作品一覧

  • ガンより怖い薬剤耐性菌
    3.8
    1巻836円 (税込)
    人類は今、ふたつの医学上の危機に直面している。ひとつはペニシリンなどの「抗菌薬」が効かない「薬剤耐性菌」が蔓延し、死亡者数が増加していること。これによる世界の感染死者数は将来、ガン死者数を上回るとも推定されている。もうひとつの危機は感染症のみならず、アレルギー、ガン、肥満、ぜんそく、自閉症、生活習慣病、潰瘍性大腸炎などの患者数が増えていることだ。これらの危機は治療等で抗菌薬を乱用し、人が生きていくうえで欠かせない腸内や皮膚の細菌・微生物を殺してきたのが原因である。抗菌薬まみれの人類は危機を回避できるか? 細菌とウイルスに対する正しい知識を紹介し、最新感染症対策も解説。 【目次】プロローグ 感染症の薬が効かなくなっている!/第1章 感染症の治療薬と薬剤耐性/第2章 抗菌薬の乱用がもたらした2つの災害/第3章 感染症を引き起こす病原微生物とその対策/第4章 ガンや循環器病の原因になる微生物/エピローグ 明らかになりつつある人体内の共生微生物の世界/おわりに/用語解説/参考文献
  • 新版 ウイルスと人間
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    ウイルスにとって,人間はとるにたらない存在にすぎない――ウイルス研究の泰斗が,ウイルスと人間のかかわりあいを大きな流れの中で論じる.旧版に,COVID-19を中心とする最新知見を加えて増補改訂.エマージングウイルスが次々と人類を襲う現代にあって,これまでを俯瞰し,これからを考える,たしかな視座を提供する.

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  • エボラ出血熱とエマージングウイルス
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    西アフリカで発生したエボラ出血熱は過去に例を見ない大流行となった。エボラはどこから来たか、なぜ致死率90%と高いのか、治療や予防法はあるか、日本は大丈夫か、とさまざまな疑問が投げかけられている。ウイルスハンターや医師たちの苦闘の歴史を振り返り、ウイルス専門家の立場からエボラ出血熱の現在を紹介する。

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  • ファージ・ハンター 病原菌を溶かすウイルスを探せ!
    -
    1巻1,540円 (税込)
    長い進化を共にしてきた細菌とそのウイルス(通称ファージ)は膨大に存在している.薬剤耐性菌による感染症の死者がガン死者を上回る将来予想が示される中,忘れられていたファージ療法が復活する.分子生物学を誕生させ,医薬品開発の基盤技術ともなっているファージの探究史を,その発見から今日までドラマチックに描きだす.

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  • インフルエンザウイルスを発見した日本人
    -
    1巻1,540円 (税込)
    1918年のインフルエンザ・パンデミックに際し,その病原体がウイルスであることを示した日本人がいた.埋もれていた論文の著者山内保は,細菌よりも小さく「見えない」病原体に,どのようにして迫りえたのか.黄金期のパスツール研究所に連なる病原体の狩人たちの事績と人生をたどり,医学探究のドラマを描きだす.

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  • ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか
    4.0
    1巻2,970円 (税込)
    20世紀後半以降、人間社会に次々に出現するようになった新たなウイルスを「エマージングウイルス」という。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もその一つである。新型コロナウイルスにおいて起きたことは、他のエマージングウイルスにおいてすでに起きていた。感染者と共に大西洋を渡ったラッサウイルス。宿主であるコウモリからほかの動物を介してヒトに伝播したニパウイルス。院内感染がクラスターとなったエボラウイルス。憶測が差別につながったハンタウイルス。そして、SARS・MERSウイルスの出現は、コロナウイルスのグループからさらに新たなウイルスが出現する可能性があることを示唆していた。人類は、ウイルスの発見以来、ワクチンや治療薬、分離・判定技術、情報網などの対抗手段を急速に発展させてきた。しかしその一方で、人間社会の発展そのものが新たなウイルスの出現を促し、感染を加速させているという見方もできる。動物やヒトが密集し、短時間に長距離を移動できるようになったことにより、ウイルスと新たな宿主が出会う機会は急増し続けている。エマージングウイルスの10の事例を通じてウイルスと人間社会の関係を俯瞰し、今後も新たなウイルスが繰り返し社会に現れうることを警告する書。
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在
    4.1
    1巻3,080円 (税込)
    ウイルスとは何者か。その驚くべき生態が明らかになるたびに、この問いの答は書き替えられてきた。ウイルスは、数十億年にわたり生物と共に進化してきた「生命体」でありながら、細胞外ではまったく活動しない「物質」でもある。その多くは弱く、外界ではすぐに感染力を失って“死ぬ”。ただし条件さえ整えば、数万年間の凍結状態に置かれても、体がばらばらになってしまったとしても“復活”する。ウイルスの生と死は、生物のそれとはどこかずれている。一部のウイルスは、たびたび世界的流行を引き起こしてきた。ただしそれは、人類がウイルスを本来の宿主から引き離し、都市という居場所を与えた結果でもある。本来の宿主と共にあるとき、ウイルスは「守護者」にもなりうる。あるものは宿主を献身的に育て上げ、またあるものは宿主に新たな能力を与えている。私たちのDNAにもウイルスの遺伝情報が大量に組み込まれており、一部は生命活動を支えている。ウイルスの生態を知れば知るほど、生と死の、生物と無生物の、共生と敵対の境界が曖昧になっていく。読むほどに生物学の根幹にかかわる問に導かれていく一冊。
  • 異種移植――医療は種の境界を超えられるか
    5.0
    1巻3,300円 (税込)
    種の異なる動物の間で行われる移植を異種移植という。そのなかでも臓器の異種移植は、ヒト-ヒト間の臓器移植が抱えている臓器不足問題の解決策として長く期待されてきた。ただし、その道のりには同種移植にはない問題があった。移植から数分で始まることもある超急性拒絶反応や、移植臓器に潜む病原体による未知の感染症の出現リスクなどである。これらの問題のために研究は度々停滞した。しかし近年、遺伝子改変され、ゲノム編集などにより病原体が排除されたドナー豚が作られている。2022年1月には、このドナー豚の心臓を用いた初の移植手術が行われた。いまやこの技術は、実験的な医学研究の段階から、臨床試験の段階へと進もうとしている。実績の少ない革新的な医療技術を適用する際に、患者の福祉はいかに守られるべきか。ドナーとなる動物の福祉についてどう考えるべきなのか。なぜ、ヒトから遠縁の豚がドナー動物に選ばれたのか。移植の歴史をたどり、異種移植が求められてきた背景を振り返りながら、その技術的課題と解決策だけではなく、倫理的課題についても展望する書。
  • 牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス
    4.0
    1巻4,400円 (税込)
    牛疫は、数週間で牛の群れを壊滅させる疫病である。徹底的な検疫と殺処分しか防ぐ手段がなく、その出現以来、この疫病は人々に恐れられてきた。ところが20世紀初め、牛疫ウイルスをワクチンにできるとわかると、牛疫と人々の関係が変わり始める。恐るべきウイルスは、制御可能な力に変わったのだ。宿主にワクチンで免疫を与えれば、地域からウイルスを排除できる。ある国での成功が他の国でのキャンペーンを誘発し、その先に地球上からの根絶という夢が生まれた。しかしその道のりは、各国の利害にたびたび翻弄されることになった。その一方で、ワクチンの誕生は、自国の牛を守りながらウイルスで別の地域の食糧生産を攻撃できることを想像させた。一部の国々は第二次世界大戦中に生物兵器研究を開始する。研究は、大規模な根絶キャンペーンの陰で、時にはキャンペーンを主導する国によって、戦後も続けられた。牛疫は、人類が根絶に成功した2種のウイルスの内の一つである。牛疫は、根絶に至る最後の150年間に、国際的な連帯の意義を示し、そして科学技術があらゆる目的で利用されうることを示した。疫病との戦いを記録し、科学研究のあり方を問う、必読の書。

ユーザーレビュー

  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

    Posted by ブクログ

    おもしろい。読書メモがはかどるはかどる。
    専門的なところと小話のバランスがとても良く、難しい内容を斜め読みにしても飽きずに最後まで読めると思います。

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    2025年03月11日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

    Posted by ブクログ

    ウイルスと細菌はちがう。細胞を持たず他者(生物の細胞 )に入り込むと増殖をする、ただの微粒子。
    独特の生と死。
    不活性が起きなければいつまでも生き続ける。ノロウィルスは外気にさらされても不活性になりにくいので危ない。

    ウイルスの死は何かの原因で不活性になり増殖ができなくなったり組織が破壊された時。
    しかし破壊されたウイルス同士が集まることでフランケンシュタイン的に復活する。

    ウイルスを持ち運ぶいい方法は生物に感染させてその生物を移動させること。
    研究者の中には自らにウイルスを感染させた持ち運ぶ究極に体を張った人もいる。
    「九名の患者の便をプールし遠心器にかけたあと、細菌フィルターでろ過して

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    2020年06月14日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

    Posted by ブクログ

    人間とウィルスの関係を分かりやすく教えてくれている。
    そもそもウィルスとは二種ある。
    DNAを持つものと、持たないRNAのもの。
    RNAは不確実性が高く、劇的な進化を遂げやすい。
    古細菌、細菌、真核細菌
    ウィルスも同じく3種ある。

    0
    2020年05月27日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

    Posted by ブクログ

    ウイルスについて、素人向けに非常に質の高い情報を提供している。ウイルス発見やワクチンの歴史、分類など初めて知ることばかりだった。海の中にもウイルスが溢れていること、細菌に匹敵する大きさのウイルスの存在、人類のDNAの9%はウイルスから逆転写されたもの由来であること、などは興味深かった。
    ウイルス学は20世紀以降、発展が著しいとのこと。本書はコロナ禍以前の出版だが、ウイルス学の知見も本書の内容から上書きされているのだろう。

    0
    2025年06月21日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

    Posted by ブクログ

    ウイルスがヒトの遺伝子の中に組み込まれ、ウイルスによっては何億年も前から共存していたこと、海洋の深海の中でも存在して、影響を与えていたことを知った。
    今後も人類はウイルスの脅威にさらされていくことを知った。

    0
    2025年01月19日

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