カーク・ウォレス・ジョンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の全く知らない世界のお話でした。毛針作成者が引き起こした事件です。釣りはしないけど毛針を作ることを趣味にする人がたくさんいるんですね。驚いた。
犯人は罪悪感がありません。彼は、米国のホームスクールなる制度で大学に入るまでは家庭で教育を受けた人だそうです。音楽や毛針作成のような好きなことだけをしてきたので、道徳観やら倫理観のようなものを身に付けずに大人になってしまったのでしょう。恐ろしいことです。
著者は盗難された珍鳥を探す旅に出ますが、結局は見つからず。今回の犯人に限らず、毛針作成を趣味にする人たちの中には、絶滅危惧種を憂うよりも自分の趣味を優先する人がいるのですね。撮り鉄のような世界 -
Posted by ブクログ
とてもとても面白い。
臨場感もあるし、現実を見るという意味でも素晴らしい切り口の本。文章も読みやすく、下手なミステリよりもはるかにミステリっぽい。
面白いのだが、読むのにすごく時間がかかった。その理由は、すげえ腹が立つから……もうね。この本に出てくる、この博物館の標本を盗んだヤツをね、二重三重にボコりたい。めちゃくちゃにボコりたい。ボッコボコにしたい。もうね。こんな感覚久しぶりですよ。こんなにも腹立たしくて、相手をボコりたくなったのは……
博物館に収蔵されている標本が、毛針愛好家の手によって盗まれて、良いようにバラバラにされて売りさばかれたっていう事件のルポルタージュなわけだけれど、この本の内 -
Posted by ブクログ
大英自然史博物館のバックヤードで多くの鳥の標本が盗まれた。そこで盗まれたのはダーウィンの見つけたものなど歴史的な価値があるものではない標本達だった……
毛鉤の釣りをしているときにジャーナリストの著者がそんな不思議な盗難事件を聞き、そして「完全解決には至っていない」ところから興味を持って調べていく本。「美しい鳥の羽根がいかに人間を狂わせたか」が描かれる。
美しい「毛鉤」という文化があるのを初めて知った。とくに「アンティークと同じものを自らの手で作りたい(そのためには絶滅危惧種や絶滅した鳥の羽根を利用せねばならない)」という欲望について、ものすごい「文化内の規範」を感じた。面白く、そして怖かった。 -
Posted by ブクログ
イギリスで実際に起きた標本盗難事件の犯罪ルポ。
2009年深夜、大英博物館の分館から鳥の標本が盗まれた。数ヶ月後、盗難犯として逮捕されたのは王立音楽院に所属する若きフルート奏者。輝かしい将来を約束された若者は何故道を踏み外したのか?
読む前は犯罪ルポだしとっつきにくいんじゃないかと身構えたけど、美しい羽が盗まれた理由と執着と欲望の動機の構図がドラマチックで(犯罪を語るのに適した表現ではないけど)、ノンフィクションなのに小説のように引き込まれて夢中で読んだ。
今まで全く知りもしなかった鳥の羽を巡る世界の話は起源から流行の背景までが興味深く読み応えあり。
閉鎖的な界隈の中で横行している稀少な羽