作品一覧

  • 日米開戦と情報戦
    4.3
    1巻1,045円 (税込)
    真珠湾攻撃から75年。戦争に至る不毛な現実を描く、決定版!1日に20通以上の外交暗号を解読しあう熾烈な日米英インテリジェンス戦争。ローズヴェルト、チャーチルら指導者が生の情報に触れることで強まる対日対決姿勢。松岡洋右外相に翻弄され、陸軍・海軍内の組織利害対立で指導力を発揮できない日本の中枢部――。エリートたちはなぜ最悪の決定を選んだのか?
  • 日本はなぜ開戦に踏み切ったか―「両論併記」と「非決定」―
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    第三次近衛内閣から東条内閣まで、大日本帝国の対外軍事方針である「国策」をめぐり、陸海軍省、参謀本部、軍令部、外務省の首脳は戦争と外交という二つの選択肢の間を揺れ動いた。それぞれに都合のよい案を併記し決定を先送りして、結果的に対米英蘭戦を採択した意思決定過程をたどり、日本型政治システムの致命的欠陥を指摘する。

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  • 1918⇌20XX 歴史は繰り返す【WOP】
    -
    1巻968円 (税込)
    【WedgeONLINE PREMIUM】 1918⇌20XX 歴史は繰り返す ナチ党の台頭、世界恐慌、満州事変など、さまざまな出来事が世界を揺さぶった、第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間の「戦間期」。この短くも波乱の歴史は、米中対立やウクライナ戦争など、再び動乱の時代へと突入しつつある現代を生きる私たちに、重要な気付きを与えてくれる。日本史から世界史まで、23人の気鋭の専門家たちが「戦間期」を読み解いた。 この記事は、月刊誌『Wedge』で、2021年9月号(8月20日発売)から23年8月号(7月20日発売)にかけて掲載された連載『1918⇌20XX 歴史は繰り返す』を電子書籍化したものです。 Vol.1 神話化される「ナチ宣伝」21世紀の危機を見抜くには/佐藤卓己(京都大学大学院教育学研究科教授) Vol.2 危機の米国を導いたローズヴェルトのリーダーシップ/佐藤千登勢(筑波大学人文社会系教授) Vol.3 単なる「失敗」ではない 理想を示し規範を作った国際連盟/篠原初枝(早稲田大学国際学術院大学院アジア太平洋研究科教授) Vol.4 日英同盟廃棄から学ぶ「強固な日米同盟」実現の鍵/中谷直司(帝京大学文学部社会学科准教授) Vol.5 ユダヤ人虐殺を容易にしたナチ体制の「上下間の責任転嫁」/田野大輔(甲南大学文学部教授) Vol.6 「排日移民法」抗議運動が示す 太平洋戦争へと続く道/渡邉公太(帝京大学文学部日本文化学科専任講師) Vol.7 なぜ日本は軍縮から脱退したのか「艦隊派悪玉論」を再検討/畑野 勇(根津育英会武蔵学園 学園記念室室長) Vol.8 現代米国外交の起源 ウィルソン主義は何を目指したのか/高原秀介(京都産業大学国際関係学部国際関係学科 教授) Vol.9 失敗した英国の宥和政策現代と重なる第二次大戦前夜/細谷雄一(慶應義塾大学法学部 教授) Vol.10 テロと戦争への道を拓いた大正日本経済のグローバル化/牧野邦昭(慶應義塾大学経済学部 教授) Vol.11 ナチ台頭許した「ヴァイマル共和国」 社会の分断が招く破滅/板橋拓己(東京大学大学院法学政治学研究科 教授) Vol.12 破壊された国際秩序 戦間期の欧州はいかに再建したのか/藤山一樹(大阪大学大学院人文学研究科 講師) Vol.13 ヒトラーに屈したオーストリア 独立守るのに必要なこと/髙橋義彦(北海学園大学法学部政治学科 准教授) Vol.14 戦前から続く日本人の「軍隊嫌い」深い溝の根源は何か/髙杉洋平(帝京大学文学部史学科 専任講師) Vol.15 今も米国に残る「黄禍論」人種主義なる〝病〟と向き合うには/廣部 泉(明治大学政治経済学部 教授) Vol.16 山県有朋の死から100年 明治日本は何を目指したのか/小山俊樹(帝京大学文学部 教授) Vol.17 揺れ続けるスペイン内戦への評価 歴史とは何なのか/細田晴子(日本大学商学部 教授) Vol.18 日本を惹きつけるサハリンの資源「政経分離」は可能なのか/麻田雅文(岩手大学人文社会科学部 准教授) Vol.19 諜報の本分を見失った戦間期日本 稚拙な対ソ連秘密工作/増永真悟(慶應義塾大学SFC研究所 上席所員) Vol.20 対米開戦に至った「南部仏印進駐」なぜ、日本は「決めた」のか/森山 優(静岡県立大学国際関係学部国際関係学科 教授) Vol.21 日中対立の原点「山東問題」外交の大失敗はなぜ起きたのか/奈良岡聰智(京都大学大学院法学研究科 教授) Vol.22 「外交こそが戦争」と考えた中国大国化の立役者・蔣介石/家近亮子(敬愛大学国際学部 教授、放送大学 客員教授) Vol.23 日ソの「宣戦布告なき戦争」ノモンハン事件が示す教訓/花田智之(防衛研究所戦史研究センター 主任研究官) Vol.24 満州事変から日中戦争へ日本を破滅に導いた楽観主義/髙杉洋平(帝京大学文学部史学科 専任講師)

ユーザーレビュー

  • 日米開戦と情報戦

    Posted by ブクログ

    日米開戦に至る経緯を情報という側面から読み解いていく内容。当時は既に他国の暗号情報の解読が進んでいて、いろいろな各国の大使や駐在武官等とのやり取りが読み取られていた(日本は読み取られていただけではなく、他国の暗号も解読はしていた)が、誤訳や情勢の見誤りなどもあった様子が手に取るように分かって大変面白かった。国内も外務、陸軍、海軍、軍も省と現場、様々なところで隔絶、対立、情報格差、認識相違があったようである。
    本書の中で触れられているが、日米の間にあの規模の大戦を引き起こす覚悟、準備、外交的課題があったのかどうか。それらが無いまま、お互いに引くに引けなくなり、「何となく」戦争に突き進んでしまっま

    0
    2024年08月10日
  • 日本はなぜ開戦に踏み切ったか―「両論併記」と「非決定」―

    Posted by ブクログ

    今まで読んだ開戦モノの本の中でも非常に分かり易い。内閣と統帥部。軍令と軍政。開戦と外交について、とかく二元論で語られがちな開戦へのプロセスにおいて、体裁を繕うことを重視したために明るそうなシナリオとしての開戦が残ってしまい、かつそれがアメリカの思うツボだった、と理解すべきなのだろう。
    最も希望を持てそうな選択肢が南方資源確保のための開戦であり、しかしながらそれは希望的観測に根拠を置く粉飾に満ちた数字合わせの所産であった…P.157のこの言葉は重い。
    プリンシプル(原則)が無いと言われても仕方なかろう。また、外交か戦争かという対立軸ではなく本来なら臥薪嘗胆と戦争・外交のセットの間により本質的な対

    0
    2024年02月23日
  • 日本はなぜ開戦に踏み切ったか―「両論併記」と「非決定」―

    Posted by ブクログ

    当時の日本の選択を政策決定の状況に焦点を当てて考察している本。

    なぜ戦争突入したのかと考察する本はいろいろあるけれど、この本は白眉だと思う。
    当時を考える際、考慮するものがたくさんありすべてを見て考えるのはあまり現実的でないので、「誰」によって、「どのような政治過程」を経てああなったのかに焦点を当ててみることでとても明瞭な話になっていてとても分かりやすい。
    この手の話は陸軍が諸悪の根源とされがちで、この本でもそれは変わらないのだけれど、天皇の責任、海軍の責任も重要だとしてるところが興味深かった。
    とくに海軍が戦争を容認しなければ絶対にアメリカと戦争をすることなどなかったとする話はそれほど重視

    0
    2019年04月14日
  • 日米開戦と情報戦

    Posted by ブクログ

    歴史学の立場から客観的に日米の意思決定プロセスや諜報について見ていく。今まで自分を捉えていた認識の枠組みを意識させてくれる。
    日本の国策を決定するにあたっての寄り合い世帯的な、両論併記と非決定の概念が常につきまとっていた。松岡洋右が外相としてイニシアチブを発揮しようとする中でいかに日本を振り回したのかがわかる。
    陸海軍もそれぞれの中で一枚岩ではなかったし、天皇も全く飾り物だったわけではなく、その意向は陸海軍に影響を与えていた。
    蘭印や仏印の動き、独ソ戦に向かう中での日本の動き(渋柿主義と熟柿主義)、タイとの関係なども本書を通して細かく知ることができた。
    南部仏印進駐からエスカレーションの歯車が

    0
    2018年05月06日
  • 日米開戦と情報戦

    Posted by ブクログ

    日米開戦決定過程の検証。
    首脳が加工されたものではなく、生情報ベースで判断することの難しさと恐ろしさが印象的。相互不信感がベースになるとそこから都合のいい情報しか見なくなる。
    対内向けの言葉が、文脈で理解されない結果、一人歩きし暴走し出す。
    日米戦争はイデオロギー戦争であった。

    0
    2017年03月09日

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