久保友香のレビュー一覧
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SNSで載せる自撮り写真を加工して、美肌、目を大きくしたりするのは、化粧をする様な感覚でやっている人も多いだろう。
このような「盛り」を筆者は真面目に研究している。
この本を読む事で「盛り」をポジティブに捉えられるようになった。
プリクラから始まる盛りの歴史、変遷が事細かに説明してあり面白い。
へーそういうことだったのかと納得。
当時は、なんで皆プリクラのシールを手帳に貼ってるのか、全く理解できなかったけど、今のLINEの友達何人、みたいな感覚と一緒だったんだな。
盛りは一見、自分をただ良く見せる為の独りよがりの自己満足なのだと思っていたが、コミュニケーションのスキルなのだと言うこと -
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90年代の文化を再確認したくて読んでみた本。
いざめくってみると、70年代にもガングロはいた、という驚きから入り、18世紀のフランスから丁寧にその起源を紐解いている。もっとも「ガングロ」の定義は広いが、俯瞰してみると90年代における「コギャル」「ヤマンバ」はその亜種であり、より普遍的な流れの中に位置づけられることも分かって面白かった。
また、ガングロが「光学的に外見を変える手法」としてプリクラや写真加工アプリの源流にある、という指摘も面白かった。
## ■ガングロの原理
本書ではガングロの原理を次のように述べていた:
1)変身願望:自由人やイケてる人間であるという記号の発信
2)承認 -
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気になっていた現象なので、まさにピンポイントの評論。
ネタとして扱うというより、時代背景や技術面、各方面の当事者の声を追っていく
地道でしっかりとした研究書。
早くから気付いていたからこそ、今、まさに興味を持ち始めた人たちへ、
このボリュームと説得力で応えられる。
同じように見えて、その中に入ってみると細かい差異が見えてくる、のは
どんなジャンルでも同じ。
また、型を守り、型を破り、型を作るという美意識も、場所を変えて現れるところが面白い。
どこまでを日本人の持ち前のものと言っていいかは分からないが、
目指すもののために、自ら材料を調達しカスタマイズして作り上げていくことや、
発表のために印刷 -
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<目次>
序章 「盛り」の構造
第1章 渋谷に誕生した「盛り」
第2章 インターネットの中で拡大する「盛り」
第3章 世界へ広がる「盛り」
<内容>
自分も高校教師として多くの女子高生と向き合ってきたが、「盛り」の歴史を読んでいくと、うなずくことが多かった。分析的にわからないところ(おそらく男なので、また年を取っているので)が結構あったが、女子高生たちの考え方の一端を知れたことが良かった。ある意味、男どもが「国境がどうの」「外交が…」と言っている間に、したたかな女子たちが国際化を進めていて、政治など全く無視して世界を一本化していくかもしれない、と思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1995年プリクラからSNSは始まった。
日本人女子の自分らしさは生まれ持ったナチュラルなものでない、アーティフィシャルなもの
所属するコミュニティの基準に沿った相対的個性
シンデレラテクノロジー
ソーシャルステージ
セルフィーマシン
プラスチックコスメ
109エゴイスト 1995年~
スピードMD
店員に 服を着せ、現物でアレンジし、
毎月曜に韓国の東大門の業者にもっていく。
翌週に商品が販売できる。
2006年~
企業によるマネジメントによる制限。
ネットでいいねをもらうだけの表面的に。
つけまつげとカラコン
素顔の良さより盛りを褒められるほうが嬉しい。
益若つばさ
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おもしろかった。
正直、途中、くだんねえ、と思ったことが何回もある。
化粧をする人間の気持ちは、ファッションにこだわる気持ちは、根のところで理解できない。
しかし全体としてのこの本は、コミュニティ論であったりとか幅広く、興味深いものであった。
全く同一に見える子たちが、自分が個性的で考えていたるするところは、なんか昔の「不良」達みたいなもんかと。守破離というが、判ってくれる人があってのことなんだな。
盛る、ことが、その技術である工夫努力を評価してもらうことっていうのはなるほどと思う。
男がプラモ作ったりするのと同じなんだな。
そこの男女の違いにも興味がある。最近は違うのかもしれないけ