作品一覧

  • 現代語訳 十牛図
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    1巻1,400円 (税込)
    十牛図とは十枚の牛の絵であるが、失われた牛(真の自己)を探し求めて旅し、故郷に連れ帰る絵物語。真の自己にいたる禅の悟りのプロセスが、十枚の牛の絵と漢文で描かれている。鈴木大拙が欧米に紹介、いまも世界で読まれる〈禅の悟りのガイドブック〉のわかりやすい新訳。本書は、中国宋の廓庵師遠禅師『十牛図』の全文を古典翻訳家がわかりやすく現代語訳し、禅僧が監修、十のプロセスの人生における意味を丁寧に解説した。十牛の絵をカラーで掲載した永久保存版(※なお本書は2014年4月に能文社から電子書籍版で発行された現代語訳『十牛図』を大幅に加筆修正、解説を加えたものである)。「家族と会社の間で疲れ、どこまで学び続けるのかと迷い、小さな人生観を次々入れ替えやりくりする現代人には、『十牛図』こそ、必携のバイブルになるに違いない」(玄侑宗久)
  • 現代語訳 歎異抄
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    1巻1,300円 (税込)
    『歎異抄』は、浄土真宗を開いた親鸞の教えを、弟子の唯円がまとめたとされている。宗教書の古典としてあまりにも有名だが、「悪人正機」の説の他にも、「たとえ法然聖人に騙されており、念仏のせいで地獄に堕ちたとしても悔いはない」など、誤解を恐れぬ、激しい信仰の言葉に満ちた名文である。永らく封印されていたが、明治以後に公開されると、吉川英治、司馬遼太郎、三木清、吉本隆明、海原猛など、多くの作家や哲学者に評価された。とりわけ、西田幾太郎は第二次大戦末期、「一切の書物が消失しても、臨済録と歎異抄があれば我慢できる」と言い、ハイデガーは「もし十年前にこんな素晴らしい聖者が東洋にあったことを知ったなら、私はギリシャ語やラテン語も勉強しなかった。日本語を学び、親鸞の教えを聞いて世界中に広めることを生き甲斐にしたであろう」と言ったという。わかりやすい現代語訳、大きな活字で読みやすい原典、作品の解説で構成した。
  • 現代語訳 風姿花伝
    4.4
    1巻1,200円 (税込)
    『風姿花伝』は能の大成者・世阿弥が著した、日本最古の能楽論である。『花伝書』の名称でも知られる本書は、「花」と「幽玄」をキーワードに、日本人にとっての美を深く探求。体系立った理論、美しく含蓄のある言葉、彫琢された名文で構成される、世界にも稀な芸術家自身による汎芸術論である。原文の香気が失われぬよう、かつ自然な現代語としてスラスラと読めるよう、工夫を凝らした現代語・新訳として提供する。七歳から年代順に具体的な稽古要領を記した「年来稽古條々」、物真似の本質を把握し表現する「物学條々」、Q&A形式の「問答條々」。そして、「花」の本質を説いた「別紙口伝」。章立て・語り口はあくまで明快、シンプルである。大陸伝来の文化から袂を分かち、日本人自ら育て、咲かせた最初の美しい「花」――。風姿花伝は700年を経た今日でも、広く表現に携わる方々はもちろん、人生訓としても読める懐の深い名著である。
  • 強く生きる極意 五輪書
    4.0
    1巻999円 (税込)
    本書は、剣聖・宮本武蔵の代表的著作「五輪書」を、現代の読者でもすらすら読めるよう、かつ原文の息づかいを損なわないよう、工夫を凝らした現代語訳である。原著者・宮本武蔵は、生涯、六十数度に及ぶ真剣勝負に一度として敗れなかった。その「不敗の哲学」を後世に伝える本書は、いかにして場を支配し、敵を支配し、己を支配するかを説く兵法実践の書である。強さ、弱さ、ためらい、含みなど人間心理を隅まで見透かし、100%の確率で勝利を得ることをめざす。そのため欧米の企業経営者にも、「不敗のルールブック」として広く支持・愛読されているという。武蔵の言葉は、粗野に感じるほど飾り気がなく、徹頭徹尾論理的でクールだ。そして、勝つことの目的、生きることの意義とは何かを、時代を越えてわれわれに問いかけてくる。現代日本人が再読すべき、不朽の名著である。

ユーザーレビュー

  • 現代語訳 風姿花伝

    Posted by ブクログ

    室町時代に世阿弥が記した、一流派相伝の能の理論書。長らく秘伝書だったので、誰でも読めるようになってから100年ほどしか経っていないのだとか。

    タイトルと題材でなんとなく抱いていた雅なイメージのまま読み進めると、能の美しさについてだけでなく、意外にも戦略的な「見せ方」の部分にもかなりしっかりと言及していて、ビジネス書のような一面もあって興味深かった。

    芸事をやっている人に限らず、セルフプロデュースを学びたい人におすすめの一冊です。

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    2025年10月22日
  • 現代語訳 風姿花伝

    Posted by ブクログ

    前に岩波の風姿花伝を読んだときは何言ってるか分からなすぎてコメント書けなかったが、本書でようやく。上手は下手の手本、下手は上手の手本…謙虚にストイックに上達を目指し続ける、人生を通した芸事への向き合い方の指南書。古典的名著だけに、現代においても何にでも当てはまる。現代との差分かなと思ったのは、インターネットの普及や移動手段の発展などで単時間辺りにアクセスできる情報量や経験の多様性が爆増したので、外部環境の変化に対して思考するシチュエーションが増えたことか。それだけにこういう東洋的な内省思考する時間が相対的に減っているのから、現代人に改めて刺さるのかも。

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    2024年05月07日
  • 現代語訳 風姿花伝

    Posted by ブクログ

    能の教科書なんだけれども、日本人が感じる面白さや美学とは何かが落とし込まれていて興味深かった。
    日本人に根付く価値観の一端が室町の時代から(あるいはそれ以前から)変わらないのだと感じた。

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    2023年07月12日
  • 現代語訳 風姿花伝

    Posted by ブクログ

    ・能の良し悪しを評価する言葉の定義から入るところがおもしろい。「幽玄」、「強い」、「花」、「面白い」とか。
    ・特に「面白い」の定義が意外、かつすごく納得できた。
    ・能にかぎらず、いろんな活動に通用するであろう極意が盛りだくさん。「他の芸事には心を移すな」って言葉には背筋が伸びますわ。
    ・繰り返し「絶対外には漏らすなよ!」って書いてあるのに今では世に広く知れ渡ってるの笑う。
    ・短いし訳が良いのですごく読みやすかった。

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    2023年02月07日
  • 現代語訳 風姿花伝

    Posted by ブクログ

    能を通しビジネスとして自分に引き寄せて読んだ。世阿弥のように謙虚さと品格を備えていたい。
    以下、印象的な一文。
    『上手は下手の手本、下手は上手の手本とわきまえ工夫すべし。下手の良いところを、上手が自分の得意芸の中に取り入れることはこれ以上ない理想的な方法である。人の悪いところに気付くだけでも自分の勉強になるというのに、ましてや良いところについては、言うまでもない。「稽古は強くあれ、しかし慢心はもつな」とは、まさにこのことである。』

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    2021年08月21日

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