ユーザーレビュー まちがえる脳 櫻井芳雄 脳の中でニューロン間の信号伝達が30回に1回程度しか成功していない由.従って脳はほとんど間違えていることになる.実感としては、時々間違えている感じだが.制御方法に工夫を凝らしていると想定される.記憶の形成にはニューロン集団の同期発火が必要との解説があったが、最終的にはニューロンの感受性を増大させるこ...続きを読むとが必要なようだ.とは言っても、自分自身で脳をコントロールできるわけではないので、脳内部を常に変容し続けることに大きなメリットがある由.学ぶことが多い本だった. Posted by ブクログ まちがえる脳 櫻井芳雄 脳の機能やしくみがまだわかっていないことが、よく理解できた。「AIが、心を持つ日が来るのか」と考えることがあるが、そもそも心って何なのかがまだはっきりしていないのだと思う。 脳について、これまでの研究でわかっていることの中にも、実は実験条件のおかしいものがあることもわかった。 いい本でした。難...続きを読むしいところもあった。線を引きながら読んだので、後で読み返そう。 Posted by ブクログ まちがえる脳 櫻井芳雄 脳は、非常にアナログな動作をする器官である。人の脳には1000億のニューロンがあるといわれている。しかもひとつのニューロンに数千のシナプスがあり、そこでは非常に不安定で確率的な信号伝達が行われている。電気信号を受け取る樹状突起上では信号の逆方向転換が生じ、軸索を覆うミエリンの変化による信号伝達速度の...続きを読む調整が行われている。更にはシナプスを介さない細胞外スペースにおける神経修飾物質なども脳の動作に影響を与えている。 また、脳の機能は部位ごとに局在しているわけではない。同じ行動、記憶、感覚などが常に同じニューロンの発火から生じるわけではなく、同じニューロンが発火しても常に同じ行動、記憶、感覚が生じるわけでもない。こうした仕組みを持つ脳は、AIなどのニューラルネットワークとは根本的に作りが異なる。このような要素を持つ脳はよく間違え、ミスをする。一方、可塑性という大きな特徴を持っており、部分的な損傷を受けても影響を受けなかったり、大きな損傷を受けても回復したりする。 このようなことを知ることができると、安心する。日常生活で私は間違えていることばかりだが、私がポンコツなのではなく、そもそも脳がそのような性質を持っているのだと言い聞かせることができる。また、出来が悪いなりにも努力することにより何とかなるものだとも思えるようになる。生成系AIの時代が到来したが、慌てずに腰を落ち着けてその時代に対応しようという気持ちが湧いてくる。一読してよかったと思える本。 Posted by ブクログ まちがえる脳 櫻井芳雄 脳の最新の知見を平易に解説する本書。専門用語もあり読むのは少し我慢が要りますが!脳の神秘に触れられます。脳の情報伝達が確率的であり、間違いながら働くことでさまざまな可能性が担保されていること、AIとは根本的に違うことを解説。今でもなお脳はわからないことだらけであり、脳に関する迷信をことごとく喝破する...続きを読む様は小気味良さを覚えました。脳の持つ可能性に期待しつつ、読書を続けますかね。 Posted by ブクログ まちがえる脳 櫻井芳雄 最後の迷信を超えて、というのが最も面白い。今まで説明される脳の局在説が間違いというのが多くの実例とともに説明されている。水頭症や強度の転換で脳を切除されたか脳が委縮した状態でも正常に生活ができているというものも説明されている。また最も説得力が大きいものは、運動や何かをしているときには脳の一部部が強く...続きを読む働いているが、逆に脳のある部分が血流が多く流れいるかといって何をしているかはわからない、ということである。 Posted by ブクログ 櫻井芳雄のレビューをもっと見る