吉田知子の作品一覧

「吉田知子」の「無明長夜」「お供え」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 無明長夜
    3.0
    1巻495円 (税込)
    “御本山”の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作『無明長夜』。“捨てる”ことを根源に、自らの道を開こうとした著者の、戦後の出発を語る『豊原』。ほかに『寓話』『終りのない夜』など、新しい世代の世界とイメージを持って、多様な才能を遺憾なく発揮した作品群。ほか『静かな夏』『生きものたち』『わたしの恋の物語』全7編を収める。
  • 変愛小説集 日本作家編
    3.6
    1巻792円 (税込)
    変てこだったりグロテスクだったり極端だったりする、究極に純度の高い愛のアンソロジー。人気作家勢揃い! ●川上弘美●多和田葉子●本谷有希子●村田沙耶香 ●吉田知子●深堀 骨●安藤桃子●吉田篤弘●小池昌代●星野智幸●津島佑子
  • お供え
    3.6
    1巻1,408円 (税込)
    毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。

ユーザーレビュー

  • 変愛小説集 日本作家編

    Posted by ブクログ

    さまざまな形の「愛」が収められたアンソロジー。どれも一般の恋愛観からは少し外れた愛で、しかしそんな奇妙な愛こそが恋愛であるような気がする。どこか変でなきゃ恋愛なんてできないな、と感じた。

    0
    2019年09月14日
  • お供え

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     本書に収録されている『お供え』は、一見すると穏やかな中年女性の日常の中に、不可解で幻想的な事象が入り込む作品である。毎朝、主人公の家の前に花や菓子が供えられるという奇妙な出来事から物語は始まり、やがて彼女自身が「神様」なる存在に輿入れさせられる──つまり自らが“供え物”であったという構図が暗示される。これは単なるホラー的仕掛けでなく、日常と非日常の連続性を保ったまま読者を不可視の恐怖へと導いていく、極めて純文学的な手法だといえるだろう。
     では、作中で「神様」と呼ばれる存在は何を指しているのだろうか。具体的な姿も語りも持たないがゆえに多様な解釈が許されるが、もっとも明快な読みの一つは「神=家

    0
    2025年05月10日
  • 変愛小説集 日本作家編

    Posted by ブクログ

    岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
    「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
    その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得

    0
    2024年11月13日
  • 変愛小説集 日本作家編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    12編のアンソロジー。
    どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
    その中でも特に好みだった2つについて書きたい。

    『藁の夫』
    2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。

    『逆毛のトメ』
    シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚か

    0
    2022年04月21日
  • お供え

    Posted by ブクログ

    二ヶ月くらいかけてぼちぼち読み終えた 昭和50年代くらいの日本の田舎の空気がことこまかく描写されていて、その中で少しずつ違和感が増殖してゆくような作品群 ホラーではないが、悪夢的な世界 個人的には「海梯」が良かった なんともない落書きが増殖するかのようにふえてゆくのがよい

    0
    2020年07月21日

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