イェール大学リトルヒストリーシリーズは、哲学史、経済学史ともに良書だった。
そしてこのアメリカ史。
これまでの2冊がややカタログ的な作りだったのに対してこのアメリカ史は物語性を前面に打ち出している。
1492年、アメリカ大陸への上陸を端緒として物語が始まるわけだが、
それはアメリカ大陸自体の物語と
...続きを読むしてはほんの最近の出来事にすぎないという前置きがなされる。
ネイティブアメリカンへの配慮、というのももちろんあるだろうが、それ以上に偉大なる歴史への敬意が感じられる。
独立し、奴隷解放宣言がなされ、大陸を横断し
都市が縦に、そして横に広がり、2度の大戦を経て超大国へ…という成長の物語と
ヨーロッパからの独立、奴隷の解放、差別、黒人・女性たちの勇気…という自由への闘いの物語。
いまなお続くこの超大国の物語だが、歴史から浮かび上がってくる自由と平等への渇望は凄まじいものがある。
今後、この超大国はどうなっていくのだろうか。