児玉真美のレビュー一覧

  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    正直、侮っていたところか大きい。安楽死について、そもそもあまり深草考えたことも無かったが、タイトルに釣られて購入。実際世界で何が起きているのか、現実の残酷さを目の当たりにした。安直に安楽死を合法化するべきか?と議論する前に我々はまだ考えるべきことや、考慮すべき事例は無数にあるということ。安楽死の複雑さ、安楽死について議論する中で、倫理的な話や合理性、社会問題すらも考慮しなければならない。

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    2025年04月17日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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     衝撃的な本だった。実は自分が安楽死のことなど何も知らなかったのだということ、自分の中に抜き難い差別意識があったということ、安楽死議論は各国の社会情勢と複雑に絡みついていることなどを突きつけられた。

     安楽死とは、
    1,現在安楽死が合法化されている国々で、最初に提言されてきたのは、医師の免責だった。
    2,安楽死と臓器提供が密接に結びついている。
    3,本来は終末医療の一選択肢だったものが、高齢者、身体·精神障害者、ホームレス、貧困者へと地滑り的に適応され、弱者排除の価値観が医療現場、そして社会全体に広がっていく。
    4,日本で安楽死が合法化されれば、欧米よりもずっと恐ろしいことになる。

    等々、

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    2025年03月05日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    この本は、安楽死のテーマであるけれど、医療に関するあり方に関しても当事者の家族として、興味深い示唆を与えてくれている。
    医療の本来あるべき姿をここまで語りつくしてくれた本はない。
    そしてこれが新書として読めることも有り難い。
    安楽死の現状を世界の今の流れを基に、一言では語りつくせない複層的な面を紹介して、考えさせる良書である。

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    2024年11月13日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    事例紹介だけでなく、むしろその背景を探っていて読み応えがあった。
    安楽死が合法の国は権利意識が強い人達がいるからこそ合法になっているわけだけど、そんな彼らでさえあの手この手で安楽死に誘導されて死後に遺族が訴訟をあちこちで起こす事態になっているのだ。勿論訴訟を起こせるのも権利意識が高いからこそなんだけども。他人に迷惑をかけてはいけないと教え込まれ、権威に従順な人達の国で導入されればどんな事態が起こり得るかは容易に想像できるだろう。
    医師が治療に値しないと見なす患者は自己決定が死ぬ方向にしか開かれない、という指摘は祖母の介護を思い出すと心当たりしかない。障害者の家族を持つ筆者の危機感が察せられた。

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    2024年10月04日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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     これは本当にいい本。
     心ある人々に広くお勧めしたい。

     日本で安楽死が合法だと言う意見をあちこちで聞くようになった。雑で知的でない攻撃的な物言いで語られる安楽死。「プラン75」という優れた映画が上映されたことで、安楽死容認説のなんとなくの胡散臭さが明らかにされつつあるように思う。
     この胡散臭さをはっきりさせたい、と思っていた時に、安楽死が合法である国でどのようなことが起こっているかと言う切り口で書かれたこの新書が出版された。今の日本にとって非常に必要な本だと思う。

     具体的には安楽死が合法の国はベルギーオランダ、ルクセンブルク、コロンビア、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ス

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    2024年06月28日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    僕自身は
    「どうしても、やむを得ない場合は尊厳死としては認めることもありかもしれない」
    という考えでした。

    この本を読み、
    『制度や法律、社会的な認定ができるとより幅広く運用できるように変わっていく』
    ということから、
    日本で仕組みを作るには早すぎると思いました。

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    2024年06月23日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    どうしてみんな「死ぬ」という選択しか考えられないのだろう。著者が言うように、「死ぬ権利」を認めてもいいけれど、同時に「生きる権利」も認められなければならない。
    免疫学者の多田富雄さんは67歳のときに脳梗塞で半身不随になり、発語はできず食物も自力では飲み込めなくなった。しかし、彼はそのときから「本当の意味で生きている」と感じるようになり、その日々を『寡黙なる巨人』(文春文庫)という本に綴った。
    「こんな状況になってまで生きながらえたくない」という人がいる。でも一方で、上のように「こんな状態」になっても生きたいという人がいるのだ。いったい何が「生きたい」と「死にたい」を分けるのか。
    著者は安楽死反

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    2024年06月07日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    ショックだった。これまで安楽死賛成派の思いがあったが、そんな簡単なものではなかった。それを知ったショック、それを知らなかったことへのショック、こんなにも簡単に世論は動いてしまうことへのショック。言葉の使いわけへの注意を払うこと。真の自己決定権はなされているのか。
    尊厳の贈り合いという表現に救われ、その情景に涙があふれた。

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    2024年05月23日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    とても考えさせられる内容だった。
    読む前は安楽死賛成!でした。
    自分や家族が病に冒された時、早く死なせてほしいと思うほど苦しむのは怖い。安楽死という選択肢があるだけでその恐怖は緩和されると思うからです。苦しい最後を見せたくないし見たくない。本来の自分の姿で穏やかに別れたいと思うのは皆同じではないでしょうか。
    そして、死にたい人は死なせてあげたらいいじゃないとも思っていました。
    しかし、安楽死合法の国はいくつもありますが、日本は特に慎重になるべきだという考えを読み、同調圧力、自己責任論などを思い、家族のために死ぬ、社会のために死ぬといった当人の気持ち以外の理由で死に向かう人がいるだろう事が簡単に

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    2025年11月25日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    安楽死と聞いて「いいんじゃない、死にたい人の意見を尊重してあげれば。治療費も浮くし」と考えていた自分が、「簡単に答えを出してはいけない」と改めた一冊。
    各国の先進事例を見ると、日本に導入された場合、少し先の未来を想像しただけでとても怖くなる。
    安楽死のみならず、医療の問題にも触れた、この先必ず大きな論争を起こすであろう問題について、読むべき一冊だった。

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    2025年08月12日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    非常に考えさせられる本。安楽死が法制化なり認められている国での現実。映画「プラン75」が提起した問題。ただ人間の気持ちは揺れ動く。「『安楽死は是か否か』という問いを『なぜ死にたいほど苦しいのか』といへと転じたい」という言葉が本書に通じる言葉である。

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    2025年07月06日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    TVで安楽死を遂行するべく海外に渡る人のドキュメンタリーを観て安楽死って一体どんな人が選択してるのか知りたくて読んだ本。自分自身が身体が不自由で誰とも意思疎通もできない状態になったら苦しまずに終わりにしたいと思うけれど、実際には苦しいかもしれないならやっぱり生きていたいと思うかもしれない。だから安楽死を選んだ人に簡単にそのサポートしてはいけないという話。病院で苦しむ患者さんに向き合っている医療者は本当にしんどいと思うので彼らの選択肢としてこの思想を持つ傾向にあると言いたいのかな?とも思った。死にたいほどの苦しみや痛みをどうしたら良いかを議論することを重視したい。著者が障害のあるお子さんがいてコ

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    2025年05月12日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    R7.2.15~4.13
    (感想)
    「安楽死」というものとの向き合い方を考えるための非常にためになる本だった。
    尊厳死、無益な治療、滑り坂…簡単に整理はできない。
    社会を回すための経済的な問題も考えたとき、著者の主張は理想論ではないかとも思えるが、「簡単に結論を出していい問題ではない」ことが理解できた。
    それは大きな実りだと思います。

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    2025年04月14日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    日本に安楽死など導入されたら碌な事にはならない、なにせ大戦期に「志願の強制」なんてやっていた国民性が、いまなお残っているのだから、と思い確認のため本書を読みましたが、予想以上に碌でもない未来予想が待っていました。人はさまざまな道具や制度をつくって生きながらえてきた種であるわけですが、今なお、その道具に振り回され、あるいは支配されている現状があります。おおくの権力者たちの拝金志向もそのひとつでしょう。中抜きによって自民の富が横取りされているのが現状ですが、今後は経済合理性により、「いのち」まで取られることになると思うと、ディストピアへの途上にある現状に、怖気を感じます。「死ぬ権利の行使」を強制さ

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    2025年03月23日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    本書を読む前と後では安楽死に対する考え方が大きく変わりました。安楽死の合法を考える前に一度読んで欲しい本です。

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    2024年08月08日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    これまで表面的に、同一視点から見ていた安楽死や尊厳死に関して多面的な捉え方を示してくれた。命の話は単純ルール化出来にくい。一方でこの制度の有無に本当に悩まされる人は今後さらに増え、このテーマはより身近になる。議論の為の知識を身に付けるため、こういった本は非常に有益。
    当事者としての立場や見方から、後半は著者の体験談中心で客観的でない印象。

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    2024年06月22日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    安楽死についてもっと知識を得たいと思い読んでみました。
    安楽死について学びたいと思っている方には、ぜひ読んでみてほしい本です。色々と考えさせられました。多くの事例が紹介されているため、わたしには精神的に読むのがかなりキツかったです。でも読んで良かったと思います。勉強になりました。
    この本を読むまで個人的に安楽死は賛成だったのですが、自分がいかに不勉強で思考を重ねる事なく安易に決めていた事に気付かされました。良著。

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    2024年06月09日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    安楽死、尊厳死といった言葉を非常に曖昧に認識していたなと気づき。
    安楽死先進国の状況を読むに、安楽死が本人の同意の上でのみ行われる、という原則を遵守していかないと確かに非常に危ういものとなっている。
    すべり坂として説明されている、基準点がどんどん緩和的方向にスライドしてしまう傾向など、改めて述べられなければ意識しないのではないか、と感じた。

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    2025年11月26日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    冷たいことであるとは承知しつつも、
    筆者の語ることが
    うっすらと「綺麗事」ではないかと
    思ってしまう理由は
    身の回りに末期の患者や
    障害者がいないからなのだろうか

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    2025年11月20日
  • 見捨てられる<いのち>を考える

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    看取り医療の現場にいますが、「尊厳死」という言葉は注意して使うべき言葉だと思いました。安楽死も尊厳死も「人工死」ですから。

    高福祉国家と思われがちなスウェーデンの事例も気になりました。

    選択とは、選ばれた側にとっては喜ばしいが同時に選択から外れる不幸が必ずあるということです。見捨てられるいのちの代わりには、救われるいのちも必ずあるのでしょうか。

    世界史、地球史の中では、多様で無数の生きとし生けるものの中のひとりのいのちは無限に軽いと思い、その軽みはわたし自身は受け入れています。今は。

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    2025年07月13日