福嶋伸洋の作品一覧
「福嶋伸洋」の「NHK出版 これならわかる ブラジル ポルトガル語文法 入門から上級まで」「太陽に撃ち抜かれて」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
純文学の様な読み心地の小説。
今までに読んだことのある作品で似てると思ったのはサドの『美徳の不幸』だろうか。
ただし、ここに描き出される女性はジャスティーヌとも違う。
ジャスティーヌは見た目も心も清らかで美しいが幸福に恵まれない。
この作品の女性は果てしなく凡庸に描かれている。
忘れられやすい目立たない子。
そんな人物を淡々と描く。
ただ、それでも人生にあるものはある。
現代的な幸せの要点に欠けていても、あるものはあり、そして彼女は仏教の諦念の様なものが自然と機能していたのか本人的には不幸せではなさそうだった。
この女性の人生をどう思うかは読み手次第だと思うけど、悪くないのかもなと思った。
本人がそれでいいならね。
Posted by ブクログ
ブラジルのファヴェーラについて、余り知識は無い。映画『黒いオルフェ』を視たことがある程度。
軍と自警団の腐敗ぶりについては、別ソース(主にFacebookの当地のひとたち)から仄聞していた。
……が、ファベーラ内部側からの描写された物語、に遭遇したのはこれが初めてで、衝撃であった。
文句なしの星5つ。
当然ながら大麻、コカイン、クラック、香水やLSDといった違法薬物が登場する。観光地で嗅いだ、あの腐った藁みたいな大麻の匂いが鼻に甦る。
それらを差し引いても、短編各話に現れるファベーラの暮らしには心が震える。
つつましく暮らしたいだけの人々。小学生の無邪気ながらも、彼らなりの世間体を感じる心。売り場(薬物の)の売人にも、非合法は非合法なりにある『ルール』と疎外。
語られる物語に、
「教育を受けていれば解決策を他にも考え付けるのでは?」
という疑問を浮かばせたり、
「このどん詰まりの状況はたとえ教育があっても無理なのでは?」
と絶望を感じたり。
地球のほぼ反対側の、共通する部分がほとんどない社会なのに、似たような通過儀礼やら心の動きに、新鮮な共感を覚えたり。
色々な方向に心を動かされる、とても優れた物語が詰まった短編集であった。
『ロシアンルーレット』のバカガキは、彼、ぜったいまたやると思う。