カーク・ウォレス・ジョンソンのレビュー一覧

  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    とてもとても面白い。
    臨場感もあるし、現実を見るという意味でも素晴らしい切り口の本。文章も読みやすく、下手なミステリよりもはるかにミステリっぽい。
    面白いのだが、読むのにすごく時間がかかった。その理由は、すげえ腹が立つから……もうね。この本に出てくる、この博物館の標本を盗んだヤツをね、二重三重にボコりたい。めちゃくちゃにボコりたい。ボッコボコにしたい。もうね。こんな感覚久しぶりですよ。こんなにも腹立たしくて、相手をボコりたくなったのは……
    博物館に収蔵されている標本が、毛針愛好家の手によって盗まれて、良いようにバラバラにされて売りさばかれたっていう事件のルポルタージュなわけだけれど、この本の内

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    2025年10月05日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    評判になっただけあって面白かったです。毛針自作界隈という何それ? って趣味ジャンルと人類の自然愛好史との関係から始まり、半分くらいで事件解決しちゃったけど? と思っていたらさらなる深層に話が向かっていくというゴージャスなルポルタージュでした。
    最終的に犯人への同情心は一切わかず、マニア・・・最悪・・・! みたいな気持ちになれるのでいいですね。古墳を発掘するときの話や絵画の修復の話など数百年スパンで未来の人類を信じる話を以前見聞きしていたのでなお最悪でした。人のふり見て我が振り直せで身を正して生きないといけない。

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    2025年11月28日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    イギリスで実際に起きた標本盗難事件の犯罪ルポ。
    2009年深夜、大英博物館の分館から鳥の標本が盗まれた。数ヶ月後、盗難犯として逮捕されたのは王立音楽院に所属する若きフルート奏者。輝かしい将来を約束された若者は何故道を踏み外したのか?

    読む前は犯罪ルポだしとっつきにくいんじゃないかと身構えたけど、美しい羽が盗まれた理由と執着と欲望の動機の構図がドラマチックで(犯罪を語るのに適した表現ではないけど)、ノンフィクションなのに小説のように引き込まれて夢中で読んだ。
    今まで全く知りもしなかった鳥の羽を巡る世界の話は起源から流行の背景までが興味深く読み応えあり。

    閉鎖的な界隈の中で横行している稀少な羽

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    2025年11月24日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    いやあ、この犯人最初は純粋無垢な感じで犯罪を犯してしまったように書かれているが、徐々に実情が明らかになっていくとともに、インタビューに応えた時などは、こいつひどいな、という感じになっていく。
    何か最後は正当に裁かれていない感があって、わだかまりが残るところがあるけど、読み応えがあった。

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    2025年11月03日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    犯罪ルポとしてはもちろん、色々な角度からめちゃくちゃおもしろかった!

    前代未聞の事件をどの見地で捉えるかで罪の軽重が全く変わる。科学や博物誌などのアカデミックな見地、法律的見地、もしくは金儲けとしての見地。それぞれの理が激突する。

    また、事件を超えて、狩猟採集にまつわる人間の業の深さや、犯罪にまつわる人間の心理など、非常に普遍的なテーマにまで射程が及んでいて、とても読み応えがあった。

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    2025年11月02日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    2009年、毛針愛好家の青年が博物館に侵入し、大量の珍鳥標本を盗んだ。動機は身勝手だったが、発達障害と診断されたことで極めて軽い刑が言い渡された。事件は落着… と、ここから著者の「真相」究明が始まる。フィクションではない生々しい欲望と感情たちに膿む。長期的な英知と短期的な私欲による争いは、いつも後者が勝利をおさめる。という一節が印象的だった。

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    2025年10月31日