作品一覧

  • 筏までの距離
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    小原晩、カツセマサヒコ推薦!! 恋ではない。友情ではない。 ふたりの関係の、呼び方を教えて。 学生の頃、彼女とはよく大学の付属植物園で過ごした。花の名前もよく知らないのに。 ある日彼女は、園内の礼拝堂の前で突然、耳鳴りがすると言った。 昨日、眠れなくて、宇宙の動画を見ていた時からずっと耳鳴りがする。 宇宙で鳴っている音を想像してからずっと、と――「植物園にて」 新幹線で出会った女性と偶然にも温泉街で再会した私は、 彼女に導かれて、古びたリゾートマンションの屋上から花火を眺めていた。 30分足らずで終わった花火の後、彼女は先に部屋に行っていると言い残して、 屋上から去ったが――「筏までの距離」 デビュー作で芥川賞候補に挙がった著者が贈る、 書き下ろし2篇を含む、わたしとあなたの8つの物語。 【著者略歴】 水原 涼(みずはら・りょう) 1989年兵庫県生まれ、鳥取県育ち。北海道大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。2011年に「甘露」で第112回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作が第145回芥川龍之介賞候補作になる。著書に『蹴爪(ボラン)』、『震える虹彩』(安田和弘との共著)がある。
  • 蹴爪
    3.4
    1巻1,771円 (税込)
    異国の少年たちの物語のはずが、これは、"ぼくたち"の姿だ――。デビュー作「甘露」が芥川賞候補になった新鋭、待望の初小説集!闘鶏場で胴元を務める父親が、悪魔から村を守る祠をつくる責任者となった日から、ベニグノの周囲は少しずつ変わり始めた。幼なじみのグレッツェンの大切な鶏が殺され、島で殺人事件が起こり、地震で祠が倒壊し――。東南アジアの島の少年を襲う熱くて不穏な暴力を描いた傑作。

ユーザーレビュー

  • 筏までの距離

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結末が
    そうですよね。
    という感じだった。
    ネタバレになってしまうのかな?
    嘘っぽくなくていいと思う。

    0
    2025年08月23日
  • 筏までの距離

    Posted by ブクログ

    8つの短編のどれをとっても、クライマックスがあるわけではなく、日常を切り取った作品だった
    ただ、なぜかすごく面白かった
    登場人物の気持ちに共感できることが多かったからかもしれないし、淡々と進む物語が心地よかったのかもしれない

    好きな作品を一つ挙げるとすると最後の作品
    恋人の妹との、不思議な関係が描かれていた
    よくある、恋人の兄弟との恋愛もどきなのかもしれないが、何も発展しない感じがリアルで面白く感じた

    他のこの作家の作品を読みたいと思った

    0
    2025年07月13日
  • 蹴爪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2編。共通するのは、兄からの暴力(が振るわれる現実と、そういう嘘をストーリーとしてつくこと)、島の中の出来事であること、貧困。
    ともに舞台は海外だ。書きたいことを書くときに日本を舞台にすると嘘くさくなる、そういう題材があるのだろう。
    数十年まえは真正面から向き合えていた題材に、迂遠な手段を使ってでも直面しようとする作者。
     「蹴爪(ボラン)」
    読むことで、胃に重油を流し込まれたような。
    中上健次「一番はじめの出来事」を思い出していたら、どうやら作者は中上健次にも影響を受けているとか。
     「クイーンズ・ロード・フィールド」
    こちらは読んでよかった、と素直に思った。
    最高にエモい台詞「わたしのだい

    0
    2019年11月14日
  • 蹴爪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鴻巣友季子の2018年のベスト。
    フィリピンの島と欧州の島を舞台にした新鋭作家の作品集です。
    表題作の舞台は、顔見知りばかりで、気安さと息苦しさが同居するフィリピンの村。閉塞した小世界をかけめぐる出所不明の噂、くすぶる悪意、やり場のない怒り、煽られる不安、なし崩しになる望み…
    「ボラン」とは闘鶏が脚に付けるナイフのような武器のこと。

    0
    2018年12月31日
  • 蹴爪

    Posted by ブクログ

    タイトルの蹴爪(ぼらん)とクイーンズ・ロード・フィールドの2作。
    蹴爪(ぼらん):南国の島に暮らす主人公ベニグノの物語。島で行われる闘鶏場と祠を作ろうとする広場舞台に、いろいろな登場人物とのとの人間模様。暴力が主題かと思わせるところどころの描写は好ましく思えませんでした。大人びた子供の主人公と子供じみた大人の浮浪者が同年齢かのようで、登場人物の個性が描き切れていないように感じました。こちらだけでは★2。
    クイーンズ・ロード・フィールド:スコットランド弱小サッカーチームのサポーターである幼馴染4人組の物語。テンポよく構成され読みやすい良作。主人公の妻となる女性、脚に障害を持つその妹、姉妹が亡くな

    0
    2025年10月30日

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