仕事がデキる人のたたき台のキホン
著:田中 志
たたき台には2つある。1つは、最終的なゴールに役立つ「叩きやすいたたき台」。もう1ちうは、出したはいいけれど叩かれもせず、振り向かれもせず、あっという間に葬り去られる「叩きづらいたたき台」。
この2つの違いは、周囲を巻き込み、活発な議論を生み出すこ
...続きを読むとのできる道具になり得るかどうかである。では、どうした周囲を巻き込む道具になれるのか。本書では「たたき台」の真の効果と使い方について以下の5章により説明している。
①仕事をラクにする「とりあえずのたたき台」
②たたき台を作るための5つのS
③アイデアをどんどん集めるたたき台の作り方
④たたき台で最強チームをつくる
⑤たたき台は世界を変える、仕事を変える
私自身「たたき台」の本来の素晴らしさを理解して活用できていないことがよくわかった。仕事を振り返ってみれば、「たたき台」を作ることが多い。というか、仕事=たたき台から始まっていると言ってもおかしくない。そして仕事以外でもプライベートでもたたき台を使っていることがわかった。
たたき台の真の活用や偉大さはやはり、相手に叩いてもらう相手と鍛え合うことにある。それが私自身出来ていなかった。たたき台は自身で仕事のはじめに作成し、自身の頭の中や自身の範疇の中で叩き、鍛え、相手の意見の異論を少しでも排除すべく、自分軸で言えば、よりスピーディーにスムーズに行うためを目的として作成していた。
それはそれで大切なことでもあり、本書で書いてあるような、色んな意見や誰のためにや目的等も理解した上で行っているものの、叩く・鍛える段階での戻りや時間のロスから逃げており、本来の活用から目を逸らしていたのかもしれない。
本書のたたき台は仕事の原則論がたくさんつまっている。
会話形式のライトなやりとりの中に本質が組み込まれており、実務に近い段階でアカデミックな理論も落とし込まれながら、紹介されている。
たたき台の入り口を感じている人だけではなく、中級者や上級者にとっても多くの学びが必ず見つかる一冊である。