森山優の作品一覧
「森山優」の「1918⇌20XX 歴史は繰り返す【WOP】」「日米開戦と情報戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「森山優」の「1918⇌20XX 歴史は繰り返す【WOP】」「日米開戦と情報戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
日米開戦に至る経緯を情報という側面から読み解いていく内容。当時は既に他国の暗号情報の解読が進んでいて、いろいろな各国の大使や駐在武官等とのやり取りが読み取られていた(日本は読み取られていただけではなく、他国の暗号も解読はしていた)が、誤訳や情勢の見誤りなどもあった様子が手に取るように分かって大変面白かった。国内も外務、陸軍、海軍、軍も省と現場、様々なところで隔絶、対立、情報格差、認識相違があったようである。
本書の中で触れられているが、日米の間にあの規模の大戦を引き起こす覚悟、準備、外交的課題があったのかどうか。それらが無いまま、お互いに引くに引けなくなり、「何となく」戦争に突き進んでしまっま
Posted by ブクログ
今まで読んだ開戦モノの本の中でも非常に分かり易い。内閣と統帥部。軍令と軍政。開戦と外交について、とかく二元論で語られがちな開戦へのプロセスにおいて、体裁を繕うことを重視したために明るそうなシナリオとしての開戦が残ってしまい、かつそれがアメリカの思うツボだった、と理解すべきなのだろう。
最も希望を持てそうな選択肢が南方資源確保のための開戦であり、しかしながらそれは希望的観測に根拠を置く粉飾に満ちた数字合わせの所産であった…P.157のこの言葉は重い。
プリンシプル(原則)が無いと言われても仕方なかろう。また、外交か戦争かという対立軸ではなく本来なら臥薪嘗胆と戦争・外交のセットの間により本質的な対
Posted by ブクログ
当時の日本の選択を政策決定の状況に焦点を当てて考察している本。
なぜ戦争突入したのかと考察する本はいろいろあるけれど、この本は白眉だと思う。
当時を考える際、考慮するものがたくさんありすべてを見て考えるのはあまり現実的でないので、「誰」によって、「どのような政治過程」を経てああなったのかに焦点を当ててみることでとても明瞭な話になっていてとても分かりやすい。
この手の話は陸軍が諸悪の根源とされがちで、この本でもそれは変わらないのだけれど、天皇の責任、海軍の責任も重要だとしてるところが興味深かった。
とくに海軍が戦争を容認しなければ絶対にアメリカと戦争をすることなどなかったとする話はそれほど重視
Posted by ブクログ
歴史学の立場から客観的に日米の意思決定プロセスや諜報について見ていく。今まで自分を捉えていた認識の枠組みを意識させてくれる。
日本の国策を決定するにあたっての寄り合い世帯的な、両論併記と非決定の概念が常につきまとっていた。松岡洋右が外相としてイニシアチブを発揮しようとする中でいかに日本を振り回したのかがわかる。
陸海軍もそれぞれの中で一枚岩ではなかったし、天皇も全く飾り物だったわけではなく、その意向は陸海軍に影響を与えていた。
蘭印や仏印の動き、独ソ戦に向かう中での日本の動き(渋柿主義と熟柿主義)、タイとの関係なども本書を通して細かく知ることができた。
南部仏印進駐からエスカレーションの歯車が