作品一覧

  • タイタンの妖女

    タイタンの妖女

    小説・文芸

    4.1
    1巻1,430円 (税込)
    時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだった。富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末と、人類の究極の運命とは? 巨匠がシニカルかつユーモラスに描いた感動作。
  • スローターハウス5

    スローターハウス5

    小説・文芸

    4.1
    1巻1,210円 (税込)
    主人公ビリーが経験する、けいれん的時間旅行! ドレスデン一九四五年、トラルファマドール星動物園、ニューヨーク一九五五年、ニュー・シカゴ一九七六年……断片的人生を発作的に繰り返しつつ明らかにされる歴史のアイロニー。鬼才がSFの持つ特色をあますところなく使って、活写する不条理な世界の鳥瞰図!
  • チャンピオンたちの朝食

    チャンピオンたちの朝食

    小説・文芸

    3.8
    1巻770円 (税込)
    不遇の生活を送るSF作家キルゴア・トラウトのもとに、ある日アート・フェスティバルの招待状が届いた。開催地はミッドランド・シティ。その地でトラウトは人生の一大転機をむかえることに……著者自筆の自由奔放なイラストがちりばめられ、絵と文章が一体となって不思議な魅力をもたらす、涙と笑いの傑作長篇
  • 母なる夜

    母なる夜

    小説・文芸

    4.5
    1巻660円 (税込)
    第二次大戦中、ヒトラーの対米宣伝に携わった劇作家ハワード・キャンベルの真意とはなにか?   第二次大戦中、ヒトラーの擁護者として対米宣伝に携わった劇作家ハワード・W・キャンベル・ジュニア--はたして彼は、本当にアメリカの裏切り者だったのか? 鬼才ヴォネガットがたくまざるユーモアとシニカルなアイロニーに満ちたまなざしで、自伝の名を借りて描く、時代の趨勢に弄ばれた一人の知識人の内なる肖像。
  • プレイヤー・ピアノ

    プレイヤー・ピアノ

    小説・文芸

    4.1
    1巻770円 (税込)
    あらかじめプログラムされた音をくりかえし送りだす自動機械のプレイヤー・ピアノさながらに、すべての生産手段が自動化され、すべての人間の運命がパンチ・カードによって決定される世界・・・・・・アメリカ文学の巨匠が、優しさに満ち、かつ醒めた視線で現代文明の行方をブラックな笑いのうちにつづった傑作処女長篇。
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

    ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

    小説・文芸

    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    聞きたまえ! 億万長者にして浮浪者、財団総裁にしてユートピア夢想家、慈善事業家にしてアル中である、エリオット・ローズウォーター氏の愚かしくも美しい魂の声を。隣人愛に憑かれた一人の大富豪があなたに贈る、暖かくもほろ苦い愛のメッセージ……現代最高の寓話作家が描く、黒い笑いに満ちた感動の名作!

ユーザーレビュー

  • スローターハウス5

    Posted by ブクログ

    とある出来事により時間的連続性を失ったおっさんの体験が綴られる。
    つまりはシャッフルされたおっさんの一生をバラバラに読まされる本(第二次世界大戦もあるよ!)。
    こんな建て付けなのに異常に読みやすく、伝えたいテーマがはっきりしている。親族が死んだら読み直そうと思う。

    0
    2026年10月04日
  • スローターハウス5

    Posted by ブクログ

    私が必要としていた言葉がたくさん見つかった。
    今この瞬間も起きている愚かで不条理で納得のいかないことと、愛おしくて満ち足りた日々の一瞬一瞬を、どう共存させたらよいのか。どう考えれば納得いくのか。それは妥協のようにも聞こえるけれど、戦争体験者がもがき苦しみたどり着いた真理だと思う。決して諦めではなく、この瞬間を生きることに集中するということ。

    「美しい瞬間をながめながら、われわれは永遠をついやす」

    素晴らしい作品で、私のベスト10に入りました。
    もう一度読もう、原書も読もう。

    日本に生まれ育った自分としては、ドレスデン爆撃を広島の原爆と比較して語られることにモヤっとするけれど、伊藤典夫さんの後書きでそれはのみこめた。死者数ではなく、そこにあった一人一人の美しい瞬間に目を向けることを忘れないようにしたい。

    0
    2026年09月06日
  • タイタンの妖女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なぜ自分はこの行動をするのだろう?生きる目的はなんだろう?
    過去現在未来が同時に存在しているのなら、どこからが自分の意思なのかなんてわからなくなってしまう。
    単時点的な視点しか持てない私たちにとって、大局的な視点を持つことは難しい。未来を見ることはできないし、過去を忘れたりもする。何が何だかわからないまま、生きていくしかないのだろうか?
    これまでに自分がした善い事はなんだろうか?これからは何を信じて生きていくのだろうか?
    様々なことを思い巡らせる小説。太田光のあとがきが素晴らしい!

    0
    2026年08月11日
  • 母なる夜

    Posted by ブクログ

    一人称で書かれているのに一歩引いて見ているような、飄々としてユーモラスな文章。軽やかに書かれていてストーリーもおもしろいのですいすい読み進められるけど、内容は重い。本当の自分とは何か、悪とは何か。いろいろ考えさせられて、読み返したくなってくるし、ヴォネガットのほかの作品も読みたいと思った。

    0
    2026年07月13日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりに読むヴォネガット。
    だんだんどういう話か分かってきて、後半になるにつれおもしろくなっていく。

    ざっくりいうと、「アメリカの超金持ちが、金関係なく他者を愛そうと試みる話」。コメディだけど、すごく悲しみも感じる物語だ。


    主人公のエリオット・ローズウォーターは、ローズウォーター一族の資産を管理する財団の代表に就任し、とても使いきれないほどの大金を手にする。彼が何もしなくても金は増えていく。
    戦争を経験したエリオットは、ある出来事をきっかけに「キじるし」になってしまったといわれている。敵兵たちが潜んでいる工場を見つけ、先頭を切って手榴弾を投げ込み、煙の中で数人を仕留めた。しかしそれは、ただの民間人だった。消防団が使っている施設だったのだ。

    あるときエリオットは、SF作家たちの会合に乱入し、一説宣う。君たちこそが良心だ、こんなくだらないことを考え続けているんだから。
    そして、そこにキルゴア・トラウトの姿がないことを残念がる。トラウトは、ヴォネガット作品に頻出する架空のSF作家である。どうもこの作品が初出らしい。本作内でトラウトの小説のタイトルとあらすじが複数紹介されることになるが、そのどれもが、ナンセンスで珍妙なディストピアSFだ。

    エリオットは、自分の故郷であるローズウォーター群引越し、自分の事務所を開き、さらに消防団に入る。そこで電話を引き、地域の人々の相談に乗るのだ。もちろん消防団員としての活動もこなす。そして町の役立たずたちのどうしようもない話に耳を傾け、時に金を渡し、彼らの力となる。あるとき、ひとりの男が電話をかけてきた。彼は、金がなく、幸せなことも何もなく、人生に絶望しており、エリオットに罵声を浴びせる。エリオットは「1万ドルくれと言ってみろ」と言い、男がそのようにいうと、「くたばれ。1000ドルくれと言ってみろ」、男がそのようにいうと、「くたばれ、100ドルくれと言ってみろ」。さらに男がそのようにいうと、「やっとまともになってきたな。うちに来ないか?話をしよう」。

    エリオットというのは、こういう感じだ。金も使うが、すべてを金で解決しようと思っていない。ただ、話を聞いてやることこそが必要と感じているのだ。

    エリオットの父親や、財団の顧問弁護士たちは、エリオットの行いは気が狂った無意味で馬鹿げたものだと断ずる。何も労せず手に入れた使いきれないほどの大金があるなら、それに罪悪感を感じて困っている人のために使うのではなく、ただその幸運を喜ぶべきだと。

    ローズウォーター財団のトップに就任するのは、ローズウォーターの血を引くものたちだ。そして、その者が狂人でないことが条件であると、明記されている。
    財団の顧問弁護士を務める会社の、ムシャリという若い男が、そこに目をつけた。エリオットが狂人であることを立証し、ローズウォーターの遠縁の子男に相続させ、そのかすりを得ようと。

    いずれエリオットが亡くなった際に、次にトップに就任する者に宛てて、エリオットは文章をしたためていた。ムシャリがそれを覗き見るのだが、その文章が泣ける。ローズウォーター一族がどのような歴史を経て大金持ちの一族となり、それを私が受け取り、そしてどれほどの夢想家であるかをユーモアたっぷりに書いているものだ。
    その文章は、この一文で締めくくられる。

    "親切であれ。芸術と科学は無視してもいい。どちらもだれのためにもならないからだ。それより、貧しい人びとの真剣で親身な友人になりたまえ。"

    0
    2026年05月02日

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