作品一覧

  • 「盛り」の誕生
    3.9
    1巻2,640円 (税込)
    盛りの誕生 女の子の目はなぜ異常なほど大きいのか? ルーズソックス、日焼けした肌に茶髪、ヤマンバ、デカ目、インスタ映え……。 日本の女の子たちは、自らのビジュアルを「盛る」ことで特殊なコミュニケーションを行ってきた。それは、デジタルテクノロジーの発展と共に、リアル空間からプリクラやSNSといったバーチャル空間にまで広がりを見せている。この「盛り」とは、いつから行われ、どのように生まれたのか。 「女の子が現実とは違うビジュアルを作り、新しいメディアで公開する技術」を「シンデレラテクノロジー」と名付けた研究者が、いまや世界へその影響を波及させている日本発の文化=「盛り」の全貌を解き明かす!!
  • ガングロ族の最期 ギャル文化の研究
    3.7
    ビーチイズムからギャルは生まれた。 かつて渋谷には、ヤマンバ、マンバなどと呼ばれた極端に肌を黒く焼いた「ガングロ・ギャル」がいた。彼女たちはどのようにして生まれ、そして消えていったのか。 戦後日本のメディア環境と日焼けスタイルの歴史から、ギャル文化の源流をスリリングに読み解く! 2020年代現在、メディアを席巻するギャル文化の源流は、90年代からゼロ年代にかけて渋谷に特異点のようにして現れた「ガングロ・ギャル」にある。 彼女たちはなぜ、突如現れたのか? 90年代、デジタル・テクノロジーが大きく発展し、コミュニケーションの場がリアル空間からバーチャル空間へと移行する中、渋谷を砦にリアル・コミュニケーションの美意識を最後まで守ろうとしたのが彼女たちだった。その後、世界はバーチャル・コミュニケーション中心の新しい時代を迎え、ガングロ・ギャルは消えた。彼女らが残した記録と証言、新しいコミュニケーション・テクノロジーを詳細に取材し、「ビーチイズム」からギャル文化の成立を大胆に読み解く。 【目次】 ●序章 インターネットのせい インターネット前夜 一九九〇年代後期の渋谷 「ガングロ・ルック」の歴史 ●第一章 ガングロ・ルックの源流 ・第一節 フランス・ガングロ・ルック 一九七〇年代のガングロ・ルック ビーチ・バカンス 西洋のビーチの歴史 西洋の日焼けの歴史 日本のビーチ 洋装とガングロ・ルック ガングロ・ルックの幾何学 白っぽいリップの出現 ビーチ・コミュニケーション ・第二節 カリフォルニア・ガングロ・ルック アメリカ人になりたい ビーチパーティ映画 ティーン・ピクス アメリカのサーフィンブーム ロスアンゼルスのビーチ スターになれるかもしれない 外見の大量生産システム ・第三節 東京・ガングロ・ルック 東京のディスコ ゴーゴーダンス ビーチとしてのゴーゴー 青春ア・ゴーゴー 東京ヤンキー 港区の若者文化 渋谷の兆し ユニオンの紙袋 ●第二章 渋谷・ガングロ・ルックの変遷 ・第一節 一九七〇年代後期の渋谷・ガングロ・ルック―サーファー・陸サーファー 日本のサーフィンブーム 日本のサーフィンの歴史 『ポパイ』とサーフィン 髭とマッシュルームカット サーファーカット サーファー・ディスコ 日焼けサロン革命 「見立て」のビーチ アメリカン・グラフィティ アメリカ学園映画 読者モデル誕生 アメリカと渋谷 ・第二節 一九八〇年代中期の渋谷・ガングロ・ルック―ロコガール ビーチに通う高校生 ギャルはお化粧しない ロコガール・ルック 都外からの侵略 ヒップホップ・ルック ・第三節 一九九〇年代初期の渋谷・ガングロ・ルック―ポスト・ロコガール 渋谷の大きな高校生集団 ミージェーンとアルバローザ ロコガール・コミュニケーション 渋カジの高校生 カルチャーの渋谷 ・第四節 一九九〇年代中期の渋谷・ガングロ・ルック―コギャル 「コギャル」の出現 海の波より渋谷の波 ボディコンの終焉 元祖カリスマ店員 ・第五節 一九九〇年代後期の渋谷・ガングロ・ルック―ガングロ スターに会える街渋谷 ストリート雑誌 渋谷・ガングロ・ルック SHIBUYA109リニューアル エゴイストの化粧 欧米人憧れの終着点 ビーチイズムの肌 ・第六節 二〇〇〇年代の渋谷・ガングロ・ルック―ゴングロ・ヤマンバ・マンバ ガングロからゴングロへ ブリテリとゴングロ ガングロ道 外見に託す「願い」 オープンソースな外見 渋谷の祭り どこでもカメラ ネット・サーフィン ガングロのアイコン化 ●終章 ハロウィンの渋谷 ハロウィンの集会 渋谷クロッシング インターネットが盗んだもの 脚注 関連年表 関連地図 【関連ワード】 ギャル ガングロ ゴングロ egg 渋谷 109 都市論 アラン・コルバン 浜辺の誕生 アメリカ 東急 盛り アート

ユーザーレビュー

  • 「盛り」の誕生

    Posted by ブクログ

    最近のプリクラとかインスタに上がってる女性の画像(ヘビーな加工あり)は目がデカすぎて不自然な上に、加工しすぎて毎回顔が変わってるぞ!これは彼女たちの基準では正解なのか?なんでや?という疑問を持っていたのですが、ずばり回答が書かれていてなるほど!となりました。良い。

    0
    2022年07月15日
  • 「盛り」の誕生

    Posted by ブクログ

    SNSで載せる自撮り写真を加工して、美肌、目を大きくしたりするのは、化粧をする様な感覚でやっている人も多いだろう。

    このような「盛り」を筆者は真面目に研究している。

    この本を読む事で「盛り」をポジティブに捉えられるようになった。

    プリクラから始まる盛りの歴史、変遷が事細かに説明してあり面白い。
    へーそういうことだったのかと納得。
    当時は、なんで皆プリクラのシールを手帳に貼ってるのか、全く理解できなかったけど、今のLINEの友達何人、みたいな感覚と一緒だったんだな。


    盛りは一見、自分をただ良く見せる為の独りよがりの自己満足なのだと思っていたが、コミュニケーションのスキルなのだと言うこと

    0
    2020年05月17日
  • 「盛り」の誕生

    Posted by ブクログ

    全く役に立たないように思えるが、現代女子の考現学。プリクラ、スマホ、メークのテクノロジーの発展と女性のコミュニティでの個性の発揮・外部との遮断の関係を解き明かす。あくまでコミュニティ内部での差別化、個性の発揮を目指すが、それは外部からは全くわからない。また、グローバルな潮流からは異なった発展を遂げる日本はあくまでうちにこもる傾向がある。テクノロジーは盛り方と、見せ方(シェア)の発展を生み、今後も同じ状況が続くと思わせる。

    0
    2019年06月01日
  • ガングロ族の最期 ギャル文化の研究

    Posted by ブクログ

    90年代の文化を再確認したくて読んでみた本。
    いざめくってみると、70年代にもガングロはいた、という驚きから入り、18世紀のフランスから丁寧にその起源を紐解いている。もっとも「ガングロ」の定義は広いが、俯瞰してみると90年代における「コギャル」「ヤマンバ」はその亜種であり、より普遍的な流れの中に位置づけられることも分かって面白かった。

    また、ガングロが「光学的に外見を変える手法」としてプリクラや写真加工アプリの源流にある、という指摘も面白かった。

    ## ■ガングロの原理

    本書ではガングロの原理を次のように述べていた:
     1)変身願望:自由人やイケてる人間であるという記号の発信
     2)承認

    0
    2025年08月24日
  • ガングロ族の最期 ギャル文化の研究

    Posted by ブクログ

    大変興味深い本だった。
    タイトルにもあるガングロギャルの話だけではとどまらず、他の街のように新たな物を生み出さなかったはずの渋谷が、いかにして文化の発信地となったのか、そしてなぜ若者たちは競うように渋谷に集まるようになったのかなども知ることができた。
    こ本を書き終えるまでに、多くの取材をこなしたり、文献を読み込んだりされたであろう著者には敬意を評したい。

    最後に余談ではあるが、当時ガングロやゴングロ、ヤマンバ、マンバをしていた娘の親たちは、一体どんな心境だったのだろうかと思わずにはいられなかった。

    0
    2024年07月14日

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