石坂しづかの作品一覧

「石坂しづか」の「食堂かたつむり」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 食堂かたつむり
    4.3
    1巻792円 (税込)
    おいしくて、いとおしい。 同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。 山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。 それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。 巻末に番外編を収録。

ユーザーレビュー

  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『食堂かたつむり』を読み終えて、涙が止まらなかった。
    本を読んでここまで声を上げて泣いたのは、生まれて初めてだと思う。
    “命はどれほど大切なものなのか”という問いが、静かに、だけど強く胸の奥に突き刺さった。

    物語が進むにつれて、お母さんの倫子への愛情が少しずつ明らかになっていく。
    派手に示される愛じゃない。
    人目につかないところで、そっと積み重ねられてきた愛。
    その存在に気づいた瞬間、胸が締め付けられて、最後の手紙ではもう涙を抑えられなかった。

    エルメスのシーンは言葉にできないほど心を揺さぶられた。
    様々な事情を理解したうえで、自ら解体されるために歩み寄る姿は、残酷で、優しくて、尊くて、悲

    0
    2025年12月06日
  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    この本を読まないまま死ななくてよかった。途中から泣いてばっかりだった。読んだことがないのに懐かしくなるような小説。母娘の確執は深く語られないけれど、食器を引き合いに出して語られる「おかんと私の価値観は正反対」という言葉が効いている。
    作者の小川さんについては全然わからないけど、食べることも作ることも好きなんだなあと伝わってきた。いくら料理が上手くても、飲食店のトイレが汚いとすべてが台無しになる、という一言の説得力よ。紹介されるひとつひとつのメニューも、ほとんど野菜だけで味を整えるジュテームスープも、そしてエルメスを解体するシーンも、食材に、食事という行為にリスペクトがないと思いつかないし書けな

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    2025年11月25日
  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    優しい感動が静かに湧いてくる。
    風景や料理の描写が丁寧。特に料理は本当に食べてみたくなる。
    料理ひとつ、食材ひとつにも、感謝の気持ちをもって丁寧に味わうようにしたい。
    改めて「いただきます」「ごちそうさま」という言葉の大事さを実感。
    毎日を丁寧に生きようって気になった。

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    2025年11月15日
  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    再読。

    命を頂くこと。
    それはみんながわかっていることだけれどサラッと流される風潮があるがこの物語ではしっかりと描かれていることに好感が持てた。
    人によってはどうしてこんな場面を描くのだろうと疑問に思うかもしれないけれどやっぱりどうしたって必要だと私も思う。

    何もかも失って人生のどん底に突き落とされた主人公が料理や出会う人々を通して、また人生を歩み始める元気を取り戻していく姿は、今何かにつまずいてしまっている人にも、新たに何かを始める人にも勇気を持たせてくれるだろう。

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    2025年10月21日
  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    小川糸さん好きになったきっかけの本。
    昔単行本で読んですごく好きだった記憶があったんだけど文庫化されてたから購入して久々に!
    倫子が作る料理がどれも本当に美味しそうであったかくて。優しい気持ちになれる大好きなお話です。
    食堂かたつむり、私も行ってみたいなぁ。
    エルメスの最期はとても丁寧に描かれていて、命をいただくということを考えさせられる。
    おかんからの手紙のところはボロボロ泣きながら読んだ。
    文庫限定の番外編チョコムーンもとっても良かった!倫子の料理を食べる側の人の話も読んでみたいと思ってたので嬉しかった。

    0
    2025年10月20日

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