笠原十九司のレビュー一覧

  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    南京事件での新版では、海軍の役割が新たに付け加わっていた。それは南京に陸軍が包囲する前に、海軍が爆撃をしたことと、南京占領時にアメリカの領事館代わりであったアメリカの船を攻撃したことであった。
     時間が切羽詰まって行われる占領式典のために、民間に入った兵士を必死で探して殺すということが行われていたことも具体例に基づいての記載がある。
     強姦の例だけではく、1日1000人もの強姦の数の報告もある。
     また、南京大虐殺を報道したジャーナリストが共産党員であったから、殺した人数を大幅に水増ししたというような意見を掲載して南京虐殺はなかったという記載をしている本もある。しかし、虐殺を目撃したのは、ジャ

    0
    2025年11月15日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    広大な国に対して一部を叩けば短期で勝利できるという愚かさ、維持する能力もないのに国境を拡大しようとする愚かさ、国民の運命と自分の野心の区別もできない愚かさに支えられた鬼畜的行為が明瞭に説明されている。そして日本は戦後その事実に向き合わず、今では事実を否定する愚かさを露呈し、それを先導するのが政権与党という状態である。数々の書籍で言われている通り、事実に向き合い責任を果たさなければならない。

    0
    2025年11月14日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

     本書の旧版を出版して28年になるが、戦後80年を迎えるにあたり、新たに加筆をほどこし新版として岩波新書より出版された。著者は中国近現代史の研究者であり、関連書籍も多数出版しているが、南京大虐殺について歴史的経過を踏まえて、その期間、規模などを含め、被害者数についても詳細にあぶり出す。また、歴史修正主義者による欺瞞の論破も読みどころとなっている。1937年7月7日の盧溝橋事件から1937年8月15日以降の第2次上海事変、海軍航空隊による南京などの戦略爆撃、南京近郊の農村からはじまった虐殺と蛮行は、1937年12月13日の南京陥落以後も中国の首都を陥落させた歓喜、支配者としての軍の蛮行は筆舌に尽

    0
    2025年10月13日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    とても読みやすく、わかりやすく、勉強になる。

    南京事件は陸軍参謀本部の想定外で中支那方面軍の独断で始まった作戦だったこと、上海での長い戦闘を戦った師団がそのまま転戦を命じられるなどしたこと、それゆえ疲弊し軍規が乱れていたこと、補給の後方部隊がなかったため進軍しながら略奪しなければ食べるものが確保できなかったこと、日本側司令官の松井石根は非主流派おいぼれ爺さんで功を急いでいたこと、中国側司令官も非主流派、かつ逃げる際に残る中国軍に絶対防衛を言い渡していたために、城内から逃げようとする中国兵が味方に撃たれまくったこと、国民の戦意を煽りたいマスコミが南京陥落前に「皇軍が南京入城」などと大誤報を打っ

    0
    2025年09月23日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    学生時代だっただろうか、ちょうど水道橋にて南京大虐殺に関する写真展を開催していたので、実際に起きたかどうかで今も揺れているこの事件について触れる機会を初めて得た。たぶん本書でも名前の出てくる村瀬守保さんによる展覧会だったと思う。そこに記録された凄惨な写真や、撮影者が現地民から得た衝撃的な証言の数々を目の当たりにし、私自身本当にこんな恐ろしいことが起こったのかと疑問を感じずにはおれなかった。しかし、日中戦争に関する資料の多くや、本書『南京事件』を読んでみて、この人間の所業とは思えぬ残虐行為の数々が、実際に我々の先祖によって行われたのだなと確信するに至った。

    日清戦争、日露戦争と勝ち進んできた日

    0
    2025年09月15日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    膨大な資料をもとに書き上げられた、南京事件の背景から虐殺の手口、一切軍紀を守らない日本軍、おぞましい強姦、ここまでの資料があって、「南京事件はなかった」などとヘラヘラ言えるはずがない。
    南京事件の実在が確証でき、もう読み進めるのが苦しくてたまらなかった。目を塞いでしまいたくなる気持ちもあったが、なんとか最後まで読み切りました。
    最後の章で、なぜ「南京の人口は20万人」などというデマが市民権を得ているのかも分かりました。当時、複数のデータが南京には100とか150万近い人口があったと示している。(周辺地域のどこまでを含めるかとか、ちょっとややこしい)
    自民党が国会の中で汚い手を使い、安倍政権の元

    0
    2025年08月28日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    膨大な資料を元に南京事件の全体像を客観的に書いた歴史書ですが、あまりの惨たらしさに心が真っ暗になります。具体的な殺戮、暴行内容は恐ろしくてここには書けませんが、日本陸海軍の普通の兵士がここまで残虐な悪魔になっていたとは信じられない思いです。ですが事実です。証拠は数多くあります。殺害した人数も驚愕ですが、その方法や状況、笑いながら等、殺人者の心理もおよそ人間の仕業とは思えません。これだけの悪行の事実に目を背け、被害者たちにしらを切り続ける自民党日本政府とは一体何なのでしょう。日本人であることが恥ずかしく、中国や諸外国の方々に怖くて会えません。おそらく南京以外でも同じ犯罪を犯していたのではないかと

    0
    2025年08月14日
  • 増補 南京事件論争史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1937年12月13日の前後の起きた南京事件は、国際的に、国内でも、また防衛省のホームページにおいても、明白な事実としているにもかかわらず、否定派、もしくは歴史修正主義者によって、不毛で熾烈な論争が繰り広げられてきた。否定派の論拠、問題点とトリックを衝き、論争を生む日本人の歴史認識を鋭く問う。本書では、歴史的経緯を丹念にたどることで、累計20万人以上が虐殺されとされ、捕虜や住民などの非戦闘員等に対して、戦時国際法を無視し、虐殺、強奪、強姦、破壊等が常態化し、国際問題まで発展した史実を縦横に検証する。この、南京事件否定派、歴史修正主義者の陰に、安部元総理大臣なども名を連ねる日本国民会議を中心とす

    0
    2021年03月13日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    南京事件はあったのか?という視点で、考えたとき、さまざまの資料や報道や発言を精査しなければ、どちらとも断ずることが難しいかもしれない。多くの本が出ているけど、その全部に目を通すなんて無理だ。すくなくともわたしには。
    本書にも、否定派の本にも、どちらにも何らかの落ち度やミスがあるかもしれないし、「資料や推定の正確さ」など、わたしのように歴史に疎い無知蒙昧の愚民にとっては、判断できないことが多すぎる。当人の政治的思想が絡んできたら、なおさら大変である。

    しかし、ひとまず日本は、その犠牲者数に諸説あるとしながらも、南京事件自体はあったと認めている。(本書はこのあたりのこともちゃんと書いている)

    0
    2025年12月20日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    ただひたすら惨い、過去の日本軍の一大汚点。中国で南京事件を取り上げた映画が公開されて、日本人の多くが、また中国が反日感情を煽ってるよと思ってる可能性があるが、そういう次元の話じゃない。
    被害国は絶対に忘れないだろうし、原爆の話ばかりで加害者側の話は日本の歴史の授業でほとんど触れられないけれども、日本側も汚点をきちんと理解・反省した上で対話しなければならない。

    0
    2025年11月24日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    南京事件をもっとも進めた張本人は、天皇裕仁そのものである。我が国が敗戦国となったのは、裕仁に大きな責任があり、それを今からでも問わなければならないかと。

    0
    2025年09月26日
  • 南京事件 新版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あまりに、凄惨でひどすぎる。日本人は、兵隊になったら、殺人と強姦好きになるのか?もし、兵隊になったら、当時兵隊だったらと思うとゾッとする。
     何万という女性が強姦されたこと。十六歳と十四歳の姉妹、三人くらいの日本兵に輪姦され、虐殺され、一人の女性は局部棒切れを押し込まれていた。一歳の子は、刀で頭を二つに切り裂かれていた。
     虐殺・強姦した兵士の顔が見えない。帰国できた兵士はどんな生活をしてきたのか?彼らは、靖國に集うのだろうか?
     これだけの資料があるのに、南京事件をなかったものにしたい人たち。強姦を繰り返す日本兵。これが皇軍、日本の大和魂、英霊の真実。日本兵の真実をなかった事にしたいから、認

    0
    2025年08月29日
  • 増補 南京事件論争史

    Posted by ブクログ

    読んでも読んでも、真相はよく分からず。
    ただ、南京で仲良くなった中国人は良い人ばかりだった。

    岡村寧次はじめ、軍の上層部が事件を認めているという点について、否定派は言い逃れできないだろう。

    0
    2021年10月22日