SNSで載せる自撮り写真を加工して、美肌、目を大きくしたりするのは、化粧をする様な感覚でやっている人も多いだろう。
このような「盛り」を筆者は真面目に研究している。
この本を読む事で「盛り」をポジティブに捉えられるようになった。
プリクラから始まる盛りの歴史、変遷が事細かに説明してあり面白い。
...続きを読む
へーそういうことだったのかと納得。
当時は、なんで皆プリクラのシールを手帳に貼ってるのか、全く理解できなかったけど、今のLINEの友達何人、みたいな感覚と一緒だったんだな。
盛りは一見、自分をただ良く見せる為の独りよがりの自己満足なのだと思っていたが、コミュニケーションのスキルなのだと言うことがわかる。
自分が自分らしくあるための方策としての、盛り。
コミュニテイ内での相対位置を決める為のキャラ作りのような。
ある意味、場の空気をよく読んで、盛りかたも調整し、自分の事を理解してもらうように使うのではないか。
109のギャルファッションがカリスマ店員という、自分達と同じ立場の人間から発信されたという事。読者モデルの隆盛も同様、上から流行を落とされるのではなく、自分達の中から自分なりの表現をしている人が評価される。
この時点でインスタなどのSNS発信の流行の素地が既に培われていたのだと理解しました。
裏原宿なども同様で、自分達目線のストリートから出てきたことで支持を得られる。
自分自身を表現といっても、自我を見つめるような堅苦しいことではなく、ファッションを楽しむような自分なりの、工夫を肩の力をぬいて楽しみながらするもの。
それが盛りなのでしょう。