ジェイムズラヴグローヴの作品一覧
「ジェイムズラヴグローヴ」の「シャーロック・ホームズとサセックスの海魔」「シャーロック・ホームズとシャドウェルの影」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
見事な短編連作で、作者が書きたいことをこれでもかとばかりに詰め込んだのが伝わる。
前作である三部作は、ホームズの青年期、壮年期、老年期という区分で、それぞれの時代のさまざまな事件の真相という体裁でクトゥルフとの戦いが描かれているのだが、今作はそれを更に俯瞰する形で、三部作の時代を貫き通すような形式で物語が構成されている。その分、登場人物も多くて、私のようにシャーロック・ホームズの原典に不調法な人間には、ん?んん?となることも多い。しかし、通底するシャーロック・ホームズの理想像というものに対して、作者は誠実でめちゃくちゃに好感がもてる。
ただ惜しむべきは、ヒロインであるアイリーンさんを際立たせる目的もあってか、ほかの女性登場人物がいまいちだというところだろうか? 悲劇性を強調する目的もあってのことか、被害者がむごたらしく惨殺されるあたりの描写に『ここまでしちゃうか~』となってしまった。
しかしながら、上巻という地ならしの上で展開していく下巻のそれはアグレッシブでエキサイティング、大変おもろしくて楽しかった。
後書きにて、それとなくこのワトソンが遺した手記は、これが最後ではないと匂わせているので、続編が編まれるのであれば、ぜひとも手に取って読みたいと感じた。