細田昌志の作品一覧
「細田昌志」の「格闘技が紅白に勝った日 2003年大晦日興行戦争の記録」「沢村忠に真空を飛ばせた男」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
確か…力道山が自分の半生を自分で演じた変わった映画の題名は「力道山物語 怒涛の男」だったような…ってことを思い出させるくらい、力道山の妻も「怒涛の女」でした。ただし、「怒涛の男」はマチズモの大奔流であるのに対して、「怒涛の女」はその激流に翻弄されるというより、乗りこなしていくサーフィンの達人のような人生なのです。淡白と言えるくらいの執着の無さと、すべてを受け入れる寛容性に眩しさを感じました。もしかしたら戦後日本の気分とは、こう言いう楽天性だったのではないでしょうか?逆に「力道山未亡人」という視点から見ることで戦後の男たちの欲望と謀略と野心の物語もくっきり浮かび上がります。そしてプロレス業界に埋め込まれたマスターナラティブに対しても異議申し立てがなされていきます。知ってるつもりだった歴史にも、えっ!そうだったの?が満載でした。特に1975年12月11日の武道館「力道山十三回忌追善試合」と蔵前国技館「アントニオ猪木対ビル・ロビンソン」の対立の経緯に対する考察には知的興奮を覚えました。それにしても「沢村忠に真空を飛ばせた男」の野口修にしても、「力道山未亡人」の田中敬子にしても、著者の視点人物の発見の新鮮さにはただただワクワクをもらえます。前作同様、本作も「右翼・興業・格闘技」の日本の地下水脈の物語なので、さらなる語り部や憑代も登場する予感がいっぱいです。プロジェクトXの「地上の星」ならぬ、アンダーグラウンド「地下の星」の星座をまた見せてください。