郡司芽久の作品一覧
「郡司芽久」の「キリン解剖記」「キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「郡司芽久」の「キリン解剖記」「キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
著者が大学の教養で講義を行った解剖学を元に、WEBで連載していたものをまとめた本だそうである。この前提だけでも結構な情報量だが、中身も相当に情報豊かである。
項目というか章立ては10個で、著者の研究対象であるキリンに色々と搦めつつ、人間についても面白く俎上にあげていて、色々な豆知識を織り交ぜている。メモが大変はかどる本で、取捨選択がなかなかに難しかった。発行は2022年ということで、情報としても新しい上に、これから研究が進むだろう分野などについても言及しているので、出来るだけフレッシュな情報がほしいと考えている人にもお勧めだ。
章立て10個のテーマはそれぞれ『肺』『手足』『首』『皮膚』『角』『消化器官』『心臓』『腎臓』『呼吸器』『進化』と、トピックとして分かりやすくなっている。脳についての記述がないのは、臓器としての脳というものが、神経と分かちがたく、視覚的に解剖でわかり得る範囲に限界があったのだろうと、勝手に推察している。
この解剖によって、視覚的に機械的に解析出来る範囲に限定しているというのが、おそらくは著者の誠実さを示していると感じた。あくまで機能について語っており、おかしな思想が入り込まないよう配慮されているのだと思う。
最終章の『進化』についても、知識を得たことで、ともすれば人間は、それを傲慢に刃物のように振りかざす。そのことに対して、それとなく釘を刺している。
大学の教養講義向けのそれなので、教養を得るのにこれほど良い本はない。お勧めの一冊だ。
Posted by ブクログ
冒頭から身が引き締まる。キリンの解剖が最優先事項。連絡が入ったら、なにをおいても、すぐに駆けつけなければならない。しかも解剖はすぐには終わらない。1週間かかることもある。頭も使うが、それ以上に体力と気力の勝負だ。
ふつうの本なら、キリンがどういう生き物かから入るはずなのに、この本はいきなり解剖の話から(解剖刀、メス、ピンセットの図まである)。読む側は、冒頭の緊張を保ったまま、本文に引き込まれてゆく。気が付くと、筆者の立場に身をおいて、東大の1年生になっている。遠藤先生とのめぐりあいも、亡くなったキリンたちとのめぐりあいも、そして動物園や博物館の人びと、遺体を移送する人々とのめぐりあいにも参加している気分にさせられる。
キリンの首を支えるはずの第一胸椎が動くことを証明してゆくプロセスには興奮する。この証明のプロセスこそ科学の醍醐味だ。
Posted by ブクログ
「キリンを研究したい」と思いついたものの、それがどんな学問分野を専攻すればできるのかすら分からなかった大学1年生の著者が、解剖学と出会う。いざキリンを研究しようと思ったものの、研究テーマが見つからなかった著者が、様々な人との出会い、研究テーマを見つけ、それを深めて成長していく様がドキュメンタリーのように読める。
ほんの一例ではあるが、なるほど、理系の「研究者」って、こんなことをしているのか、と面白く読んだ。
ページの下段には専門用語だけでなく、「弄ぶ」「うなじ」「礎」「苦渋の決断」のように、小中学生程度がつまずきそうな語句の意味も解説してあり、親切。また、「動物にかかわる仕事」の対談も挟まれており、参考になる。