作品一覧

  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    3.8
    1巻935円 (税込)
    日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。
  • 見捨てられる<いのち>を考える
    2.3
    1巻1,980円 (税込)
    生きるべきひと/死んでいいひと、もう選別は始まっている…… 安楽死と尊厳死、そして優生思想をめぐって緊迫していく現況に警鐘を鳴らす 2020年7月、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者に薬物を投与したとして、 ふたりの医師が嘱託殺人の容疑で逮捕された。 同じ年、コロナ禍で医療が逼迫するなか、 人工呼吸器をどの患者に優先して使うべきかの議論が紛糾。 医療がひとの生命を縮めうるという事実に、私たちは直面せざるを得なくなった。 研究者として当事者として支援者として、 死生学や生命倫理に長らく携わってきた著者たちが緊急セミナーで結集。 安楽死・尊厳死、そして優生思想をめぐり、先走っていく世論に警鐘を鳴らす。 【目次より】 まえがき――安藤泰至 第1 部 ALS 嘱託殺人と人工呼吸器トリアージ ◆「尊厳死」「安楽死」の危うさ――安藤泰至 ◆ALS 患者の「死ぬ権利」?――川口有美子 ◆医療が死を早めてよいのか?――島薗進 第2 部 「安楽死」「尊厳死」言説といのちの学び ◆殺される/殺すのはだれか?――安藤泰至 ◆<間>の生を聴く/<間>の生を語る――大谷いづみ ◆いのちの選別をめぐって何が起きていたのか?――島薗進 ◆ディスカッション 第3 部 「死」へと追い詰められる当事者たち ◆生命倫理問題における「当事者」の再考――いのちを守るとはどういうことか――安藤泰至 ◆家族に「殺させる社会」を生きる――「大きな絵」のなかで「小さな物語」に耳を澄ませる―児玉真美 ◆医療資源について語るとき、考えなければならないこと――島薗進 ◆ディスカッション あとがき――島薗進
  • 私たちはふつうに老いることができない 高齢化する障害者家族
    -
    1巻1,584円 (税込)
    親もまた支援の必要な人としてとらえる視点 いま障害者の親たちは老いによる心身の衰えを実感し、我が子の生活を支えることに限界を感じ始め、すでに自身が病んだり要介護状態になりながら支えているケースも多い。親たちの聞き取りをもとに実情と支援のあり方を考える。 【目次】 第1部 これまでのこと 第1章 障害のある子どもの親になる 第2章 重い障害のある子どもを育てる 第3章 専門職・世間・家族 第4章 「助けて」を封印する/させられる 第5章 支えられ助けられて進む 第2部 今のこと 第1章 母・父・本人それぞれに老いる 第2章 多重介護を担う 第3章 地域の資源不足にあえぐ 第3部 これからのこと 第1章 我が子との別れを見つめる 第2章 見通せない先にまどう 第3章 親の言葉を持っていく場所がない 第4章 この社会で「母親である」ということ 【著者】 児玉真美 英語の教師(高校・大学)として勤務の後、現在、翻訳・著述業。長女に重症重複障害がある。日本ケアラー連盟代表理事。

ユーザーレビュー

  • 安楽死が合法の国で起こっていること

    Posted by ブクログ

    正直、侮っていたところか大きい。安楽死について、そもそもあまり深草考えたことも無かったが、タイトルに釣られて購入。実際世界で何が起きているのか、現実の残酷さを目の当たりにした。安直に安楽死を合法化するべきか?と議論する前に我々はまだ考えるべきことや、考慮すべき事例は無数にあるということ。安楽死の複雑さ、安楽死について議論する中で、倫理的な話や合理性、社会問題すらも考慮しなければならない。

    0
    2025年04月17日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

    Posted by ブクログ

     衝撃的な本だった。実は自分が安楽死のことなど何も知らなかったのだということ、自分の中に抜き難い差別意識があったということ、安楽死議論は各国の社会情勢と複雑に絡みついていることなどを突きつけられた。

     安楽死とは、
    1,現在安楽死が合法化されている国々で、最初に提言されてきたのは、医師の免責だった。
    2,安楽死と臓器提供が密接に結びついている。
    3,本来は終末医療の一選択肢だったものが、高齢者、身体·精神障害者、ホームレス、貧困者へと地滑り的に適応され、弱者排除の価値観が医療現場、そして社会全体に広がっていく。
    4,日本で安楽死が合法化されれば、欧米よりもずっと恐ろしいことになる。

    等々、

    0
    2025年03月05日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

    Posted by ブクログ

    この本は、安楽死のテーマであるけれど、医療に関するあり方に関しても当事者の家族として、興味深い示唆を与えてくれている。
    医療の本来あるべき姿をここまで語りつくしてくれた本はない。
    そしてこれが新書として読めることも有り難い。
    安楽死の現状を世界の今の流れを基に、一言では語りつくせない複層的な面を紹介して、考えさせる良書である。

    0
    2024年11月13日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

    Posted by ブクログ

    事例紹介だけでなく、むしろその背景を探っていて読み応えがあった。
    安楽死が合法の国は権利意識が強い人達がいるからこそ合法になっているわけだけど、そんな彼らでさえあの手この手で安楽死に誘導されて死後に遺族が訴訟をあちこちで起こす事態になっているのだ。勿論訴訟を起こせるのも権利意識が高いからこそなんだけども。他人に迷惑をかけてはいけないと教え込まれ、権威に従順な人達の国で導入されればどんな事態が起こり得るかは容易に想像できるだろう。
    医師が治療に値しないと見なす患者は自己決定が死ぬ方向にしか開かれない、という指摘は祖母の介護を思い出すと心当たりしかない。障害者の家族を持つ筆者の危機感が察せられた。

    0
    2024年10月04日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

    Posted by ブクログ

     これは本当にいい本。
     心ある人々に広くお勧めしたい。

     日本で安楽死が合法だと言う意見をあちこちで聞くようになった。雑で知的でない攻撃的な物言いで語られる安楽死。「プラン75」という優れた映画が上映されたことで、安楽死容認説のなんとなくの胡散臭さが明らかにされつつあるように思う。
     この胡散臭さをはっきりさせたい、と思っていた時に、安楽死が合法である国でどのようなことが起こっているかと言う切り口で書かれたこの新書が出版された。今の日本にとって非常に必要な本だと思う。

     具体的には安楽死が合法の国はベルギーオランダ、ルクセンブルク、コロンビア、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ス

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    2024年06月28日

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