石原燃の作品一覧
「石原燃」の「赤い砂を蹴る」「わたしたちの中絶――38の異なる経験」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「石原燃」の「赤い砂を蹴る」「わたしたちの中絶――38の異なる経験」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
「芽衣子」の生まれ故郷のブラジルへの旅において、似た光景を見る度に、過去のエピソードが時系列バラバラに織り込まれる構成は、初読だと分かりづらい部分もあった中で、後半突然に訪れた「千夏」の、母親「恭子」への想いに、こみ上げるものがあった。
それは、お互いの存在意義を認め合うこと。親子だけど対等に相対する関係は、再読すると、その想いに至った過程が丁寧に積み重なっているのが分かるし、既にそうした想いで旅に臨んでいた千夏の気持ちを考えると、また異なる趣がある。
弟「大輝」の死、浅ましい義父、大輝の絵を描き続ける恭子、憶測で偉そうな一般論をひけらかす周囲の他人たち、病気の恭子への気遣いが支配欲だった
Posted by ブクログ
太宰治(津島修治)の孫であり、津島佑子の子。
その身の上を知ったのがきっかけで、読もうと決めた。
比較したいという気持ちはなく、どういう文章を書くのかとても気になった。
母親を亡くした主人公・千夏と、夫を亡くした芽衣子。
芽衣子が育ったブラジルへと旅立った二人の姿を見ていると、景色や習慣は初めて知るものばかりなのに、なぜかとても懐かしい気持ちになった。
読み進めていくうちに、私の記憶が掘り起こされるような感じがした。
千夏の母親が亡くなるシーンでは、今年の夏に亡くなった私の義母のことを重ねてしまい、胸が苦しくなった。
身内を亡くして不安定に揺れる気持ちを、旅の中で記憶とともに少しずつ受け入れ