児玉真美のレビュー一覧

  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    著者自体が障害者の親でありケアラーとしての立場での著作も多い人物。
    前半は各国の動向や範囲が拡大するすべり坂傾向について。タイトル通り程よくまとまってはいる。

    後半は1人に向き合う介護者と多くの患者を抱える医療関係者との意識の溝とそれによる殺される危険への懸念。当事者であるが故の限界ではあるのかもしれないが一方的。表紙の懸念が広がっているというのが主題。

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    2024年06月20日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    近年欧米では安楽死を合法化する国が増加している。本書は、その状況を整理するとともに、こうした状況が理解されないままに日本で導入された場合の危険性などについて警鐘を鳴らす。
    安楽死先進国のオランダではすでに死者数に占める割合が4%を超えているというから驚きだ。
    安楽死はもともと救命が叶わない患者に対する例外措置、医師を免責する措置として導入されたが、近年は「すべり坂」のように拡大が起きている。安楽死の理由にQOLが使われだし緩和ケアとの混同が進んでいるほか、対象も終末期の患者から認知症患者や障害者、しまいには子供まで広がりを見せている。安楽死が医師への免責からいつの間にか死ぬ権利に置き換わってい

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    2024年06月14日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    ・尊厳死=終末期の人にそれをやらなければしにいたることが予想される治療や措置を、そうと知った上で差し控える、あるいは中止することによって患者を死なせること。
    人工呼吸器や胃ろう、人工透析などの中止。
    死ぬにまかせる。
    日本でも日常的に行われている。
    ・安楽死=医師が薬物を投与して患者を死なせること。
    殺す。
    日本では違法。
    ・安楽死の合法化が世界に広がりを見せるにつれ、対象者が終末期の人から認知症患者、難病患者、重度障害者、精神・知的・発達障害者、高齢者、病気の子どもへと広がっている。
    また、安楽死が容認されるための指標が「救命できるか」から「QOLの低さ」へと変質している。
    ・安楽死が合法な

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    2024年06月10日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    作者の主張は 大きな絵として安楽死の合法化が弱者排除へのすべり坂になってしまうことの危惧、小さな物語として 死にたいと訴える人は、なぜ死にたいのか?を個々に解き明かすことが大事 というもの。
    安楽死を訴える人は痛いから、つらいからなのだから、安直に合法化議論をするまえに、痛さ・つらさを和らげる施策をまずは考えるべきという主張はごもっとも。ただ、大きな絵を考えると、少子高齢化で国としての財政的な余裕が無くなっていく未来において、誰を金をかけて優先的に救うかのトリアージを考えることを無慈悲という主張には賛成しかねる。金をかけても無益な病には安楽死という殺人もやむを得ないと考える私は功利主義の権化か

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    2024年05月07日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    最初の方は各国での法令や運用、裁判になったケースなど、安楽死を検討するにあたって懸念される事項を客観的に公平な立場で紹介していたが、途中トリアージの話の辺りから著者の状況をふまえた強い反対への主張が感じられるように。すべり坂を懸念するのは分かるけど実際に希望する人もいる訳で、まずは厳格な運用から始めてみるのがフェアだと思った。

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    2024年04月26日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    前半の安楽死が既に導入されている国の事例は大変勉強になった。どこで線を引くのかの難しさや、導入されることで安楽死の要件がどんどん緩くなってしまう問題、社会保障で救われるべき案件にお金がかかるからと安楽死をさせられる問題など本当に難しい問題だと思い考えることが多かった。
    ただ後半は、医療や介護制度に対する恨み辛みがベースになっているように感じられ進まなかった。
    総じて「命の選別をするな!もっと社会保障と介護を!」というメッセージを受け取ったが、少子高齢化がどんどん進み、持続可能な医療のため、縮小の議論が避けられない中では、どうにも素直に頷けない内容だった。

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    2024年03月04日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    安楽死が合法となっている国で起きている問題を説明しながら、安楽死という制度の現状、問題点を挙げ、もしも日本で安楽死が導入された場合どういった問題が起きる可能性があるのかを考察した評論。
    現代日本において生きづらさを抱えている人は多く、死にたい、安楽死制度があればいいのに、と考える人も少なくないだろう。かくいう私もその一人で、安楽死制度があったら楽に死ねるのにな、と思っている。また、たとえば急性放射線障害になった人が死までの二週間前後の時間を地獄の苦しみに耐えなければいけないくらいなら、安楽死制度があった方がいいんじゃないか、と思っている。
    しかし、本書を読んだことにより、実際に安楽死を制度とし

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    2024年03月02日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    健康寿命の不可解さは私も感じます。
    あくまで健康かは自分で判断するもので、肉体的にも精神的にも病院行かなければ健康かは多いに疑問です

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    2024年02月09日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    海外の安楽死の制度や実情が沢山書いてあり勉強になった。悪い情報のみピックアップして述べているように感じた。
    私は医療職者だか、安楽死には賛成である。DNARの日本の現状について述べているが、現状とはかなり違うと感じた。

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    2024年02月02日
  • 安楽死が合法の国で起こっていること

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    ネタバレ

    タイトル通りの前半部分と、著者の主張と医療批判強めに出てくる後半部分。笑

    そう言う意味では、著者の立場がかなり明確。というよりも、偏っていると思って読む方がいいのかな、と思いました。

    医療サービスって、当然資源的な制約もあるし、医者だって人間であるわけで、医療にかかればどんな病も解放に向かうわけではないし、医者は全知全能の神ではないのです。

    また、医療の進歩とはいえ先進的な治療はスキルと費用がかかるし、資源を有効活用するためにトリアージという仕組みがあるわけで、それを批判されてしまうと「では、どうしろと?」という疑問を持たざるを得ません。

    こう書くと、それは今わたしが切り捨てられる立場

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    2024年01月26日
  • 見捨てられる<いのち>を考える

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    終末期と急性期との違い
    高齢や障害者であれば治療しないのか
    呼吸器がない場合には死ぬしかないのか
    日本で類を見ない医療崩壊がおこり
    亡くなった命が沢山ある
    コロナ禍でこれからの医療体制を見直し改善できるといいが
    原発の事故も一回きりではない
    緊急事態がら再び起きた時に人権を配慮して対応できるのか
    他人事ではない

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    2022年06月21日