あらすじ
「戦後」も続く暴力の連鎖のなかで,フェミニズムは人間の「傷つけられやすさ」を見据え,ケアの視点から平和を希求してきた.「慰安婦」問題,9.11,ガザ…….「正戦」「自衛」の名の下で人間の身体を破壊する戦争の本質を明らかにし,平和の構想を紡ぎだす.対談「戦争に抗する思想」(岡野八代×三牧聖子)を収録.
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Posted by ブクログ
10年前に出された書を文庫化することにより現代の状況を補筆されたものである。9・11に対して著名ねフェミニストがいかに反応したか、そしてその問題点はリベラルの根本的な問題点について考察が進む。続き慰安婦問題に関する問題についての論考に進み、個人の尊厳と戦時下の性暴力についての歴史的論考に進み、「修復的正義」によって正義を語る。ジェンダーフリー問題から立憲主義について語り、最後は戦争に抗するために国家の問題についてホッブスから解き明かす。最後の三牧聖子氏との対談も良い。ケアの倫理と題名にはあるが、直接的な論考が少ないのは10年前の書であるからか、しかし、その後の著者のケアの倫理についての論考の楚となる論述が多々みられ、戦争(暴力)に抗し平和の構想を紡ぐに、ケアの倫理が果たす役割が期待される。