作品一覧

  • 城下の人 新編・石光真清の手記(一)西南戦争・日清戦争

    新編・石光真清の手記

    小説・文芸

    4.0
    1~4巻1,100~1,430円 (税込)
    明治元年に生まれ、日清・日露戦争に従軍し、満洲やシベリアで諜報活動に従事した陸軍将校の手記四部作。第一部は、故郷熊本で西南戦争に遭遇した後、陸軍士官学校に入り、日清戦争に従軍するまでを綴る。未公開だった手記『思い出の記(抄)』及び小説『木苺の花』を併せて収録する。
  • 新編・石光真清の手記(四作合本)

    新編・石光真清の手記(四作合本)

    小説・文芸

    -
    1巻5,060円 (税込)
    中公文庫『新編・石光真清の手記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 明治元年に生まれ、日清・日露戦争に従軍し、満洲やシベリアで諜報活動に従事した陸軍将校の手記四部作。新発見史料と共に新たな装いで復活。 (一) 西南戦争・日清戦争 故郷熊本で西南戦争に遭遇した後、陸軍士官学校に入り、日清戦争に従軍するまでを綴る。未公開だった手記『思い出の記(抄)』及び小説『木苺の花』を併せて収録する。 (二) 義和団事件 明治三十二年、諜報活動に従事すべく、ロシアの進出著しい満洲に入った石光陸軍大尉。そこは、中国人、ロシア人、韓国人、コサック、そして日本人など多彩な民族の坩堝であり、日本人娼婦を妻とする中国人馬賊が疾駆する大地だった。未公開手記『得体の知らぬ日本人』『因果物語ほか』等を収録。 (三) 日露戦争/長編小説・曹長の妻 日露開戦。陸軍少佐となった石光は第二軍司令部付副官として出征する。終戦後も大陸への夢醒めず、幾度かの事業失敗を経て、ついに海賊稼業へ。やがて明治という時代は終焉を迎える……。 新編刊行に際し、未公開の手記『思い出の記 放浪生活時代』、短編小説『惨劇の夜の思い出』や秘蔵写真多数、そして電子版のみ、著者唯一の長編小説『曹長の妻』を収録。 (四) ロシア革命 世田谷で三等郵便局長を務めていた石光元陸軍少佐は「大地の夢」さめがたく、再び大陸に赴き満蒙貿易公司を設立する。そしてロシア革命が勃発、密命を受けた石光はアムールへと赴く。一方日本軍は革命に干渉し、シベリアに出兵する。時代を裏側からささえていた一軍人の手記、完結。

ユーザーレビュー

  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命

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    ロシア革命後に陸軍嘱託としてブラゴヴェシチェンスクおよびアムール川を挟んだ対岸の黒河に特務機関を設置して情報収集に当たった時期について書いたもの(本文に特務機関という語はない)。
    ボルシェビキの地域代表者や、反革命を謳う元の市長やコザック部隊、ドイツ=オーストリア(独墺)軍の捕虜から転じて赤軍に協力する部隊、独墺からの独立運動を行うチェコスロバキア兵、といった勢力が割拠するシベリアが描かれる。
     
    長年にわたってブラゴヴェシチェンスクに在住していた日本人たちの自警団は陸軍から武器の援助を受けていたため、反革命勢力から自警の範囲を越えた協力を求められ、赤軍に包囲された戦闘で犠牲者を出す。
    石光は軍属として影響力を及ぼすが、その結果を悔やむ(とはいえ、明確な指揮権はないようだ)。

    結局、チェコスロバキア兵救援という名目でシベリア出兵が行われるが、反革命勢力の救援という現地の期待とは違い、ブラゴヴェシチェンスクにやってきた日本軍部隊は暴行略奪を行い失望を買う。
    石光は現地の不満と陸軍との板挟みになり、ウラジオストック派遣軍の司令官に窮状を訴えるも「日本軍に忠告に来たのか」と難詰され、職を辞す。

    ボルシェビキの代表者も、元市長(反ロマノフではある)も、一介の人物であり彼らとの交流は意見の相違を超えた交際であった。
    しかし、ボルシェビキの代表は日本軍に捕らえられて逃走を図って射殺され、元市長も赤軍の優位が明確になり亡命し、石光も失意のまま去る。

    その後の石光は錦州で行っていた事業も破綻し、三宿にあった三等郵便局長の地位も「特定三等局になったので解任」され、自費で整備した施設は二束三文の賃料で召し上げられた。
    一人で子供を育て、経済的にも窮乏していた妻は身体を壊していた。

    本人も家族もなんら報われることのない満州生活が終わったところで全4巻完結。
    公開を予定していなかったメモだけに、生々しさに満ちている。シベリア出兵の現場感覚での無謀さとだらしなさはもちろん、石光が帰国途上にハルビンで出会った亡命ロシア人の3人娘たちの様子なども、私的メモだからこそのリアルだろう。

    0
    2022年01月04日
  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命

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    ・東京に留まることを家族から望まれながら幾度も大陸へ「帰って」いく真清の姿を鏡として、自分は家族を幸せにできているのか自問せずにいられない。食べていくに困らない給料をもらい、平日は子供が寝る前に帰宅し、週末はどこか少し遠出をして好奇心を満たす、そんな平穏な日々を過ごせている幸せを自覚した。

    ・シベリア出兵の政策的欠陥についても考えさせられる。領土拡張を目的とする出兵であったなら戦線を広げすぎたし、戦力の逐次投入は避けるべきであった。連合国との国際協調及び革命思想の伝播阻止を目的とするなら、ロシア反革命勢力を一貫して支援し、連合国の不信を惹起する過剰戦力の投入は避けるべきだった。そもそも、英仏は対独戦争を優位に進めるため東部戦線を復活させたかったに過ぎないのだから、これを見越してプランを練っておく必要があったはずである。明確な出兵目的の欠落が、行き場を失った兵士のモチベーションとモラルの低下につながり、現地民に対する掠奪・暴行を招いたのではないだろうか。

    0
    2021年08月09日
  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命

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    たぶん、当時から克明に付けていた日記などを元にして書かれたのであろうが、それにしても驚嘆すべき記憶力と記述力である。つまりは、こういう人だからこそ、大陸での諜報任務に就くことができたのであろう。事実は小説よりも奇なりというが、まさにそれを裏付ける稀覯の書である。

    0
    2021年05月30日
  • 城下の人 新編・石光真清の手記(一)西南戦争・日清戦争

    Posted by ブクログ

    明治元年熊本に生まれ昭和17年に没した元陸軍軍人の残した手記。明治維新から敗戦までの期間の短さと明治人の気概が伝わってくる一冊は名著の予感。

    全四巻中の一冊。あまり前知識なく読み始める。ロシア関係の諜報活動に従事した方らしい。

    少年時代を故郷熊本で過ごし神風連の乱や西南戦争を体験、その後幼年学校から陸軍軍人となり日清戦争に従事、対露諜報活動の必要性を痛感しロシアに渡るまでが第一巻。

    作家でない一般人の作品ではあるが文章に情緒が感じられる。個人の資質かはたまた漢文に精通した明治人ならではなのか。

    日本の歴史の中で明治維新ほど日本人の生活もメンタリティも変えた事件はなかっただろう。激動の中で中で生きていく没落士族そして薩長に負けない明治人の気概。

    決して出版を望んだわけではなかった遺稿を遺族がまとめたものだとか。

    4分の1通過時点で早くも名著の予感。

    0
    2020年07月04日
  • 曠野の花 新編・石光真清の手記(二)義和団事件

    Posted by ブクログ

    日清戦争後にロシアに対する危機感を持った石光が対露諜報を志してシベリアに渡ってからの話。
    義和団事件の余波からブラゴヴェシチェンスクでの清国人大虐殺(アムール川事件)を目撃し、満州への進出を本格化させたロシア軍を追うべく北満に侵入する。
    あるときは馬賊の仲間になり、あるときはロシア軍の出入り業者になる。そして現地にいた日本人女性を助けたり、助けられたり。
    すごい波乱万丈。あまりにも劇的なので実話なのか怪しく思わないでもない(本人の複数の手記で一貫していない部分もあるし)。本書の原型は戦中に公刊されているので、脚色が必要だったのかなと思ったりもする。
    ともかく、ただただ圧倒される。
    日露開戦で帰国したところまでが本書の範囲。第3巻で日露戦争やらが描かれるのか。

    0
    2020年04月11日

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