水野聡のレビュー一覧

  • 現代語訳 風姿花伝

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    室町時代に世阿弥が記した、一流派相伝の能の理論書。長らく秘伝書だったので、誰でも読めるようになってから100年ほどしか経っていないのだとか。

    タイトルと題材でなんとなく抱いていた雅なイメージのまま読み進めると、能の美しさについてだけでなく、意外にも戦略的な「見せ方」の部分にもかなりしっかりと言及していて、ビジネス書のような一面もあって興味深かった。

    芸事をやっている人に限らず、セルフプロデュースを学びたい人におすすめの一冊です。

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    2025年10月22日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    前に岩波の風姿花伝を読んだときは何言ってるか分からなすぎてコメント書けなかったが、本書でようやく。上手は下手の手本、下手は上手の手本…謙虚にストイックに上達を目指し続ける、人生を通した芸事への向き合い方の指南書。古典的名著だけに、現代においても何にでも当てはまる。現代との差分かなと思ったのは、インターネットの普及や移動手段の発展などで単時間辺りにアクセスできる情報量や経験の多様性が爆増したので、外部環境の変化に対して思考するシチュエーションが増えたことか。それだけにこういう東洋的な内省思考する時間が相対的に減っているのから、現代人に改めて刺さるのかも。

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    2024年05月07日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    能の教科書なんだけれども、日本人が感じる面白さや美学とは何かが落とし込まれていて興味深かった。
    日本人に根付く価値観の一端が室町の時代から(あるいはそれ以前から)変わらないのだと感じた。

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    2023年07月12日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    ・能の良し悪しを評価する言葉の定義から入るところがおもしろい。「幽玄」、「強い」、「花」、「面白い」とか。
    ・特に「面白い」の定義が意外、かつすごく納得できた。
    ・能にかぎらず、いろんな活動に通用するであろう極意が盛りだくさん。「他の芸事には心を移すな」って言葉には背筋が伸びますわ。
    ・繰り返し「絶対外には漏らすなよ!」って書いてあるのに今では世に広く知れ渡ってるの笑う。
    ・短いし訳が良いのですごく読みやすかった。

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    2023年02月07日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    能を通しビジネスとして自分に引き寄せて読んだ。世阿弥のように謙虚さと品格を備えていたい。
    以下、印象的な一文。
    『上手は下手の手本、下手は上手の手本とわきまえ工夫すべし。下手の良いところを、上手が自分の得意芸の中に取り入れることはこれ以上ない理想的な方法である。人の悪いところに気付くだけでも自分の勉強になるというのに、ましてや良いところについては、言うまでもない。「稽古は強くあれ、しかし慢心はもつな」とは、まさにこのことである。』

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    2021年08月21日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    能の技術に関する説明部は一般には役立たないが、非常に含蓄深い名作でした。現代語訳によってそれが通じるようになっています

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    2019年01月04日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    能の本家である世阿弥が書いた、一芸を究めることの心得本。生まれて初めて「日本人でよかった」と思えるほど、随所から侘び寂びの美しさを感じる。一文も読み飛ばせる箇所がないのに、心底驚いた。20年以上かけて編集されただけある。

    能の舞台には、大げさな仕掛けも、シーンへの理解を深めるために入れ替わる背景もない。すべてが演者にかかっている。洗練された美しさ、と偏にいうのは簡単だが、その底に眠るものは何か。日本の美の本質を見出すことができる一冊だ。

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    2018年08月08日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    ネタバレ

    世阿弥が約20年かけて書いたという本を現代語にしたもので、大変読みやすいです。
    日本人にとっての美とはどういったものなのかわかりやすく書かれており、
    能に関わらずお芝居など芸術になんらかの形で関わる人には胸に響くものがあるのでは、と思います。
    現代ではあまり使われることが少なくなった「幽玄」や、「花」の言葉の意味を考えるきっかけになります。
    感情に訴えたり闇雲な考えを押し付けたりという内容ではなく、冷静な見方で理論的に語られているので理解しやすいです。
    花の時期を過ぎた後どうするか、などについてもきっぱり語られています。

    「秘すれば花」。珍しいから素晴らしいと感動する。
    相手の期待を良い意味

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    2018年06月12日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    ネタバレ

    能の世阿弥がしるした書。能の心得について深い洞察に基づき記載されている。伝統芸能だけあり、一つ一つが非常に深く、その片鱗が垣間見れてとてもおもしろい。いかに花を出すか。一つ一つの違いを演じ分けるかが非常に難しそう。能をみにいきたくなった。面白さを極めんがための徹底的な分析、計算がされており感銘を受けました。
    <その他学んだ事項など>
    ・幼い子に芸を教える際は、心のままにやらせてみることが大事。事細かによい、わるいと教えると、やる気を失い、芸そのものが止まってしまう事がある。
    ・24,5は花が咲きだし、ベテランに勝つこともあるが、それは本当の花ではない。それで得意になってしまうと後々仇となる。も

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    2013年06月01日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    能楽師「世阿弥」が室町時代に書いた秘伝書を
    分かりやすく現代語訳してくれた本。
    古文の苦手な僕にうってつけ!
    内容は能を演じる上での心がけから始まり哲学にも至る。
    能に興味がない人が読んでも面白くないんじゃないか?と思うだろうけどそんなことないです!
    600年くらいに書かれた文章なのに、ぜんぜん古くさくない。

    "どうやったら多くの人の心を掴めるか、美しいとは何なのか、幽玄とは…"

    今のアートやクリエイティブな分野にも通じることがたくさん書かれています。
    日本人の美意識を再認識するには一番の本です!

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    2011年02月10日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    正月に購入して、半分まで読んで進んでなかったんだけど、移動電車のおかげでたくさん読めます。

    申楽(さるがく)は、聖徳太師と秦河勝コンビが始めたみたいだけど、先日京都の太秦広隆寺に参拝してから、この著書が急に身近になった。


    プロフェッショナルを目指す人には、是非読んでいただきたい示唆に富むものです。

    能の本格デビューはいつにしようかな。

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    2010年08月23日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    いつかは日本の伝統芸能である「能」に触れたいと思っていた。ただ、順を追ってそこに辿り着くことが大切である気がして、特に風姿花伝を読むことにも焦ってはいなかった。

    読書会で扱った松岡正剛『日本文化の核心』を読んでいく中で、「まねび」と「まなび」を扱っている章があり、どうやら「学び」の本質は世阿弥が説いているらしい。「ものまね」から派生する「まねび」そして、「まなび」。つまり遡ると「学び」とは「物真似」であると。神や霊など目に見えないものを真似る。どうやらそれが「能」の世界らしい。今の自分は「学び」を生き方の中心に置いている。これは早めに読まねば。

    手に取った本書は、現代語訳も読みやすく、さら

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    2025年11月27日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    岩波で挫折し、こちらに移行した。
    現代語訳ありがたい。
    人生のフェーズごとに目指すもの、鍛錬、目立ち方があるなと感じた。
    自分の花を大小問わず、死ぬまで何度も咲かせる努力をしたい。

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    2024年01月20日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    以前間違えて原書を買って挫折したので、現代語で再挑戦。
    本書は読みやすいが格調のある文章で雰囲気を損なわない。

    昼と夜の演じ方、勝負の時のコツ、年代別の演じ方など、

    能とはどのように捉えられていたのかを知ると同時に、今の芸能界、仕事などにも通じる内容があり参考になる。

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    2023年10月29日
  • 現代語訳 風姿花伝

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     この本は世阿弥の書いた能の稽古、演じる際の心構えやポイントをまとめたもので、現在におけるビジネス書に近いと思う。内容で形而上学的なものはあまりなく、具体的に書かれ想像しやすくなっている。
     私は、①本質をつかみ、本質から外れたことをしないこと②観客本位に考え、観客の嗜好に合わせること③珍しさがあること④慢心せずに稽古に励むこと⑤タイミングをつかむこと
    という点を世阿弥が大切にしたと感じた。以上挙げた点では漏れがあるとは思うが、そこはご容赦いただきたい。印象に残った言葉として、「秘すれば花、秘せねば花なるべからず」がある。切り札は秘密にしてこそ切り札なのである。
     600年ほど前に書かれた能楽

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    2020年12月01日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    幽玄。言葉では表せない、奥深く微妙にして情緒に富むありさま。▼花は四季折々に咲く。時節を得ているからこそ、新鮮な感動を呼ぶ。能もその場の機を大切にすること。▼是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。▼能は、枝葉も少なく、老木おいきになっても、花は散らずに残る。 ▼舞台上の自分が他人からどう見えているか意識せよ。離見の見。世阿弥『風姿花伝』1400

    ※観世座。興福寺。
    ※観阿弥。足利義満の庇護。
    ※世阿弥。『風姿花伝』『花鏡』

    ****************

    病に臥せる源頼光(らいこう)のもとに蜘蛛の化物がやってきて、無数の糸を吐いて、頼光をがんじがらめに

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    2023年06月24日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    室町時代初期、能楽の天才世阿弥の一子相伝秘術書。初心忘るべからず。若いときの初心を忘れない、人生その時々の初心も忘れない、老境に入っても初心を忘れない、すなわち人は年を重ねる度に今まで経験したことのない出来事に挑戦していかなければなりませんと。勉強になります。

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    2019年03月14日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    すごい。600年も昔に書かれたのかこれ。 芸を極めるには練習が当然だし、こんなことを意識しないといけないって内容が惜しげもなく書いてある。もとは秘伝の書らしいからそらそうか。 ただ、極めたい芸のあるなしとは関係なく、こんな姿勢で生きたいよね、と読んでて思わされる。ちょっと観客のこと意識しすぎな気もするけど、人に芸を見せるなら、こんな意識じゃないといけないのかもしれない。 軽く通しただけなので、もっかい読まないといけないわこれ。

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    2017年12月25日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    世阿弥は、室町時代初期の大和猿楽結崎座の猿楽師で、父の観阿弥とともに猿楽(能)を大成し、『高砂』、『井筒』、『西行桜』等の作品のほか、多数の能芸論書を著した理論家でもあり、世界の芸術史上でも稀な天才と評される。
    本書は、父の観阿弥から口伝で教示された内容を書き記したもので、第七・別紙口伝に「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」と記されている通りの一子相伝の秘伝書であり、明治までは観世家・今春家に秘蔵され、一般の目に触れることはなかったが、明治42年に写本が発見され、『世阿弥十六部集』として発刊されたことにより、一般に知られることになった。
    本書は七篇で構成され、各篇では以下が述べられている

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    2017年03月25日
  • 現代語訳 風姿花伝

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    一子相伝の書と聞くと門外不出の秘伝書なのかとどきどきわくわく感が募ってきそうだが、風姿花伝は世間一般でも十分通用する、というか人としての資質として誰もが備えておくべき重要ごとをコンパクトにわかりやすく教え説いてくれている書だと、初めて読んでの率直な感想である。

    第一の「年来稽古條々」は子育てや教育に通じる。
    第三の「問答條々」は世阿弥(観阿弥)の人柄を知ることができる。
    そして、第七の「別紙口伝」はものごとの本質に迫る部分。

    とくに印象に残ったのが、「秘する花を知ること」「因果の花を知ること」

    この書が世間に出てよかったと、私自身は読んでみてそういう感想を持った。

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    2013年03月18日