丸山有美の作品一覧
「丸山有美」の「色の物語 青」「色の物語 赤」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「丸山有美」の「色の物語 青」「色の物語 赤」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
21世紀になっても、黒の塗料の開発は進められ、2019年、99.995%の光吸収率の黒の開発がされている。表面の凹凸が分からないというので、軍事兵器にも使われているとか。まじか。
ニュートンはプリズムの観察から、色は光、闇である黒は色でないとし、アリストテレスの黒を色とする考えを一蹴した。ゲーテはそれに反対して、色は光を暗くし、闇を照らすとしたが、今の理論では間違いであった。
ギリシャやローマでは意外と黒は使われているが、中世では好まれなかった。暗闇を連想させたから。ルネサンス以降は、黒の価値が見直されてくる。黒によって表現の幅が広がるのである。ウェイデン「善良公フィリップの肖像」、レンブラント「女性の肖像」、ゴヤ「マドリード、1808年5月3日」など効果抜群だな。さらにホイッスラー「灰色と黒のアレジメント第1番:画家の母の肖像」、マネ「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」、サージェント「マダムXの肖像」など黒でなければならない作品だ。スーラ「クールブヴォワ:月影の工場」はキャンバスの凹凸を生かし、コンテによって、黒で光を表した。マレーヴィチ、スーラージュ、カプーア、カルダー、ビュフェ、セラたちの現代組も凄いよな。
ちょいと豆知識。フレスコ画の漆喰だが、水分が蒸発すると、石灰に含まれる水酸化カリウムが表面に浮き上がり、空気中の二酸化炭素と接触して炭酸カルシウムに変化。これが顔料を下地に固着させる。顔料とバインダー(固着剤)からつくられる絵の具と違い、フレスコ画は顔料のみで描かれる。
Posted by ブクログ
私にとってこのシリーズを読むことは、高級チョコを愛でることに似ている。
各テーマに沿った選りすぐりの作品が世界中から集められ、まるで一つの箱に収められているよう。一粒一粒が珠玉で、我々の目を楽しませてくれる。
青・ピンク・黒・赤、そして今回遂に「ゴールド」まで辿り着いてしまった…!
ゴールドといえば、私はまず「金の茶室」といった権力の誇示を連想する。
昔からゴールドは神の色と相場が決まっていて、神殿といった宗教施設に多用されてきた。また、世界中の権力者たちはそうした神聖な色にあやかろうとするかのごとく、自身の周りをゴールドで固めてきた。
最初に登場する「ツタンカーメンの黄金のマスク」(P 16)が、良い例かもしれない。
本当にいつ見ても滑らかな黄金!これぞ永遠の輝き・美しさ…!「2枚の金板を重ね、槌で打ち出して作られ」ても、こんなに滑らかになる?
悲劇の少年王を思って丁寧に設計されたんだなーと、一人歴史ロマンに浸っていると、「別の人物のために作られていた説」が本文の隣で浮上していた…。
歴史ロマンやなくて、歴史ミステリーやん。
権力でいえば、「侯爵夫人マリア・セッラ・パラヴィチーノの肖像」(P 72)も抜きん出ていた。ただ本作は威圧感というより、圧巻なんだけど妙なとっつきやすさを感じたんだな。
1606年に描かれたイタリア貴族の肖像画で、女性自身ではなく、正真正銘彼女の身分を描いている。しかし、ゴールドの装飾が施されたドレスを纏っていながら、表情は柔和で、畏まった様子が見られない。
何だかゴールドを上手く手懐けているみたいで、「やっぱ一流は違うなー」と、自動的に感心していたのだった。
「金は、わたしたちの失敗であり希望であり、現実であり、恐ろしい幻想なのです」(P 8)
日本からは「黒樂茶碗」(P 80)と「鳳凰図屏風」(P 82)が「出展」されている。
本書の著者はフランス人だが、日本人以上に、茶器の価値を理解しておいでだと思う。ざっくり言うと、黒地に金の富士山が浮かび上がった見栄えなのだが、それを「何事にも動じない静かな心」と的確に表している。
前述の権力とは違えど、ゴールドはここでも揺るぎない存在だった…!
「鳳凰図屏風」は北斎作らしいが、初見だ。それもそのはず、現在はボストン美術館蔵との事…!(「黒樂茶碗」は大英博物館蔵)
ゴールドを背景に極彩色の鳳凰が屏風の中を舞うという、何ともダイナミックな演出。良いものはすぐ買い取られちゃうんだな…正直、もっと多くの日本人に知ってほしい作品である。
P 56の”The Golden Calf”が未だに頭からこびりついて離れない。ダミアン・ハーストの作品で、何とゴールドで縁取られたショーケースに本物の子牛がホルマリン漬けにされている。
2ヶ月前に読んだ内澤旬子氏の『世界屠畜紀行』を思い出す。かつて生きていた動物を作品にする行為って、食べるのと同じくらい考えさせられないか…?
何とも刺激的で、矛盾した味わいを持つ「チョコたち」だった。
神の色ねー…栄光をもたらしたり溺れさせたり、我々を弄ぶ罪な色の間違いなんじゃないか?
Posted by ブクログ
絵画での青の顔料を取り上げ、その変遷と青を顕著に使った絵画、美術品を様々に紹介している。
青の植物由来の天然色素は、木藍、パステル(ウォード)、鉱物由来の天然色素は、ラビスラズリ、アズライト、合成色素は、エジプシャンブルー(エジプト)、ウルトラマリンブルー(フランス)、コバルトブルー(フランス)、インディゴブルー(ドイツ)、プルシアンブルー(ドイツ)。
古代エジプトで既に合成色素のエジプシャンブルーが作られていたのには驚いた。スフィンクスの置物が鮮やかな青なのである。ジョットが高価なラビシラズリを使うことができずに、アズライトを使っていたとか。おいおい、教会は資金を出してやらなかったの?葛飾北斎がドイツで1706年に開発されたプルシアンブルーを、あの神奈川沖浪裏に使っていたそうな。ほうほう。オランダから輸入したやつなんだろうな。
様々な絵画が紹介されているが、青という色彩が持っている清冽さや神秘性、静謐さなどが徐実に現れていて感心する。フリードリヒ、ホイッスラー、ルドン、スタールなどにとってはかけがえのない色だろう。ホックニーやホッパーの絵の青は、なんだろう、虚無の厳しさ、圧力などを示していて、強烈だ。
Posted by ブクログ
原色オブ原色!赤は特にお気に入りで、今履いているルームソックスも赤だ。
本書曰く、赤は人間の視覚が最初に捉えることのできる色調で、人類が最初に命名した色でもあるとの事。そんな由緒正しきお色だからか、ある時は権威、またある時は不道徳の象徴だったりと、実に様々な意味合いを赤は含んでいる。
本書で取り上げられている作品群の雰囲気も、今までのシリーズと比べると、アップダウンが激しかった。元は同じ赤なのに、ここまで印象が違うもんなの!?的な。
副題の「ポンペイからロスコまで」。
ポンペイの街を襲った悲劇には心が痛むが、火山灰が残してくれた遺産はミラクルと断言して良い。建物や彫刻は原型を留めているし、『秘儀荘』(P 20)のような壁画も、当時のカラーのままで残っている。
…と言いたいところだが、実はこの『秘儀荘』で使われている背景の赤は、元々は黄土色だったという説があるらしい。何でも、火山ガスと画に使用された鉛と水銀が反応し、赤へと変色したのかも?…って。
鉛と水銀を使用していた絵師さん?たちの健康状態を心配しつつ、むしろ変色後で良かった!と感嘆した。
「色と形の関係のようなことには興味がありません。わたしが関心を持っているのは、人間の基本的な感情、悲劇、陶酔、破滅を表現することだけです…」(マーク・ロスコ、P 52)
マーク・ロスコって画家の名前は初耳だったけど、『Untitled』(P 52、1961年)の赤は、視界がじんわりと温かくなった。
いわゆる抽象画で、朱色がかった赤が二段に分かれてキャンバスいっぱいに塗られているだけ。なのに本書の中では好きな作品の部類に入っている。
今までのくっきりとした赤を見慣れていたせいで、このトマトスープのような優しい赤に惹かれているのかも。
権威的なものでいうと、中国の鼻煙壺(びえんこ、P 74)が強く印象に残った。
上流階級が嗅ぎタバコを嗜む際に用いる壺で、フタについた小さなヘラでタバコをすくい、親指の爪の上に乗せて吸い込むという。
とにかく、ビジュアルがおどろおどろしい。ほぼ全面赤の漆器で、その光沢は高級感よりも毒々しさを引き出している。一体、お貴族様たちはどんな顔して吸っていたのか…どうしても平穏な光景が浮かんでこない汗
日本人枠では、草間彌生と塩田千春が選ばれていた。
草間彌生(P 56)の”Red Dots”(2011年)は、彼女の代名詞とも言える水玉模様が、これまたキャンバスいっぱいに散りばめられている。集合体恐怖症だが、勇気を振りしぼり目を凝らしてみると、水玉同士がくっついていたりなど色々と発見があった。
塩田千春(P 104)は、現在ベルリンを拠点に活動されていて、ご出身は岸和田とのこと。
無数の赤い糸がボートに絡み付いていて、私にはたぎる血のように思えた。(だんじり祭りの時のような笑) ボート単体では無機質だけど、そこに糸が加わることで、ボートが生きているような錯覚すら覚える…。
それにしても、原色オブ原色の作品なんて、この世にごまんとある。他のシリーズもさることながら、その中から一体どうやって作品をセレクトしたのだろう?
インタビューできるんだったら、真っ先に聞きたい!