作品一覧

  • ウォークス 歩くことの精神史
    4.5
    1巻4,950円 (税込)
    アリストテレスは歩きながら哲学し、彼の弟子たちは逍遥学派と呼ばれた。 活動家たちはワシントンを行進し、不正と抑圧を告発した。 彼岸への祈りを込めて、聖地を目指した歩みが、世界各地で連綿と続く巡礼となった。 歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、 歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。 人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、 レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。 歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。 歩きながら『人間不平等起源論』を書いたルソー。 被害妄想になりながらも街歩きだけはやめないキェルケゴール。 病と闘う知人のためにミュンヘンからパリまで歩き通したヘルツォーク。 ロマン主義的な山歩きの始祖・ワーズワース。 釈放されるとその足でベリー摘みに向かったソロー。 インク瓶付きの杖を持っていたトマス・ホッブス。 ラッセルの部屋を動物園の虎のように歩くウィトゲンシュタイン。 刑務所のなかで空想の世界旅行をした建築家アルベルト・シュペーア。 ヒロインに決然とひとり歩きさせたジェーン・オースティン。 その小説同様に大都市ロンドン中を歩きまわったディケンズ。 故郷ベルリンを描きながらも筆はいつもパリへとさまようベンヤミン。 … 歩くことはいつだって決然とした勇気の表明であり、 不安な心をなぐさめる癒しだった。
  • オーウェルの薔薇
    5.0
    1巻3,630円 (税込)
    ジョージ・オーウェルが一九三六年に植えた薔薇の生き残りとの出会いから,見過ごされてきた彼の庭への情熱に光をあて,精神の源を探るソルニット.豊かな思索の旅は,オーウェルの人生とその時代から,化石燃料としての石炭,帝国主義や社会主義と自然,花と抵抗をめぐる考察,薔薇産業のルポ等を経て,未来への問いへと続く.

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  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性
    5.0
    1巻990円 (税込)
    2003年、イラク戦争が始まった時期に、「希望を擁護する」ために本書は書かれた。あの時代は過ぎ去ったが、あらたな戦争が生じ、破壊的な気候変動が到来している。絶望と冷笑主義が残りつづける現代に、希望をもつことはいかに可能なのか。「希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある」(本文より)。2016年に改訂され、直接行動と思想を往還する現代の名著を文庫化。
  • 定本 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか
    4.4
    1巻2,860円 (税込)
    ロングセラー、待望の完全版刊行! 旧版での抄録部分、原注などを完全収録し、 60ページに上る増補でおくる決定版。 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」(渡辺由佳里)も新たに収録。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「エリートがビビッて失敗するとき、地べたは生き生きと機能し始める」 大地震、大洪水、巨大なテロ……私たちの日常に裂け目が入るとき、 そこにはいつもユートピアが出現した。 災害時になぜ人々は無償の行為を行うのか?そのとき、なぜエリートはパニックを起こし、人びとは自発的な秩序をつくり上げるのか? 1906年のカリフォルニア大地震から、ニューオーリンズの巨大ハリケーン、9.11テロまで、危機の最中に現れる人々の自発的な相互扶助のメカニズムを追った、珠玉のノンフィクション。 【目次】 プロローグ 地獄へようこそ 第1章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震 第2章 ハリファックスからハリウッドへ:大論争 第3章 カーニバルと革命:メキシコシティ大地震 第4章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク 第5章 ニューオリンズ:コモングラウンドと殺人者 エピローグ 廃墟の中の入り口 謝辞 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」 渡辺由佳里 原注

ユーザーレビュー

  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    心底今読まれるべき本だなぁと思うし、自分の考えとも通じる部分が多くてふむふむと読んだ。
    不確実でともすれば絶望すべき事態に溢れた世界、この世界でそれらに耐えて今を生きろというのは簡単で、同時に酷だ。それを駆動する礎となるべきものが「希望」になる。希望は未来に対する想像力であり、自分の力に対する確かな信頼であり、そしてこの現実に起こる数多の事象をそのまま受け入れて学びとる静かな視座でもある。絶望的で汚い現実も、その奥底で得られたあまりにも小さくしかし確実な勝利を見逃さない目線である。
    僕は母親からことあるごとに、僕を身籠っているときにテレビで見た9.11のニュースの話を聞かされてきた。それは確か

    0
    2025年11月14日
  • ウォークス 歩くことの精神史

    Posted by ブクログ

    461P

    4950円

    これ買った。80人所属するハイキングサークルやってたんだけど、月1で同じ山を違う季節で1年間歩き続けたんだけど、その時に歩くという行為が全ての始まりのような気がして、歩く事そのものについて興味が出た。面白そう。

    レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)
    1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。
    カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より作家活動を始め、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に20を越す著作がある。代表作にエドワード・マイブリッジ伝 River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)

    0
    2025年05月11日
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    反グローバリズムや反差別や気候変動への対応などの社会運動を行う上での希望とはどう考えるべきか、筆者の考えがまとめられている。

    過去の社会変革に目を向けると、発生は往々にして周縁から始まって、予期できない様々なプロセスを経て進んでいる。そして、過去に行われた社会変革の成果は現代の視点では常識になっていることもあり成果自体が忘れられている。だから、今は成果に結びついていないように見えても、過去の先人たちの成果を思い出し、未来の可能性を信じて、目の前の社会運動に当たっていくそのこと自体が希望である、という事が繰り返し細かい章立ての中で、たくさんの参考文献をもとにパワフルに語られている。

    この本は

    0
    2025年03月01日
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    希望について書かれている。それが何であるか、何でないか。
    本書を読んで、今まで使ってきた「希望」という言葉は、本書が語る意味での「希望」ではなかったことに気がついた。

    著者言う。
    「希望とは未知や不可知のものを受け容れることであって、確信的な楽観主義や悲観主義とは違う。楽観主義者は、私たちが関与しなくても者とはうまくゆくと考える。悲観主義者はその逆だ。どちらも自分の行動を免除する。」
     私が語る「希望」は自分の行動を免除していたと思う。ただ願うだけ。
     「希望」はもっと真剣なもの。行動を促すもの。

    著者が語る「希望」。再読して、しっかりと吸収したい。

    0
    2024年09月28日
  • ウォークス 歩くことの精神史

    Posted by ブクログ

    歩くこと。歩きながら考えること。それが人類をいつも前に進ませてきた。人類の精神を形作ってきた歩行の歴史を、自身の経験も交えながら縦横無尽に語りつくすノンフィクション。


    私は歩くのが好きなほうで、時間が許せば二駅分くらいの距離は歩いていく。交通費をケチってると思われたりもするが、私は一人でものを考える時間が好きだから歩くのが好きなのだなと本書を読んで気づいた。歩くことについて考えたことがなかったから、そんな単純なこともわからないままにしていた。
    本書でソルニットが俎上にあげたトピックは多岐に及ぶ。そもそもヒトを猿から隔てたのが二足歩行だから、人類史のほとんどが歩行と結びついてしまうのだ。ひと

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    2024年03月20日

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