【感想・ネタバレ】「盛り」の誕生のレビュー

あらすじ

盛りの誕生

女の子の目はなぜ異常なほど大きいのか?

ルーズソックス、日焼けした肌に茶髪、ヤマンバ、デカ目、インスタ映え……。
日本の女の子たちは、自らのビジュアルを「盛る」ことで特殊なコミュニケーションを行ってきた。それは、デジタルテクノロジーの発展と共に、リアル空間からプリクラやSNSといったバーチャル空間にまで広がりを見せている。この「盛り」とは、いつから行われ、どのように生まれたのか。
「女の子が現実とは違うビジュアルを作り、新しいメディアで公開する技術」を「シンデレラテクノロジー」と名付けた研究者が、いまや世界へその影響を波及させている日本発の文化=「盛り」の全貌を解き明かす!!

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Posted by ブクログ

最近のプリクラとかインスタに上がってる女性の画像(ヘビーな加工あり)は目がデカすぎて不自然な上に、加工しすぎて毎回顔が変わってるぞ!これは彼女たちの基準では正解なのか?なんでや?という疑問を持っていたのですが、ずばり回答が書かれていてなるほど!となりました。良い。

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2022年07月15日

Posted by ブクログ

SNSで載せる自撮り写真を加工して、美肌、目を大きくしたりするのは、化粧をする様な感覚でやっている人も多いだろう。

このような「盛り」を筆者は真面目に研究している。

この本を読む事で「盛り」をポジティブに捉えられるようになった。

プリクラから始まる盛りの歴史、変遷が事細かに説明してあり面白い。
へーそういうことだったのかと納得。
当時は、なんで皆プリクラのシールを手帳に貼ってるのか、全く理解できなかったけど、今のLINEの友達何人、みたいな感覚と一緒だったんだな。


盛りは一見、自分をただ良く見せる為の独りよがりの自己満足なのだと思っていたが、コミュニケーションのスキルなのだと言うことがわかる。

自分が自分らしくあるための方策としての、盛り。
コミュニテイ内での相対位置を決める為のキャラ作りのような。
ある意味、場の空気をよく読んで、盛りかたも調整し、自分の事を理解してもらうように使うのではないか。

109のギャルファッションがカリスマ店員という、自分達と同じ立場の人間から発信されたという事。読者モデルの隆盛も同様、上から流行を落とされるのではなく、自分達の中から自分なりの表現をしている人が評価される。

この時点でインスタなどのSNS発信の流行の素地が既に培われていたのだと理解しました。

裏原宿なども同様で、自分達目線のストリートから出てきたことで支持を得られる。

自分自身を表現といっても、自我を見つめるような堅苦しいことではなく、ファッションを楽しむような自分なりの、工夫を肩の力をぬいて楽しみながらするもの。
それが盛りなのでしょう。



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2020年05月17日

Posted by ブクログ

全く役に立たないように思えるが、現代女子の考現学。プリクラ、スマホ、メークのテクノロジーの発展と女性のコミュニティでの個性の発揮・外部との遮断の関係を解き明かす。あくまでコミュニティ内部での差別化、個性の発揮を目指すが、それは外部からは全くわからない。また、グローバルな潮流からは異なった発展を遂げる日本はあくまでうちにこもる傾向がある。テクノロジーは盛り方と、見せ方(シェア)の発展を生み、今後も同じ状況が続くと思わせる。

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2019年06月01日

Posted by ブクログ

気になっていた現象なので、まさにピンポイントの評論。
ネタとして扱うというより、時代背景や技術面、各方面の当事者の声を追っていく
地道でしっかりとした研究書。
早くから気付いていたからこそ、今、まさに興味を持ち始めた人たちへ、
このボリュームと説得力で応えられる。
同じように見えて、その中に入ってみると細かい差異が見えてくる、のは
どんなジャンルでも同じ。
また、型を守り、型を破り、型を作るという美意識も、場所を変えて現れるところが面白い。
どこまでを日本人の持ち前のものと言っていいかは分からないが、
目指すもののために、自ら材料を調達しカスタマイズして作り上げていくことや、
発表のために印刷技術に手を伸ばしたり、集団をまとめるための会合を重ねたりと
真面目で勤勉な面が普通に出てくるところに驚きと感動を覚える。
ライトに流行に乗るだけの層の上に、一定数の、
もっと向上心や探求心のある、突き詰めていく層がいることが頼もしい。
日本の女の子が見ているものは、どこよりも早く、先を行っている。
スマホを誰もが持つものになるはるか前から、
求めるもの、楽しいと思うもの、どれをセンスがいいと感じるかの感性は
日々磨かれて、ものすごいスピードで移り変わっていく。
「盛り」に限ったことではなく、中身を入れ替えても通用する話で、
やはり日本人のもつ特性ってものがちゃんとあるんだなと思う。
ただスマホという、一瞬で広がり、真似されていくツールの力で、
個性というのはより短命になり、模倣された偽物に紛れてしまい、
あっという間に消費されてしまうのがつまらないなと思う。

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2021年03月08日

Posted by ブクログ

いろいろな考察軸が出てくる

記憶に残ったのは守破離
大人から見ると同じに見える女子について説明がなされる

つまりDIYを評価し合っているということか

日本人女子のメンタリティと技術の進歩が盛りの歴史を作っている

失礼だが思った以上に面白かった

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2019年11月13日

Posted by ブクログ

<目次>
序章   「盛り」の構造
第1章  渋谷に誕生した「盛り」
第2章  インターネットの中で拡大する「盛り」
第3章  世界へ広がる「盛り」

<内容>
自分も高校教師として多くの女子高生と向き合ってきたが、「盛り」の歴史を読んでいくと、うなずくことが多かった。分析的にわからないところ(おそらく男なので、また年を取っているので)が結構あったが、女子高生たちの考え方の一端を知れたことが良かった。ある意味、男どもが「国境がどうの」「外交が…」と言っている間に、したたかな女子たちが国際化を進めていて、政治など全く無視して世界を一本化していくかもしれない、と思った。

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2019年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な環境やツールが変わっていっても、結局やってることはざっくり同じになるところが面白かった。
もちろん細かい部分に違いはあって、それは詳しくみていけて、何度もこんなことを研究している人がいるんだなぁと思った。
メイクや画像加工のディテールの差違がわかるもの同士でコミュニティを作れていればいい、という感覚は、他人を馬鹿にもせず、なんとなく生きやすい考えを持てる事実だと思う。

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2020年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1995年プリクラからSNSは始まった。
日本人女子の自分らしさは生まれ持ったナチュラルなものでない、アーティフィシャルなもの
所属するコミュニティの基準に沿った相対的個性

シンデレラテクノロジー
 ソーシャルステージ
 セルフィーマシン
 プラスチックコスメ

109エゴイスト 1995年~
ピードMD
 店員に 服を着せ、現物でアレンジし、
 毎月曜に韓国の東大門の業者にもっていく。
 翌週に商品が販売できる。
2006年~
企業によるマネジメントによる制限。
ネットでいいねをもらうだけの表面的に。

つけまつげとカラコン
 素顔の良さより盛りを褒められるほうが嬉しい。
 益若つばさ
  マドンナを100円ショップの商品で再現

どこかにいる自分と合う人を見つけるためのブログ

セルフィーと自撮りの違い。
 SNSの批判を恐れ、盛りより気配り。
 自撮りしなくなる。他撮りへ。

日本:化粧、韓国:整形、中国:画像加工

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2020年02月02日

Posted by ブクログ

「そうそう、こんな時代あった!」とか、「今思うとなんでこんなのが流行ってたの?」と、ついこないだまで流行していたものが、懐かしいと同時に時間の経過が早いと感じた。

こうして振り返ってみると、日本という国はとことんガラパゴスな国だ。
それが決して悪いことではないけど、同じような格好をしたグループの中でも個性を出したいなんて矛盾している。でもまたそういう人たちが流行を作っているんだと思う。

著者が言うように、「盛り」は間口は広いが奥が深い。
当時は冷ややかな目で見ていた世界も、こうして振り返ると実に奥が深い世界だと感じた。

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2020年01月09日

Posted by ブクログ

おもしろかった。

正直、途中、くだんねえ、と思ったことが何回もある。
化粧をする人間の気持ちは、ファッションにこだわる気持ちは、根のところで理解できない。

しかし全体としてのこの本は、コミュニティ論であったりとか幅広く、興味深いものであった。

全く同一に見える子たちが、自分が個性的で考えていたるするところは、なんか昔の「不良」達みたいなもんかと。守破離というが、判ってくれる人があってのことなんだな。

盛る、ことが、その技術である工夫努力を評価してもらうことっていうのはなるほどと思う。

男がプラモ作ったりするのと同じなんだな。
そこの男女の違いにも興味がある。最近は違うのかもしれないけども、男は自分に盛らない。

やっぱりイラっとするのは男目線なんだろうね。

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2019年12月07日

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