檀乃歩也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜。
葛飾応為、北斎の娘。最近注目されている人物。違う時代に生まれていれば、全く違う人生だったのだろうなー、とつくづく考えてしまう。
当時では、異例の90歳まで生きた葛飾北斎。70代80代でも精力的に描いていたと思いきや、、。(応為だったのかー?)本書を読むと北斎の親心が伝わってきて、新たな一面を見たようで、とてもしみじみとする。
偉大すぎる親の元に生まれてくるとは、幸なのか不幸なのか。
応為にだけなり得た、北斎のなりすまし。
応為は、どんな気持ちで絵を描き続けたのか。
まだまだ謎が多い人物だけに、私の中でも妄想が膨らみ続ける。
「吉原格子先之図」、3年ぶりに今秋公開。
小布施の北斎館にも行ってみたい。
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Posted by ブクログ
本書の主人公は、葛飾北斎の娘、葛飾応為であり、優れた助手であり、
または、女性画を描いたら父の北斎を凌ぐと言われている。
なぜ、黒子として父の助手で生涯を終えたのかが、本書で分かるかもしれない。
本書を読む楽しみにしましょう。
一部抜粋すると、
美術研究者の久保田一洋氏が発見したのは、北斎画の中で一部応為が手を加えたか
判別方法がある。
それは、『指先の描き方』と『ほつれ髪』だ。
確かに男の北斎が描くには細かい箇所で苦手な部分だったらしいが、
そこを娘の応為が描くと繊細な女性画に変身した。
葛飾北斎は生涯に引っ越しを90回以上したという記録もあるらしい。
それだから、常に貧乏だったんだろうか?
いや、そうではない。
人気を博した浮世絵が売れまくっていた時代には、一説では三百石取りの武士と
同じ手取りがあったらしい。
現在の金額に直すと、『3千万円から4千5百万円』に値するらしい。
そのお金を惜しみなく、絵の研究とか、絵の具(顔料)にお金をかけて
自分の納得する絵を追求していった結果、常にお金が無い状態が続いていた。
最後に、自分の夢を娘の犠牲(助手)の元に果たせた北斎は幸せだったかの
しれないが、娘の応為は果たして幸せだったのだろうかと、本書を読むと
疑問の一部が解ける気がする。
関連書籍として気になったのは、
浅井まかての小説『眩(くらら)』を読みたくなってきた。 -
匿名
最近、注目を集めている葛飾応為をテーマにした、ミステリー小説のようなノンフィクション。元はテレビ番組だったらしい。
北斎が遺した膨大な作品の中にある応為の影に迫る、原田マハの本のような味わいの美術ミステリーで、この手の本にありがちの科学的考察はほとんどないので読みやすい。
バラバラの出来事が次々とつながりあって、タイトルの「北斎になりすました女」の意味が解けてくる後半のスピーディな展開は見事。
応為と北斎の晩年を扱った終章は少し切ないけれど、スカッとした読後感もあって、後味はいい。
残念なのは、カラーの図版がもっとあってもよかった。
読み始めると先が気になってやめられなくなるので、時間がある時にオススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「なりすました」って、随分強い言葉だと思うのですが、この本を読み終わった時には納得でした。
天才葛飾北斎の娘として、ずっと父の背中を見て絵と向き合ってきた応為こと栄。
炊事洗濯掃除が嫌いで、一度結婚したもののすぐに離縁され、その後ずっと父の仕事を手伝って暮らす。
一般的なイメージとして北斎は天才と思うのですが、実は北斎、めっちゃ勉強家。
若かりし頃、勝川春章に弟子入りしているにもかかわらず、こっそりとほかの流派にも弟子入りして絵を学び、結局師匠にばれて破門され、一匹狼の絵師としてやっていくことになる。
でもって、生涯絵の勉強を続けていたというのだから頭が下がる。
もちろん西洋画だって独学で勉強した。
でも、ダイナミックな構図と迷いのない描線は、やっぱり天性のものなのだろう。
父が反故にした紙を見ながら応為もまた独学で絵をものにした。
そしていつしか父親の片腕として、作画を手伝うことになる。
北斎自身が、女性画は応為にかなわないと認めるほどの腕前。
ではなぜ、彼女は父親の黒子に甘んじていたのか。
それは、北斎の名前で絵を描いたほうが高く売れるからだと、著者は語る。
また、時代的にも女性絵師が社会的に評価されていたとはいえなかったから余計だろう。
北斎として絵を描くことを自ら選び、父にも認められた応為。
彼女の書いた絵が何枚も紹介されているが、ぱっと見日本画とは思えないのです。
光と影のコントラストで、奥行きがあり、空間の力が強い。
朝井まかての『眩(くらら)』の表紙に葛飾応為の絵が使われていますので、見てみてください。
西洋人が描いた日本の風俗のように見えます。
指先の細やかさ、着物の柄の歪み、ほつれ毛等、女性なら出の細やかさでは北斎を圧倒する応為。
だからこそ、北斎の名で書かれた作品の中にある応為の作品が、後世次々に明らかになったのだ。
けれど、浮世絵としてのオリジナルを書く才能はやはり足りなかったとみえる。
北斎漫画を手本にして、父の作品をより良いものにしあげる腕は充分にあったのに。
大き過ぎる父親を持つ苦労はあったろうが、画家として満足のいく生涯だったのではないだろうか。
絵を描くことだけが幸せだった父子。
そういう生き方に圧倒された。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ絵画ミステリー?ノンフィクション?
ジャンル分けが難しいけど、とにかく面白い。
学術書という訳ではないので、憶測で書いてる部分も少なからずあるのかな?とは思う。
でもあの当時の90歳って相当の高齢な訳だから、誰かが晩年の北斎の絵を手伝ってた可能性は高い訳で、それが応為だとして全くおかしくない。いつの間にか手伝いの量が多くなって、影武者の様に描いていた可能性だって大いにあるよね。
応為はどういう気持ちだったのか。ただ絵を描ければそれで嬉しかったのかな。
話も面白いけど、応為の作品がどれも素敵な事に感動した。女の人特有の繊細さ、光と影のコントラストが素晴らしい。一度生で見てみたいな。
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Posted by ブクログ
葛飾応為、本名、栄。生没年不詳の謎に満ちた、女絵師。
葛飾北斎の娘である彼女の生涯を探る、ノンフィクション。
序章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事 第8章 応為、夜を描く
終章 応為はどこに消えたのか
参考文献・・・書籍・雑誌・論文、ウェブサイト、テレビ番組、史料
カラー口絵他、モノクロも含め適宜、絵の画像有り。
葛飾北斎の娘、応為とは?
知名度抜群の父・葛飾北斎の生涯の影に隠れた存在。
『葛飾北斎伝』の他、乏しい数の書状や文書、記録等の、
記憶の破片を組み合わせて、彼女の生涯を追う内容です。
作品ですら、ほんの僅かしか残っていない。
だが、伝・北斎や無落款の作品に残る、彼女らしさの痕跡。
北斎が試みた遠近法と影、応為が挑んだ光と影。
長崎の絵師、オランダ、貧乏だった理由。
老いても旺盛な北斎の画業の影に、彼女の姿が大きくなってゆく。
それらはまるで、ミステリー。
彼女の技法や痕跡を絵の中に探すのは、謎解きそのものです。
晩年の北斎の作品をじっくり観てみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
TV番組で葛飾応為の特集をしているのを見た
とても面白くて興味深かった
その時に紹介されていた「夜桜美人図」
その美しさにはっとした
レンブラントの「夜警」のような
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」のような
光と影の美しさ
その美しさが忘れられずそのあと見に行ってしまった
謎多き、応為の人生
それを掘り進めていった本
北斎の光としての仕事
応為の陰としての仕事
なぜ彼女は北斎の陰にいたのか?
本書はそんな謎にも触れている
謎多き北斎と応為
北斎の作品のいくつかは応為が描いたのではないかと
推測されるという
たしかにそう言われてみれば繊細な部分だったり
色彩や構図など北斎ぽくない画もある…
(ってそういわれてみたらそう見えちゃう素人の恐ろしさ…)
そして、意外なところで名前が登場した
川原慶賀
この方のドキュメンタリーをたまたま見ていたので
その意外なつながりに驚きと感動がひとしお!
この本を読んであらためて北斎と応為の絵を見てみたくなった