池尾伸一の作品一覧
「池尾伸一」の「仮放免の子どもたち 「日本人ファースト」の標的」「魂の発電所 負けねど 福島 オレたちの再エネ十年物語」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「池尾伸一」の「仮放免の子どもたち 「日本人ファースト」の標的」「魂の発電所 負けねど 福島 オレたちの再エネ十年物語」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
本書の帯にある中島京子氏(「やさしい猫」作者)の「なにやってんの、日本!」の一言。ホント正しくこの通り。
以前「やさしい猫」の感想でウィシュマさんの事に触れた時はまだ、入管職員に自身の対応に疑問を持つ人もいたのではないかとの期待を込めた想像を書いた記憶があるが、本書を読んだ今は、出入国在留管理庁という組織には昔からの外国人蔑視というか軽視というか、人を人と思わぬ人権無視の、今や異常としか思えない思考風土がこびり付いているのだという事を思い知らされた。
こんな、理不尽な対応がいまだに続いているのがこの日本であるという事が、本当に恥ずかしく情け無い。
それでも、終盤に紹介のあった若い人達による在留資格のない人々への支援活動も増えているという事に救いを感じるし、自分も出来る事をし続けようと改めて思った。
「日本人ファースト」などと、恥ずかしげもなく唱えられる人々にもぜひ読んでみて欲しい。難民受け入れ度合い、国際人権条約の遵守度合いなどの諸外国との違いは、結局一人一人の人権の重視度合いの違いだとうい事に思い至って欲しい。
以下心に留めたい言葉・事実(数字はページ)
p.11 日本という国は在留資格がないと、最も弱い存在である子どもすら、生身の人間としての権利を守ろうとしない国なのだ
p.13 出生時や幼少時から日本に住み、自分の育った環境に何の責任もない子どもたちが、送還や親との分断という耐えきれない苦しみを負わされている。「罪」のない彼らが重い「罰」を負わされる不条理
p.23 住民から暴力を受けた川口市の小学生の通う学校は、カウンセリングも警察への防犯要請もしてなかった。子供が日本人なら有り得ない
p.29 あるクルド人は仮放免の延長手続きに行った入管で10人の職員に馬乗りになられ、電気ショック、手錠かけられ無理矢理飛行機に乗せられ送還された
p.38 トルコからの分離独立を求めたPKKのゲリラ活動に対し、トルコ政府は村を焼き払うなどの「無人化政策」で弾圧。1984〜2016の32年間の死亡3〜4万人の大半がクルド人。国内避難民クルド人中心に32万人。(そんな苦難から逃れて来た人々を難民認定しない日本の入管)
p.41 トルコ出身避難民認定数(日本以外の単位千人.十の位四捨五入)
ドイツ 認定者数27.9/申請者数175.9
カナダ 13.0/24.5
フランス 10.6/60.0
アメリカ 6.7/29.8
イギリス 4.6/12.9
オーストラリア 0.8/2.0
日本 4人/10,200人
p.42 トルコは親日国の為クルド人を難民認定するとトルコ政府の行為をテロ対策ではなく「人権侵害」と認める事になるのを配慮して認定しない様にしている
p.44 25年5月入管庁「不法滞在ゼロプラン」開始。25.6-8月トルコ人強制送還34人(それ以前の3ヶ月6人から急増)
p.57 政府は路上デモやSNSで増幅された人々の不安を背景に「国民に不安が広がっている」として「不法滞在者ゼロプラン」を策定したが、SNS投稿の大半はフェイク(女児万引き画像・子を放置
p.71 自民党議員「外国人に厳しい政策は有権者にウケるんだよ」発言。参政党「日本人ファースト」のキャッチフレーズ。
p.84 国連の定義では移民とは国境を超えて移り住む人のこと、1年以上は「長期移民」。日本は人口の3.2%の395万人の殆どが長期移民で実質的に移民社会(欧州は10%超)。日本政府はこの実態無視して共生政策怠り、自治体に丸投げしてきたことが国民の不安に繋がっている
p.88 川口市の刑法犯件数 24年4,529件(04年16,314件)。外国人人口24年43,128人(04年14,679人)と大幅に減少が事実
p.92 社会保障制度にとって「外国人は重荷」と思われがちだか、実態は労働者の構造と同じく「外国人頼み」
p.96 高市も小野田も、管理強化を強調するばかりで、日本語教育やヘイトスピーチ対策などの共生策に触れない。リーダーが今後の目指すべき多文化共生社会を語らず、国民はイメージが描けない
p.105 1994年に「子どもの権利条約」を日本は批准。第6条「締約国は、全ての児童が生命に対する固有の権利を有する事を認める」「締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する」第26条「すべての児童が社会保険その他の社会保障からの給付を受ける権利を認める」。ここでは「すべての児童」であり、国民ではなく、在留資格は問われていない。日本がやっているのは難民認定せず、在留資格を奪い、仮放免という「労働禁止」「移動制限」「健康保険なし」に追い込む事。子供の「将来の夢」を奪う事(勉強頑張って高校受かって○○になろうと思っても、強制送還されたり、合格取り消されたり)
p.122 難民認定率(24年)アメリカ57.7%(3.5万人)、イギリス42.4%(3.7万人)、ドイツ15.6%(4.1万人)、日本2.2%(190人)
p.126 入管は帰国を拒否すると入管庁だけの判断で収容施設に収容、収容期限も決め、上限もない。刑法犯の逮捕収監も、透明性確保の為警察は裁判所から逮捕令状取り、拘留期限も最長23日と決められている。カナダでは入管当局が、身柄拘束すると独立した委員会が48時間以内に収容是非を判断。英独仏も第三者機関によるチェック体制あり。EUは一律6ヶ月迄の決まりあり。
p.181 この入管庁の一存での収容の実態に対し、国連は繰り返し是正勧告するも日本政府はその都度反論、対応せず
p.209 カレー料理店のシェフとして来日のネパール人は、「技能」(特殊な技術を持つ人)の在留資格。子供らはその「家族滞在」の資格。
p.252 家族が一緒に住む権利「家族結合権」とは、国連加盟国が批准する自由権規約が保障している。ある国の政府が父親だけ送還しようとすると、家族から通報を受けた国連の自由権規約委員会が「条約違反」と警告、政府が断念する例も多いが、日本は自由権規約には加入しているが、家族が通報する「個人通報」の制度は批准してない為、家族の訴えが出来ない。
p.262 国連の子どもの権利委員会や自由権規約委員会は、日本に対し政府から独立した国際基準に基づく人権救済機関である「国内人権機関」を創設するよう繰り返し勧告しているが、日本政府は「不要」を主張し続けている
p.308 川口のレストラン「ハッピーケバブ」。クルド人アラン
p.309 自分には何の責任も無いのに「母国に帰れ」とヘイトスピーチを浴びせられ、暴力を振るわれ、保険がないから病院にも行けず、決まった就職も取り消され、親と離れ離れにされ、言葉も分からない「母国」に強制送還され。
p.316 もともと入管行政は外国人の人権尊重する姿勢が乏しく強権的な外国人管理に重点置かれてきた。第二次大戦前の朝鮮、台湾での支配、特高警察による抵抗取締り、日本語教育、同化政策の押し付け(創氏改名)に起源。非正規滞在の外国人なら何をしても許される様な。2021年3月名古屋入管で亡くなったスリランカ女性ウィシュマ・サンダマリ事件な非人間的扱いがその代表
p.321 25年6月公表アンケート結果。「裕福な国は難民に経済的支援を提供する道義的な責任があるか」。29カ国平均62%、アメリカ55%に対し日本43%。
Posted by ブクログ
「仮放免」とは、日本での在留資格が認められず、いつ強制送還されてもおかしくない不安定な状態のこと。
「子どもの権利条約」にも反し、国際的にも批判されている日本の入管制度と職員たちの非人道的な行為については、ウィシュマさん死亡事件の報道や、テレビドラマにもなった中島京子さんの小説などで、ある程度知っているつもりだった。でもこの本には、日本で生まれ育ち日本語しか知らない子どもたちが、本人には何の非もないにもかかわらず、過酷な扱いを受けている生々しい事例が数多く紹介されていて、読んでいて胸に迫るものがあった。
帯には「なにやってんの、日本!」とあるが、本当にその通りだ。多くの人に読んで知ってもらいたい。
Posted by ブクログ
仮放免の子どもたち、親の在留資格の関係で在留資格が得られない子どもたちの現状に大変なショックを受けた。入管の匙加減で突然親だけ母国へ返され、やりたかったことをあきらめなければならない子ども。
母国の現状で「帰らない」のではなく「帰れない」のに、非常に限定的な難民認定しかせず、「あとは知りません」というスタンス。
子どもの未来を奪ってまで、現に生きている人の人権を奪ってまで、守りたい入管行政とは?
「授業で、人間誰でも生まれたときから持っていて奪われない権利が人権と習ったとき、では自分では人間ではないのか?と混乱した」という子どもの言葉が忘れられない。
Posted by ブクログ
何らかの事情で国を追われ、日本で生活する外国人。
過去の経緯で適法に滞在していなくても問題がなく、
家庭を持ち、子が生まれる。
時代が変わり、日本の外国人に対する法律環境が厳しくなる。
今まで暮らせていた人たちが「不法滞在」になる。
今まで許されたことが許されなくなる。
日本で生まれ育った子供たちも「不法滞在」となり、
日本で生活することが許された場合は「仮放免」になる。
県をまたいではいけない、稼いではいけない。
健康保険にも入れないから、病院は100%自費。
うかつに病院にも行けない。
あげく入管から強制収容、強制帰国を迫られる。
TBSラジオ荻上チキセッションなどでこうした現状は
耳にしていたが、本でこれだけの事例を読むと、
だめ押しを食らった思いだ。
無茶苦茶だ。
無茶苦茶だが、
我々はこれを当たり前にしようとしている。
そういう政治家が当選している。
当選させているのは国民なのだ。
自分には関係ないから?
確かに、
肌の色が違う人、顔つきが違う人、
大声で何語をしゃべってるかわからない人が街を歩いていると、
構えてしまうことはある。反射的に。
島国根性の情けないところだ。
しかし、かりに一瞬そう思ったとしても、知識があれば、頭を切り替えられる。
彼らも同じ人間。
何もしていないのだ。普通に生活しているのだ。
それを、最初の反応だけで、それらの人を嫌悪して、
酷いときには悪しざまに罵るのは、人として認められない。
まして、
日本で育った子供たちの可能性を閉ざすことは、あってはならない。
彼らの国はすでに日本なのだ。
親が生まれた国は子供らの国ではないのだ。
考えの浅い一般大衆が扇動されるのはいたしかたないとしても、
知性あふれる?政治家はそれを戒め、たしなめなくてはいけないはず。
それがむしろ逆に、それら感情的な国民をあおって自分の票にし、
国会で勢力を伸ばすのはあり得ない。
自分の意志で日本に来た大人を自己責任とするのはよしとしても、
子供たちがそんな目に遭うことは断じてあってはならない。
日本人の親から生まれた自分は絶対その立場にならない、
とでも思っているのか。
しかし、現実は違う。不法滞在にはならないだけで、
冤罪で捕まってしまえばただの犯罪者。
普通ではいられなくなるのだ。
あるいは急な病に倒れたときも、
所持金の多寡で待遇は違うかもしれないが、
いずれにしても大勢の側ではなくなるのだ。
そういうことを考えないのかなあ、、、
読むのが苦しくなる本。
だが、受け止め、行動しなくてはいけない。
そう思わせる本だった。
プロローグ 生きる権利のない子どもたち
第1章 子どもたちが直面する「もう一つの日本」
第2章 命の危機
第3章 学ぶ権利を奪われて
第4章 働けないわたしたち
第5章 恋愛と結婚への壁
第6章 壊される家族
第7章 「無限連鎖」する困難な人生
第8章 人権回復への闘い
エピローグ