岡野八代の作品一覧
「岡野八代」の「ケア宣言 相互依存の政治へ」「ケアの倫理と平和の構想 戦争に抗する 増補版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
昨今色んなところで「ケア」というワードが飛び交っていて、「ケア」の1単語に雑多なアレコレが詰め込まれ過ぎている感じがして、違和感を抱いている。結局ケアって何なのか、ケアに注目することで何を主張したいのかがよく分からず混乱していた。
同じく岩波新書の『ケアの物語』『ケアと編集』を先に読んだが、フェミニズム等から出てきたケアの話と、医療の臨床等から出てきたケアの話が、自分の中でうまく繋がらなかった。
そこに本書を読んで、先に読むべきはこっちだったと後悔した。それくらい素晴らしい本。フェミニズム文脈からのケアの主題化にフォーカスし、ギリガンの提起からの系譜を順を追って解説し、主張の内容、意義、これまでの議論を丁寧に説明してくれる。
ケアを語る上では必読。
Posted by ブクログ
10年前に出された書を文庫化することにより現代の状況を補筆されたものである。9・11に対して著名ねフェミニストがいかに反応したか、そしてその問題点はリベラルの根本的な問題点について考察が進む。続き慰安婦問題に関する問題についての論考に進み、個人の尊厳と戦時下の性暴力についての歴史的論考に進み、「修復的正義」によって正義を語る。ジェンダーフリー問題から立憲主義について語り、最後は戦争に抗するために国家の問題についてホッブスから解き明かす。最後の三牧聖子氏との対談も良い。ケアの倫理と題名にはあるが、直接的な論考が少ないのは10年前の書であるからか、しかし、その後の著者のケアの倫理についての論考の楚となる論述が多々みられ、戦争(暴力)に抗し平和の構想を紡ぐに、ケアの倫理が果たす役割が期待される。
Posted by ブクログ
今更ではあるが…『ケアの倫理』という観点を知りたいと思い手に取ってみた。
岡野八好さんが7年の歳月を掛けて書かれた『ケアの倫理』。
日本の中で、これだけ『ケアの倫理』領域を深く理解をし、学び続けている人はこの方以外には居ないのではないかと思う。
熱の籠った熱い想いを感じざるを得ない渾身の著。
書くのにも時間が掛かったそうだが、読む方も結構、時間が掛かった。
今年の春に一度読み始めて挫折し、11月から再び気を取り直して読み直し、やっと読み終えた。
こんな話は理想論。
と、決めつけてしまうのは簡単。しかし、フェミニズムに限定しなくとも、「必要なケアをお互いに大切に考えて行く社会」はより住みやすい世界になるだろう…くらいに考えていた。
『個人的なことは政治的である。』という言葉に最初は戸惑いながら読んだが、読み終えた今は、その意味がよく分かる。
政治的な部分から変えて行かなければ、日本の社会は衰えて行く一方なのではないか。…日本だけではないかも知れないが…。
コロナ禍の最中にあれ程ケア・ワークの大切さを痛感したというのに、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
もう過去のこととなってしまった感がある『ケアの倫理』『ケアの必要性』
切実な体験をしながら何も変わらないのは何故なのか。本当に陰謀論でも信じたくなる状況である。ついこの間の選挙でも、ここに触れた主張をした方は居ないのではないか。
小さなことから少しずつ…などと言っている場合ではない。いつまた新しい災厄が訪れるかも知れない。この本の第5章でも触れられている気象の問題などは、昨今の異常な気象に思いを巡らせば、何かがおかしいと誰もが感じているはず。大きな部分を動かして行かないと、本当に未来は無いかも知れない。
どうすれば良いのか?
凡庸な考えではあるが…
フェミニズムの戯言(失礼)のような見方をせずに皆が他人の(そして弱者の)意見を尊重し、耳を傾けること。圧倒的に女性に押し付けられるケアの領域だが、女性だけの問題と考えず、人類全員の問題として取り組んで行くこと。
「何が必要か」「足りないのは何か」と問い続けながらPDCAサイクルを政治的なレベルで問い直しながら回していくこと。
残念ながら、この本で参照される重要な部分の引用元の多くは日本語訳が無いまま。是非とも翻訳して欲しいと願う。
そして男性にもこの分野で研究をする勢いのある方に出てきて欲しい。