作品一覧

  • トラッシュ
    4.0
    1巻770円 (税込)
    いじめ、差別、虚無感、愛されない苦しみ、親との確執……それぞれの理由で集団自殺を試みた6人の若者達。しかし、闇サイトで入手した薬が偽物で、全員生き延びてしまう。「一遍死んだんやから、もう怖いものはない」。自分たちを死の淵に追い込んだ「加害者」に対し、6人は犯罪も辞さない世直し活動を始める。ドラッグ売人狩り、差別団体へのテロ、そして首相暗殺。その過激な行為で世間の賞賛と非難を浴びながら、6人の活動はエスカレートしていき……誰が本当の屑(トラッシュ)なのか。小説すばる新人賞受賞後第一作。雑誌連載時から賛否を巻き起こした問題作。文庫化にあたり結末を大幅に修正した完全版!
  • 路、爆ぜる
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    【小説すばる新人賞出身の気鋭が放つ、令和版ハードボイルド!】 【深町秋生さん(ミステリ作家) 推薦!】 瑞々しく、怖い小説だ。 無垢な少年を情と恐怖で絡め取る半グレ集団は生々しく、 青春を呑みこむ闇の深さに戦慄した。 【杉江松恋さん(書評家) 推薦!】 裏切られ、泥を舐めた者だけが知る、本当の優しさが描かれた小説だ。 高校3年生の椎名和彦は、バイト漬けの日々を送っていた。 鬱屈した状況から逃げ出すように、同じく暗い境遇にある中高生たちが集まる大阪・道頓堀の“グリ下”で過ごす時間が長くなっていく。 そこで出会った半グレ集団「顔役」の溜まり場に顔を出すようになり、やがて大麻入り錠剤をグリ下で売り捌くように・・・・・・。 ミナミ(難波周辺)を拠点とする「顔役」は、敵対するキタ(梅田周辺)の半グレ集団らと、ことあるごとに衝突を繰り返していた。 闇深きアンダーグラウンドな世界に否応なく巻き込まれるグリ下メンバーたち・・・・・・ 令和大阪の路上(ストリート)を活写したハードボイルド×青春群像劇! 【著者略歴】 増島拓哉 (ますじま・たくや) 1999年大阪府生まれ。関西学院大学在学中の2018年に『闇夜の底で踊れ』で第31回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『トラッシュ』がある。
  • 闇夜の底で踊れ
    3.9
    1巻759円 (税込)
    【第31回小説すばる新人賞受賞作】35歳、無職、パチンコ依存症の伊達。ある日、大勝ちした勢いで訪れたソープランドで出会った詩織に恋心を抱き、入れ込むようになる。やがて所持金が底をつき、闇金業者から借りた金を踏み倒して襲撃を受ける伊達だったが、その窮地を救ったのはかつての兄貴分、関川組の山本だった。その後、山本との奇妙な共生生活を続けながら、詩織に一層のめり込んでいく伊達。一方、関川組の組長引退をきっかけにした内紛が抗争へと発展し、関川組周辺にきな臭い空気が立ち込める。伊達の秘められた過去、そして山本が伊達の前に現れた本当の理由が明かされるとき、事態は思いもよらぬ方向へと転がり進んでゆく――。19歳でデビューした、新進気鋭の作家が放つ大阪ノワール。

ユーザーレビュー

  • 路、爆ぜる

    Posted by ブクログ

    デビュー作も大変に驚き感心したけど、さらにブラッシュアップされていて、ノンストップで一気読み。展開の切れ間での説明不足に感じられる箇所はあるけど、短い期間に詰め込まれた熱く濃密な青春の一片が窺えてこちらも熱くなる。次作にも期待します。

    0
    2025年05月14日
  • 闇夜の底で踊れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分より年下の方がこの作品を執筆したことに驚きを禁じ得なかった。関西弁で書かれた文章は非常に読みやすく、スムーズに引き込まれた。巧妙に仕込まれた伏線が適切に回収されていく様子に、作品全体の緻密さと作者の手腕を感じた。

    0
    2025年02月20日
  • 闇夜の底で踊れ

    Posted by ブクログ

    小説すばる新人賞受賞作。
    おもしろかったー!

    パチンコ依存症で風俗にハマるダメ人間風な主人公、伊達くんに、過去が判明していくにつれて惹かれていく。
    そして、笑いのセンスが抜群。緊迫感ある状況なのにシュールなボケをかます伊達。それがたまにじゃなく、ほぼずっと。作者すごいわ。

    極道のやりとりにヒリヒリする。こういうのリアルに書けるのって、どうやって知識得てるんだろう。リアルかどうかもわらんないけど、とにかく臨場感はすごい。

    最も影響をうけた作家が大沢在昌というのもうなづける。

    0
    2025年11月24日
  • トラッシュ

    Posted by ブクログ

    相変わらず、イイ。
    足を洗ったはずのヤクザ界にひょんなことから引きずり戻されていく中年男を描いた前作に比べて、今回は若い男女6人組が主人公。しかもそのどれも、「トラッシュ」。まさに、クズ。
    やることなすことがぶっ飛んでいて、自分のことしか考えていない。でも、様々に傷ついた過去がある(ないものもいるが)若者が、わざと判断力を鈍らせて自ら退廃の道を駆け抜けてゆく様は、かっこよくもあった。ハードボイルドさを感じた。
    華々しく逝った仲間を見て、「人生は全部、死の瞬間のためにある。生は所詮、死を彩るための準備段階に過ぎひんのかも」と言うシーン(171p)。これは正直、グッときた。だから何をしてもいいとい

    0
    2025年04月07日
  • 闇夜の底で踊れ

    Posted by ブクログ

    第31回小説すばる新人賞受賞作。大阪を舞台に、ギャンブルと風俗に溺れる元暴力団員の主人公が「アニキ」である若頭、山本と再会する物語。主人公が暴力団を辞めるきっかけになった事件の真相は最後に明かされるが、すっかりその謎を忘れて読んでいた。だってテンポの良い関西弁の応酬があまりにも小気味いい。反社、「底」にいるが故の皮肉がこめられた持論のぶつけ合いがテーマならでは。

    0
    2025年03月03日

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