのか?

    読む前は犯罪ルポだしとっつきにくいんじゃないかと身構えたけど、美しい羽が盗まれた理由と執着と欲望の動機の構図がドラマチックで(犯罪を語るのに適した表現ではないけど)、ノンフィクションなのに小説のように引き込まれて夢中で読んだ。
    今まで全く知りもしなかった鳥の羽を巡る世界の話は起源から流行の背景までが興味深く読み応えあり。

    閉鎖的な界隈の中で横行している稀少な羽

    0
    2025年11月24日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

    Posted by ブクログ

    いやあ、この犯人最初は純粋無垢な感じで犯罪を犯してしまったように書かれているが、徐々に実情が明らかになっていくとともに、インタビューに応えた時などは、こいつひどいな、という感じになっていく。
    何か最後は正当に裁かれていない感があって、わだかまりが残るところがあるけど、読み応えがあった。

    0
    2025年11月03日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

    Posted by ブクログ

    犯罪ルポとしてはもちろん、色々な角度からめちゃくちゃおもしろかった!

    前代未聞の事件をどの見地で捉えるかで罪の軽重が全く変わる。科学や博物誌などのアカデミックな見地、法律的見地、もしくは金儲けとしての見地。それぞれの理が激突する。

    また、事件を超えて、狩猟採集にまつわる人間の業の深さや、犯罪にまつわる人間の心理など、非常に普遍的なテーマにまで射程が及んでいて、とても読み応えがあった。

    0
    2025年11月02日

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