岩田誠の作品一覧
「岩田誠」の「神経内科医の文学診断」「上手な脳の使いかた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「岩田誠」の「神経内科医の文学診断」「上手な脳の使いかた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
私は、イタリア文学者の須賀敦子氏のファンである。特に、イタリアの詩の翻訳が好きである。
本書で、著者の岩田誠先生が須賀敦子氏に触れているので嬉しくなった。「19 マルグリット・ユルスナール『黒の過程』―脳腫瘍―」で少し、「30 ナタリア・ギンズブルグ『マンゾーニ家の人々』―家族性片麻痺性片頭痛―」でより詳しく触れている。それで、大いに岩田先生を見直した次第である。
本書の目次
はじめに
1 アンドレ・ブルトン『ナジャ』—クロード教授とババンスキー
2 谷崎潤一郎『鍵』—足底反射と挙睾筋反射
3 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』—瞳孔反応
4 ウィリアム・アイリッシュ『じっと見ている
Posted by ブクログ
季刊誌「Brain Medical」連載、7年半分、30篇。各篇、よく考え抜かれて書かれている。
古今東西の文学作品を神経学的視点で読み解いてみせる――それがまず驚きだ。著者の若い頃のエピソードも随所に顔を出し、そこに思わぬ発見や気づきがあり、その展開がおもしろい。とくに読み応えがあるのは、シェイクスピア『マクベス』(レム睡眠行動障害)、タブツキ『レクイエム』(帯状疱疹)、キャロル『鏡の国のアリス』(失名辞)、清張『或る「小倉日記」伝』(脳性麻痺)。
プルースト『失われた時を求めて』では、瞳孔反応をとりあげている。相手の瞳が一瞬広がるのを見て、心の動きを知る一場面。プルーストは、散瞳という交感
Posted by ブクログ
とても勉強になった!
◯意味記憶
◯エピソード記憶
◯手続き記憶
・運動に関するもの
・知的技能(将棋など)
運動に関するものは、何度も練習してできるようになる。
最初は大脳皮質が働く(ので疲れる)が、上手になってくると大脳皮質はほとんど働かなくなり、かわりに小脳が働くようになる。
知的技能は熟練すると大脳基底核が働くようになる。
趣味のピアノも何回も練習して熟練すると、楽に弾けるようになるが、これは大脳皮質から小脳が働くように変わったためだと思うと、練習中に、小脳に移ってきたなと感じられて面白い。
人間のサイクルは90分が1単位。
集中が続くのは90分まで。
脳は発熱器官である。
Posted by ブクログ
脳と神経の第一人者である筆者が、文学作品中に現れる自身の専門領域の病気や症状について語ってくれる本。書店で見つけて興味を持ち、目次を見る。芥川龍之介の『歯車』に現れる閃輝暗点の記述があった。これはその昔、当時つきあっていた彼女が教えてくれた話で、彼女自身も閃輝暗点を経験していた。
妙な懐かしさを感じて本を購入した。
内容には専門的な記述もあるが、話が固くなり過ぎないように配慮されている。なによりも文学好きな筆者の気持ちが伝わってくるのが読んでいてよくわかる。須賀敦子に対する記述などは読んでいて共感できる部分だ。単なる文学論ではない、病の部分に触れた内容は、とても興味深く読むことができた。