作品一覧

  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ
    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    厳重に「保護」された滅菌室にしか存在しないカエル、軍に囲まれて暮らすキタシロサイ、絶滅させた人間によってDNAから「復元」されつつあるリョコウバト……。人が介入すればするほど、「自然」から遠ざかっていく、自然保護と種の再生テクノロジーの矛盾を、コロンビア大学が生んだ気鋭のジャーナリストが暴く。
  • 森を焼く人――自然と人間をつなぎ直す「再生の火」を探して
    -
    1巻2,970円 (税込)
    なぜ山火事はここまで巨大化したのか? その答えは、気候変動だけではなかった──。 『絶滅できない動物たち』で絶賛されたジャーナリストが、 破滅的災害の最前線で自ら消火/火入れに参加し、取材。 「文化的火入れ」を守ってきた先住民、 火で炎を制する森林火災消防士、 「火災生態系」に連なる研究者たちとともに、 忘れ去られた「森と火と人」の関係性を解き明かす。 “人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、 人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。

ユーザーレビュー

  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

    Posted by ブクログ

    「絶滅を防ぐことは良いこと」と思っていた自分の考え方を広げてくれた一冊。
    インパクトでいえば今年読んだ本の中では一番かもしれない。
    まずタイトルにやられた。なんてキャッチーなタイトル。
    本書に出てくるのは絶滅「できない」というよりは「させてもらえない」動物たちだなと思った。
    仮に動物たちと意志を通わせることができたとして、人間が行っている取り組みに対して、何を感じているのかと思いを馳せた。
    人類が地球環境に与えている影響の大きさを知ることができた。
    しかし、それすらも地球にとっては些細なことなのかもしれないなとも思った。
    そもそも人類が生態系に干渉すること自体がおこがましいのでは?とすら思った

    0
    2021年12月12日
  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

    Posted by ブクログ

    種の絶滅とはなんぞや、種の保護とはなんぞや、自然保護とはなんぞや。環境保護と貧困対策の優先順位はどうあるべきか。DNAさえ保管すれば良いのか、種の遺伝的多様性を維持するために、やっていいことと悪いことの線引きはどこにあるべきか。どこまでが保護すべき遺伝的グループだと言えるのか?etc.etc.

    人類の支配を企む人や組織は、これらの問いへの答えを用意しなければならないのか、大変だなw

    0
    2021年01月01日
  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

    Posted by ブクログ

    絶滅という局面に立つ生物たちを取り上げ、それに対する人間の行動を取り上げ、同時に保全というものや種、自然というものに対する思想を取り上げた本である。色んな事例や考え、行動に触れるたび、今まで自分があっさりと蚊帳の外で考えていた「生物や自然には価値があるから守らなければならない」という思想がいかに浅はかなものであったかを痛感させられ、深く考えるきっかけになる。この本をあまり良くないという口コミもあったが、個人的には非常に満足し、とても考えさせられ、勉強になった。ただ悲劇的なことばかり書いていると思ったら大間違いで、これは思想のための本であった。「絶滅するのは悪いこと」とそれこそ純粋に信じていて、

    0
    2020年08月19日
  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

    Posted by ブクログ

    この本を読むまで、「絶滅」から動物・植物を救い出すことは、漠然と良いものと考えてきましたが、どうも単純な話ではないようです。

    「動物を絶滅から防ぐことは本当に正しいこと?」

    この本の著者も、そんな疑問から始まったそうです。

    本に出てくる、カエルを守るための厳重な警備、種の保存のためのサンプルの冷凍保存、DNA組み換え技術…。

    多くの実例は、さまざまなことを教えてくれます。

    もちろん、絶滅危惧種を救い出すプロジェクトを今も懸命にされている方を、否定するつもりはありません。

    むしろ、漠然と正しいと思い込み、ろくに知りもしなかった、その世界を覗こうともしなかったことを反省。

    絶滅危惧種

    0
    2020年08月06日
  • 絶滅できない動物たち―――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

    Posted by ブクログ

    生物の絶滅に対して、一概に否定はできないという立場から書かれた、非常に興味深い書物。たった一匹のカエルのために世界銀行からの融資による発電所の建設計画が中止になった政治がらみのエピソードや、リョコウバトの生息数の増減に入植者が関係していたという説などが取り上げられ、絶滅=悪という図式を積極的に突き崩していく著者の姿勢には好感が持てる。なお、著者はYouTubeのインタビューにて、GPSに関連した人間の行動や心理に関係する書物の出版を検討しているらしく、こちらも邦訳が待たれる。

    0
    2020年07月21日

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