福嶋伸洋のレビュー一覧

  • 星の時

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    天涯孤独のタイピスト、マカーベアは自分が不幸だとは知らない。あまりにも純真無垢で欲望を知らず、身に起きるすべてをただ自然に受け入れる。未来と希望が彼女を輝かせる時間はあまりに短く潰えた光は奇蹟の祈りへ。その哀しみにしばし寄り添っていた。

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    2026年09月14日
  • 星の時

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    純文学の様な読み心地の小説。
    今までに読んだことのある作品で似てると思ったのはサドの『美徳の不幸』だろうか。
    ただし、ここに描き出される女性はジャスティーヌとも違う。
    ジャスティーヌは見た目も心も清らかで美しいが幸福に恵まれない。
    この作品の女性は果てしなく凡庸に描かれている。
    忘れられやすい目立たない子。
    そんな人物を淡々と描く。
    ただ、それでも人生にあるものはある。
    現代的な幸せの要点に欠けていても、あるものはあり、そして彼女は仏教の諦念の様なものが自然と機能していたのか本人的には不幸せではなさそうだった。
    この女性の人生をどう思うかは読み手次第だと思うけど、悪くないのかもなと思った。
    本人がそれでいいならね。

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    2026年07月23日
  • 太陽に撃ち抜かれて

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    ドラッグ、銃、警察の汚職が当たり前にあるブラジルの日常はのは私の日常とは全然違うから興味深かった。一方で、本の中に出てくる主人公たちが考えていることや悩んでいることには私と変わらないような気がした
    海外の作品は私が生きている世界とは全く違う景色を見せてくれるのに、その中に共感できるところがあるところが面白くて好きだなと思った
    あとこの本は装丁がおしゃれ

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    2026年07月11日
  • 太陽に撃ち抜かれて

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    これも良い本だった。麻薬と太陽に脳を焼かれて、すっかりダメになったラテンアメリカな物語。今に私は太陽の光に中毒を起こしそうだ。

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    2026年06月05日
  • 太陽に撃ち抜かれて

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    ネタバレ

    ブラジルのファヴェーラについて、余り知識は無い。映画『黒いオルフェ』を視たことがある程度。
    軍と自警団の腐敗ぶりについては、別ソース(主にFacebookの当地のひとたち)から仄聞していた。

    ……が、ファベーラ内部側からの描写された物語、に遭遇したのはこれが初めてで、衝撃であった。
    文句なしの星5つ。

    当然ながら大麻、コカイン、クラック、香水やLSDといった違法薬物が登場する。観光地で嗅いだ、あの腐った藁みたいな大麻の匂いが鼻に甦る。

    それらを差し引いても、短編各話に現れるファベーラの暮らしには心が震える。
    つつましく暮らしたいだけの人々。小学生の無邪気ながらも、彼らなりの世間体を感じる心。売り場(薬物の)の売人にも、非合法は非合法なりにある『ルール』と疎外。
    語られる物語に、
    「教育を受けていれば解決策を他にも考え付けるのでは?」
    という疑問を浮かばせたり、
    「このどん詰まりの状況はたとえ教育があっても無理なのでは?」
    と絶望を感じたり。
    地球のほぼ反対側の、共通する部分がほとんどない社会なのに、似たような通過儀礼やら心の動きに、新鮮な共感を覚えたり。
    色々な方向に心を動かされる、とても優れた物語が詰まった短編集であった。

    『ロシアンルーレット』のバカガキは、彼、ぜったいまたやると思う。

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    2026年04月26日
  • 太陽に撃ち抜かれて

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    短編形式で、1作1作は短いが彼らの人生を感じるようなリアルな1冊。渇きが、ある。
    気温が高く、人との関わりも濃い、薬をキメれば熱は増幅し、世界は膨張する。その退廃感、情熱。しかし冷たい。熱を帯びた銃を冷蔵庫で冷やすかのような温度をもつ物語。口語の自由さは、細部の違和感を押し流し、乱雑な世界への没入を強める。

    ヤクがなくなればリオデジャネイロは止まる、ヤク中の女は歯が無いのでフェラがうまい、体制の悪夢は死を恐れない、こちらからすれば有り得ない日常を突きつけられ、自分が小さくみえる。もっとおおきく物事を捉えても良いのかもしれない。海外作品に触れる醍醐味を鮮やかに感じられる1冊。

    限りなく透明に近いブルーが好きな人には特にオススメ。

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    2026年03月19日
  • 太陽に撃ち抜かれて

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    ・「現地で実際に話されている口語を用いて書かれた」と役者あとがきに書いてあって、訳でなくポルトガル語で読みたいと思った。
    ・ファベーラはシンプルに貧困層の住居なのではなくて、歴史問題の産物であるという風に認識を改めた。

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    2026年08月28日
  • 星の時

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    はじめ、観察者視点の語りの文章に慣れなくて読みづら…って思っていたら、どんどん引き込まれていった。
    嫌いじゃない。むしろ好き、

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    2026年07月27日
  • 星の時

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    「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」という帯の言葉に惹かれて購入。

    変な読み心地の小説だった。嫌いじゃない。
    マカベーアという名のタイピストで無垢な女の子を主人公とした物語をロドリーゴという男性作家が書いているという入れ子構造になっている。ロドリーゴはなかなか物語を描き始めないし、物語の途中途中なのに彼の思考が本編と違う方向に飛んだ文章を差し込んでくる。ロドリーゴはおそらく著者の写し身であろうが、女性作家であるクラリッセの分身とは思えないほど率直でうるさくてデリカシーがなく、ロドリーゴのことはあまり好きになれなかった。

    巻末の訳者あとがき・解説やクラリッセの息子の文章を読むとこの小説の受け取り方についてこんな視点も取れるんだなぁと感心した。
     

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    2026年09月07日
  • 星の時

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    映画の補完を期待して読んだが、何一つ補完されず映画と同じに終始ムズムズするお話。結局無知が最強なんだろか。とにかく多分マカのことは一生忘れられない気がする…

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    2026年08月30日