櫻井芳雄のレビュー一覧

  • まちがえる脳

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    脳の中でニューロン間の信号伝達が30回に1回程度しか成功していない由.従って脳はほとんど間違えていることになる.実感としては、時々間違えている感じだが.制御方法に工夫を凝らしていると想定される.記憶の形成にはニューロン集団の同期発火が必要との解説があったが、最終的にはニューロンの感受性を増大させることが必要なようだ.とは言っても、自分自身で脳をコントロールできるわけではないので、脳内部を常に変容し続けることに大きなメリットがある由.学ぶことが多い本だった.

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    2024年03月24日
  • まちがえる脳

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    ネタバレ

     脳の機能やしくみがまだわかっていないことが、よく理解できた。「AIが、心を持つ日が来るのか」と考えることがあるが、そもそも心って何なのかがまだはっきりしていないのだと思う。
     脳について、これまでの研究でわかっていることの中にも、実は実験条件のおかしいものがあることもわかった。
     いい本でした。難しいところもあった。線を引きながら読んだので、後で読み返そう。

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    2023年12月03日
  • まちがえる脳

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    脳は、非常にアナログな動作をする器官である。人の脳には1000億のニューロンがあるといわれている。しかもひとつのニューロンに数千のシナプスがあり、そこでは非常に不安定で確率的な信号伝達が行われている。電気信号を受け取る樹状突起上では信号の逆方向転換が生じ、軸索を覆うミエリンの変化による信号伝達速度の調整が行われている。更にはシナプスを介さない細胞外スペースにおける神経修飾物質なども脳の動作に影響を与えている。
    また、脳の機能は部位ごとに局在しているわけではない。同じ行動、記憶、感覚などが常に同じニューロンの発火から生じるわけではなく、同じニューロンが発火しても常に同じ行動、記憶、感覚が生じるわ

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    2023年09月10日
  • まちがえる脳

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    脳の最新の知見を平易に解説する本書。専門用語もあり読むのは少し我慢が要りますが!脳の神秘に触れられます。脳の情報伝達が確率的であり、間違いながら働くことでさまざまな可能性が担保されていること、AIとは根本的に違うことを解説。今でもなお脳はわからないことだらけであり、脳に関する迷信をことごとく喝破する様は小気味良さを覚えました。脳の持つ可能性に期待しつつ、読書を続けますかね。

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    2023年08月13日
  • まちがえる脳

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    最後の迷信を超えて、というのが最も面白い。今まで説明される脳の局在説が間違いというのが多くの実例とともに説明されている。水頭症や強度の転換で脳を切除されたか脳が委縮した状態でも正常に生活ができているというものも説明されている。また最も説得力が大きいものは、運動や何かをしているときには脳の一部部が強く働いているが、逆に脳のある部分が血流が多く流れいるかといって何をしているかはわからない、ということである。

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    2023年07月25日
  • まちがえる脳

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    『常識を疑え』

    右脳と左脳、男脳と女脳、脳の部位ごとに分けた明確な解説など間違った常識を全て追っ払ってくれる。

    脳に対するイメージを更新したい人におすすめ。


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    2025年10月21日
  • まちがえる脳

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    思った以上に専門的な内容でしたが、様々な事例や研究例と共に説明されるのでわかりやすくまた面白かったです。
    本書で脳の機能について今わかっている事・わからない事を丁寧に解説してるからこそ最後の筆者の「脳の機能はアンサンブルで決まる」という言葉にとても納得できました。

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    2024年04月13日
  • まちがえる脳

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    脳は、コンピュータと比べると、不完全で不確かな計算装置であると同時に、極めて複雑で多様な作用を持っている。だから、間違うとともに創造的な閃きを生むし、脳の一部が損傷したり全体が萎縮したりしても機能を代替して通常と同じように機能する柔軟さを持っている。
    こうした極めて複雑で多様で可塑性の高い脳について、単独の部位や神経伝達物質や遺伝子が何らかの機能に対応したり何らかの問題の原因として単独犯になるという、わかりやすいが誤った説明が用いられやすいが、複雑な相互作用や柔軟性の仕組みを解き明かした時、初めて脳を解明できたと言えるのであろう。そして、そう言える日はまだまだ遠い。

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    2023年09月15日
  • まちがえる脳

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    脳についての最新の研究をわかりやすく述べている。人は間違えるものであるが、間違えるからこそ新たなアイデアが生まれるのだ。

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    2023年09月06日
  • まちがえる脳

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    錯視のような身近な「まちがえ」の話かと思ったが骨太な内容。
    脳機能の再現をAIがなし得るかという積年の議論は、西垣通氏のような情報学者からの反駁も興味を惹かれたが
    神経科学者からの、そもそも脳機能の未知性からの論拠もなるほどと思わせられる。

    実地的な検証の必要性と難解さ。それを解き明かすための科学的検証のあり方多様であり、一筋縄ではいかない生物の深淵を覗く道程がやはりまだはるか先まで続くことを示唆しているのだろう。

    一方で機械的な生物理解からは考えにくい実例も面白い。

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    2023年09月03日
  • まちがえる脳

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    最近、人工知能についての本を読んでいる。
    ニューラル・ネットワークなど、人間の脳がモデルになっているとの説明も見かける。
    そこで、人間の脳はどうなのか、気になって併せて読んでみた。

    著者はニューロンの働きを調査してきた人とのこと。
    40年にわたる研究の成果を、他の研究者の成果も交えながら解説していく。

    驚いたのは、人間の脳についての研究は進んだとはいえ、わかっていないことがまだ多いということだ。
    同じ刺激を与えても、同じニューロンが反応し、同じ経路をたどって伝わっていくとは限らない。
    ニューロン間の伝達は「確率的」なものなのだそうだ。
    ニューロンは集団で発火し、リズミカルなゆらぎとして現れ

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    2023年08月11日
  • まちがえる脳

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    脳はいいかげん?AIが発達すると人間の脳のようになるという神話がある。今のAIは、脳の神経回路を模したニューロネットワークを基盤にしているからと。この本を読むと、脳はデジタル回路でできたニューロネットワークのようではなく、もっともっと複雑で、また解明されていない仕組みでできているという。ニューロンがシナプス結合で信号を次のニューロンにつないでいるが、デジタル回路のように’1’がきたらそれが次に伝わるわけではない。ニューロンが発火するのは確率的だ。それも何も信号が来ていない時でも勝手に発火してるし、信号が来ても発火しないときもある。確実に発火するのはたくさんのニューロンが一斉に発火している同時発

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    2023年08月07日
  • まちがえる脳

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    やや専門的すぎ、一般人には理解しにくい箇所があったが、脳がいかにまだ分からないところが多いか、また次のように巷で言われていることが真実でないか、と言うことが知り得た。

    具体的で本質的な疑問
    ・自ら発火できないニューロンがつながりつくられている脳が、どうして自発的に活動できるのか?
    ・ニューロンは集団が同期発火することで信号を伝えているが、同期させているものは何か?
    ・脳内の情報はどのような活動や状態で存在しているのか?
    ・脳の信号伝達に基づく情報処理とは、具体的にどのような活動で行われているか?
    など。

    認識を新たにしたこと
    ・'16年の米国の死因第3位は年間25万人の医療ミス(

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    2023年08月03日
  • まちがえる脳

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    ネタバレ

    AI持ち上げの批判がすごくわかりやすかった。結構わかっていないのに比喩で何とかするのは認識法としてわかりやすいからであろう。もうちょっと丁寧にやってね、というところか。実用化できそうなところが結構危うい・怪しいという話は読みごたえがある。

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    2023年07月22日
  • まちがえる脳

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    ネタバレ

    思っていたより専門的な内容の本だった。説明は易しく、脳科学素人でも理解しやすい。脳の正確なしくみはまだまだ解明されていない、というのが筆者の伝えたいことだと感じた。

    脳のメカニズムは、現在の科学を持ってしてもほとんど解明されていない。正確無比なコンピュータと異なり、神経回路は確率的なゆらぎをもつ。ゆえに間違い、その間違いが時にひらめきを生む。
    特定の部位が特定の機能をもつ、あるいはある脳機能には特定の原因物質が作用しているといった、分類という方法論では脳を正しく理解することは難しい。実際には極めて多様な働きが、多くの部位の相互作用のなかで生まれているのであり、その複雑さを無視して単純に理解し

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    2024年01月12日