縄文時代の収穫の方法や、自然の循環への敬虔な気持ち、生き抜く知恵と勇気ある暮らしなど、私自身が縄文時代に大変興味を持っているため、とても楽しめる導入から始まる本作に、あっという間に夢中になりました。
この地球は、大気は、土は、植物は、そして人体は、何で作られているのか。元素と関係浅からぬ、電子・イオンについても説明されていて、自然をありのまま見つめる、感覚的な、縄文的な、右脳的なものを大事にしつつも、人に説得力を持って伝え、分かりやすく理解してもらうための科学や、生活に伴った身近なものの喩え話など___大変に見事な内容だと思います。
実際に一人で生き抜いていくための知恵を身につけ、その自信を以て、他の人々と快く繋がっていく・・・そのためのきっかけとして、素晴らしいです。
そして、農業を始めるわけではないにしても、私たちが無関心ではいられても、無関係では決してありえない、空気、水、食べ物は、どこに存在していて、どういう風に作られているのか___そのことを知るだけでも、
「ああ、この味付けの天然塩はミネラルなわけで、そのミネラルは元々枯れ草が土に染みて、雨水に流されて、海水に溶け込んだからあるんだなぁ。なんだかすごいなぁ。しかもその枯れ草の分解を手伝っているのは、ミミズとかヤスデとか、微生物たちなんだなぁ。生態系って面白いなぁ」
だなんて、ぼんやり楽しめるのではないかと思います。
食事をするときに、しばしば生産者への感謝をこめて「いただきます」という癖を身につけることは、幼時分に、大人の方々から教わった人は多かろうかと思います。もちろんそれは素晴らしいのですが、もう少し視野を広げると、嫌がるはずの人も多かろう昆虫たちもまた、私たちの食べ物を助けてくれているのであり、ひいては私たちの命の恩人(恩虫?)でもあるということです。大袈裟な綺麗事かもしれませんが、きっと、そういう感覚に慣れていないというだけで、続けてそう思っているうちに、むしろあらゆる生き物に感謝、感動できるようになっていく気がします。
それこそが自らあるがままいられることであり、読んで字のごとく、「自然」であろうかと思うのです。
読み終えた後の満足感たるや、とても爽やかなものでございました。岡本よりたかさんは現在、岐阜に在住されているとのことなので、これは実際にお会いしてみたいと思いました。
なんとなく今の行き過ぎた文明と、そのために生活に苦しむ悪循環に「おかしい」「なんでだろう」と思う人には、是非とも一度読んでもらいたいです。興味を持っていらっしゃるという時点で、こうした出来事、関心には向いてらっしゃると思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。