岡野八代のレビュー一覧

  • ケアの倫理 フェミニズムの政治思想
    自分がげっそりしながら投票していることの説明を始めて言語化してもらえたのがうれしかった。追っかけるのに相当な頭の体力がいる。それだけの価値が私にはあった。
  • ケアの倫理 フェミニズムの政治思想
    現時点で「ケアの倫理」を学ぶために最もまとまった書籍、ただ読みこなすためには、ある程度の基礎知識と粘り強さが必要である。「ケアの倫理」を読み解くためには、現在の社会を理解するための基礎たきな考え、マルクス、フロイト、そしてフェミニズムの歴史、そしてロールズの正義論、これは押さえておくべき基礎理論であ...続きを読む
  • 正義への責任
    この本は、アイリス・マリオン・ヤングの晩年の最後の著作で、私の考えでは政治的に非常に重要な意味を持ってくるテクストだと思う。参照先はデリダ、アレント、レヴィナス、フランツ・ファノンなど、錚々たる面々で、フェミニズム的な主体性の問題、あらゆる差別や政治的選択の自己責任などが網羅的に論じられる。
    政治的...続きを読む
  • 正義への責任
    わぁ、文庫出たんだ。解説とかついてるだろうな。お金できたら買う。
    単行本は出た時買って読んだ。周囲に悪意のない、むしろ善意の人がいても、生活のさまざまな局面で貧困に陥ることがある仕掛け?がしみじみと理解できる。
    この本は講義してた時期、何度も紹介した。学部生にはちょっと大変な本だと思うけど、こういう...続きを読む
  • ケアの倫理 フェミニズムの政治思想
    育児、教育、医療、障碍者福祉、介護など、今の日本はどのケアの現場も強烈な人手不足。
    将来的にも解消されていく見込みもない。
    膨らんでいく焦りや恐れに対する何らかの処方箋はないものかと本書を読んでみる。
    もちろん、ケアの「倫理」なので、今すぐにできる何かを説くものではないとはわかっているが。

    ケアを...続きを読む
  • ケアの倫理 フェミニズムの政治思想
    成熟した人間が体得するとされる「普遍的な」正義論が、ケアを受けることを当然視し、なおかつその価値を貶めてきた者たちの視座から構築されたのだとしたら?

    新型コロナウイルス禍を経て、ケアの重要性を実感したわたしたちは、「もうひとつの」正義論に向かわないといけない。全編を読み通し理解するには、かなり骨が...続きを読む
  • ケアの倫理 フェミニズムの政治思想
    うーん。とても難しかった。
    結局問題が大き過ぎて、どうしたらよいのかわからない。
    ただ、「人が善く生きるには、ケアで満たされなければならない。」はその通りだなと思う。

    じゃあ、誰がケアするのか。
    今までは、家父長制と資本制の結託により女性が無償でそのケア業務を一手に担ってきたが、今は多くの女性が有...続きを読む
  • 正義への責任
    社会的つながりモデルと帰責モデル
    過去遡及型から未来志向へ
    非難のメカニズムではなく、責任の分有へ

    維新信者、自助共助公助といったどなたか、エリート思考に染まるダサダサ高学歴層必読