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  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝
    4.1
    1巻1,320円 (税込)
    「おうい」「おーうい」 仕事の合間、繰り返される呼び声。北斎の口ぐせ。 天才絵師の壮大な画業を支えた共作者、三女お栄の画号はここからきた。 光と影の女絵師・葛飾応為。 「美人画を描かせたら俺より上手い」と言わしめた、もう一人の天才。 署名を持たない絵を世界の美術館に探し、歴史の闇に隠れた女性の鮮やかな生涯を描き出す。 「おうい、どこいった」 〈目次〉 序 章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生 第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション 第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすました女 第7章 秘密の仕事 第8章 応為、夜を描く 終 章 応為はどこに消えたのか

ユーザーレビュー

  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝

    Posted by ブクログ

    あぁ、これはおもしろかったなあ。。

    北斎はファミリービジネスであった、という結論。晩年の北斎の絵が繊細さを増していったのは、応為の筆によるものであろうと。

    なんだこの天才ふたり。
    こんなひとたちが本当にいたなんて。

    吉原の絵を見に、太田記念美術館に行きたい!

    応為のドラマby宮崎あおいも同時に見る。

    1
    2022年03月19日
  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝

    Posted by ブクログ

    本書の主人公は、葛飾北斎の娘、葛飾応為であり、優れた助手であり、
    または、女性画を描いたら父の北斎を凌ぐと言われている。

    なぜ、黒子として父の助手で生涯を終えたのかが、本書で分かるかもしれない。
    本書を読む楽しみにしましょう。

    一部抜粋すると、
    美術研究者の久保田一洋氏が発見したのは、北斎画の中で一部応為が手を加えたか
    判別方法がある。
    それは、『指先の描き方』と『ほつれ髪』だ。
    確かに男の北斎が描くには細かい箇所で苦手な部分だったらしいが、
    そこを娘の応為が描くと繊細な女性画に変身した。

    葛飾北斎は生涯に引っ越しを90回以上したという記録もあるらしい。
    それだから、常に貧乏だったんだろ

    0
    2021年02月06日
  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     こんなに魅力的な絵を描く応為が、あえて自分の名で絵を描かなかったのか、それとも描けなかったのか。
     本書では、北斎の名のほうが売れるからとされている。
     また、江戸時代の女流絵師が「わかっていないだけで、実際には相当な数」活躍していたはず、と。封建的な男社会で、女性に期待されていたのは子供を産み育てること。とはいえ、町民の生活はカツカツだから、実際には女性たちも内職や亭主の仕事を手伝って家計を支えていたとある。忙しいにもほどがある。
     応為の絵は本当に闇が美しくて、表紙絵の「夜桜美人図」と「吉原格子先之図」が特に好き。

    0
    2020年10月26日
  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝

    Posted by ブクログ

    葛飾北斎とその娘で卓越した絵師応為(辰女)の伝記。北斎が最晩年、明らかに筆が震えているのにも関わらず肉筆画の傑作を連発した裏には応為の助けが不可欠だったとみる。一方北斎の名前を使って実利を絵多分後世に名前を残すことはできず、その死も不明な応為。応為のいくつかの作品では西洋の技法を使いこなし、女性の髪の毛や指を書く技術、光と陰を表す技法では北斎を超えるものを生み出したが、構成力はワンパターンな面もあった。

    0
    2020年07月26日
  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝

    匿名

    最近、注目を集めている葛飾応為をテーマにした、ミステリー小説のようなノンフィクション。元はテレビ番組だったらしい。
    北斎が遺した膨大な作品の中にある応為の影に迫る、原田マハの本のような味わいの美術ミステリーで、この手の本にありがちの科学的考察はほとんどないので読みやすい。
    バラバラの出来事が次々とつながりあって、タイトルの「北斎になりすました女」の意味が解けてくる後半のスピーディな展開は見事。
    応為と北斎の晩年を扱った終章は少し切ないけれど、スカッとした読後感もあって、後味はいい。
    残念なのは、カラーの図版がもっとあってもよかった。
    読み始めると先が気になってやめられなくなるので、時

    0
    2020年03月27日

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