笠原十九司の作品一覧
「笠原十九司」の「憲法九条論争」「増補 南京事件論争史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「笠原十九司」の「憲法九条論争」「増補 南京事件論争史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
南京事件での新版では、海軍の役割が新たに付け加わっていた。それは南京に陸軍が包囲する前に、海軍が爆撃をしたことと、南京占領時にアメリカの領事館代わりであったアメリカの船を攻撃したことであった。
時間が切羽詰まって行われる占領式典のために、民間に入った兵士を必死で探して殺すということが行われていたことも具体例に基づいての記載がある。
強姦の例だけではく、1日1000人もの強姦の数の報告もある。
また、南京大虐殺を報道したジャーナリストが共産党員であったから、殺した人数を大幅に水増ししたというような意見を掲載して南京虐殺はなかったという記載をしている本もある。しかし、虐殺を目撃したのは、ジャーナリストだけではなく、アメリカ人の領事やドイツの領事も南京事件を本国に連絡していて、そこから世界中で大問題になり、松井石根司令官が更迭された事実が示されている。
アウシュビッツと同様に南京虐殺の場所についても世界中の人が訪問しているのであろうか?
Posted by ブクログ
本書の旧版を出版して28年になるが、戦後80年を迎えるにあたり、新たに加筆をほどこし新版として岩波新書より出版された。著者は中国近現代史の研究者であり、関連書籍も多数出版しているが、南京大虐殺について歴史的経過を踏まえて、その期間、規模などを含め、被害者数についても詳細にあぶり出す。また、歴史修正主義者による欺瞞の論破も読みどころとなっている。1937年7月7日の盧溝橋事件から1937年8月15日以降の第2次上海事変、海軍航空隊による南京などの戦略爆撃、南京近郊の農村からはじまった虐殺と蛮行は、1937年12月13日の南京陥落以後も中国の首都を陥落させた歓喜、支配者としての軍の蛮行は筆舌に尽くしがたい。食料などの略奪、虐殺、放火はもとより、女性に対する強姦・輪姦と虐殺が顕著であったと著者は指摘する。中国人被害者の人数についても詳らかに考察するが、この間の国際的研究成果と同様に20~30万人が犠牲になったとする。歴史修正主義者は被害者数を少なく見積もることで論点のすり替えを行うが、本書を読めば記録、日記、兵士や中国生存者のエゴドキュメントから被害の悲惨さが明確となる。今現在でも、世界の各地で戦争や紛争により、非戦闘員である住民が犠牲を強いられている。なんとしても非戦を貫き、話し合いと国際協調で世界の平和を願う。願うが故に過去の歴史の事実に目を向け、自虐史観から自省史観の立場に立つことこそ重要だと考える。
Posted by ブクログ
とても読みやすく、わかりやすく、勉強になる。
南京事件は陸軍参謀本部の想定外で中支那方面軍の独断で始まった作戦だったこと、上海での長い戦闘を戦った師団がそのまま転戦を命じられるなどしたこと、それゆえ疲弊し軍規が乱れていたこと、補給の後方部隊がなかったため進軍しながら略奪しなければ食べるものが確保できなかったこと、日本側司令官の松井石根は非主流派おいぼれ爺さんで功を急いでいたこと、中国側司令官も非主流派、かつ逃げる際に残る中国軍に絶対防衛を言い渡していたために、城内から逃げようとする中国兵が味方に撃たれまくったこと、国民の戦意を煽りたいマスコミが南京陥落前に「皇軍が南京入城」などと大誤報を打ったせいで日本軍は余計に焦って無茶苦茶な殺戮をしたこと、入城以降も実際はいない「便衣兵」を探して少しでも疑わしければ殺戮をしたこと、そもそも例え本当の便衣兵だったとしても国際法上は裁判で確定してからでないと処刑できないこと、松井石根らは南京が陥落すれば中国に勝てると思い込みそれをこの作戦の大義名分としたが、実際は目論見が外れて政府が重慶に移っただけで戦争は全く終わらず続いていったこと……。
とりあえず印象に残った事実を思いつくまま書いてみたが、これだけでも本書の収穫の多さがわかる。
きちんと資料の裏付けも示されていて、かなり勉強になった。
そして、南京に住んだことのある私からすれば日本軍が入場するどの門も馴染みがあり、城内から逃げ出した人々が長江を越えようとする埠頭ももちろん鮮明に記憶しており、いちいち当時の写真を見返しながら「ここでこんなことがあったのね…」と読んでいたのでなかなか進まなかった。
こんなことを乗り越えて美しい街に戻ってくれた南京に感謝したいし、本当にあの素敵な素敵な街が懐かしくて身悶えしていた。