作品一覧

  • 沖縄を売った男
    4.3
    仲井眞さんこそが県民の幸せと発展を考えて最善の努力をした人『売った男』でないことは歴史が証明するはずです-菅義偉官房長官-〈本書より〉 「辺野古に基地を造らせない」反基地運動の闘士として絶大なる人気を誇ってきた沖縄県知事の翁長雄志氏。今、その足元にほころびが見え始めている。 昨年末には辺野古の埋め立て承認を巡る裁判に敗れ、17年2月には側近中の側近であった安慶田光男副知事に教職員採用を巡る不正介入疑惑が浮上して辞任騒動が勃発。長らく翁長氏を"応援"してきた沖縄メディアとの間にも亀裂が生じている。辺野古新基地の建設を阻止する有効な手立てを示せていないことが、その一因だと考えられる。 この状況を歯がゆく感じているのが、前知事の仲井眞弘多氏だ。13年には一括交付金を含めて毎年3000億円規模の予算を政府から引き出したうえで、辺野古の埋め立てを承認したため、「裏切り者」「沖縄の心をカネで売った」などと非難された。 歴代の知事が軒並み新たな基地の建設に反対、ないしは基地問題に関する膝詰めの議論を避けてきたなかで、県民の反発を承知で仲井眞氏は辺野古の埋め立てを承認した。その葛藤と承認に至る政府との交渉の裏側を、仲井眞氏本人や当時の副知事、沖縄県庁関係者、歴代の防衛大臣に“防衛省の天皇”と言われた守屋武昌氏、菅義偉官房長官などへの取材を通じて明らかにする。 翁長氏とはまったく異なるアプローチで沖縄の基地負担軽減に取り組んだ仲井眞氏を通して、基地問題を見つめ直した一冊。
  • 殺しの柳川 日韓戦後秘史
    3.8
    在日に愛され、在日に憎まれた男の真実。 最強の「在日ヤクザ」と称された柳川次郎は、1969年に柳川組を解散すると日韓の架け橋として両国を行き来した。全斗煥時代には政権中枢に影響を及ぼすも、民主化とともに力を失い、志半ばで1991年に没した。 柳川が堅気となった後半生は、これまでほとんど語られたことがなかった。暴力的なイメージゆえに、日本人社会だけでなく在日社会からも白眼視されたからである。日韓戦後史のなかで異彩を放った男の本格評伝。
  • 決別 ~総連と民団の相克77年~
    -
    1巻1,782円 (税込)
    決別 総連と民団の相克77年。 かつて日本国内に60万人いた在日韓国・朝鮮人は、最大のマイノリティ集団として戦後史に大きな影響力を持った。 彼らを日本においても「南北」に分断したのが、在日本朝鮮人総聯合会(総連)と在日本大韓民国民団(民団)である。 総連と民団は、本国で起きた朝鮮戦争やその後の南北対立そのままに、日本を舞台に抗争を繰り広げた。 北朝鮮への帰国事業とその阻止運動、金大中の拉致、朴正煕夫人暗殺事件、力道山の囲い込み、そして芽生えかけた和解と決別--。両組織の77の相克に初めて迫った傑作ノンフィクション。 (底本 2022年9月発売作品)
  • 沖縄を守る人々
    -
    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 年間のスクランブル回数は800回!中国公船の領海侵犯は200日超!!P3Cの追尾に中国原潜が“赤旗”を挙げた日、海上保安官が男泣きした活動家の尖閣上陸事件、年間500回以上出動する不発弾処理隊、“遠洋訓練”で中国軍機が飛び交う宮古海峡、元在沖米軍トップ「基地は日米共同利用に」、取り残された辺野古住民たちの思いなど、自衛官・海上保安官・米軍人たちの本音。緊張感溢れる沖縄の基地で任務にあたり、日本のために体を張り続ける男たちの素顔。

ユーザーレビュー

  • 沖縄を売った男

    Posted by ブクログ

    前沖縄県知事 仲井眞弘多の物語。
    沖縄を金で売った印象を与えたイメージは拭えないが、それは貫いた現実主義、成果主義の結果だったと言える。
    大体予想したとおりの志向性と過程だったし、冒頭の悪印象を県民に、あるいは全国的にも残してしまった感はあるけれど、沖縄のために、自立できる沖縄を創りたいという想いは感じることができた。それは知れて良かった。
    自分の中でも結論は出ないけれど、進み始めた8年間と、滞る現在、というコントラストは確か。
    やっぱり考え続けることが大事。僕らこそが。

    0
    2017年04月08日
  • 殺しの柳川 日韓戦後秘史

    Posted by ブクログ

    この取材力と筆力はすごい。
    丁寧に事実関係を調べ、考察されている。

    柳川次郎という人間について、少し納得できた気がする。
    もちろん、一人の人間を完全に理解することは出来ないし、その生き方に感銘を受けるわけでもないけれども。

    戦後の混乱期に彼の暴力を必要とした人は少数であったとしても確かにいて、でも時代は変わり、暴力はむしろ足かせになった。
    日本で生きてきたけれども、あるいは日本で生きてきたからこそ、故郷の韓国を思う気持ちはあり、貢献をしたいとも思い、でも暴力で生きてきた彼には、新しい時代のやり方が分からなかったのかもしれない。

    彼は、偉大な人間ではない。
    彼は、戦後を必死で生き抜いた在日

    0
    2024年07月16日
  • 沖縄を売った男

    Posted by ブクログ

    仲井眞弘多元沖縄県知事(先々代だからすでに「前」ではないんだね)の批評本。タイトル的には、政府の支援と引き換えに辺野古埋め立て承認をしたことに対して批判的な本かと思いきや、そうでもなく、「そう言われているけど実際のところはこういう行動様式だったんだ」ということを解説した形になっている。
    自らを「陳情専門職」と表現し、かなり高めのボールを、政府に対しても県職員に対しても投げかけ、しかもそれを政府・与党の要路にしっかり要望、根回しすることで実現していく。今の沖縄振興には間違いなく大きな力になったのだと思う。
    一方で辺野古承認についてだが、たしかに「いい正月になる」は非常に印象が悪かったわけだが、も

    0
    2019年10月05日
  • 沖縄を売った男

    Posted by ブクログ

    2013年の年末「これはいい正月になる」と言った
    仲井真知事(2006年より知事)の発言は目にした。
    中国にいた私には、辺野古の基地を容認して、
    なぜ、良い正月になると言ったのか?
    そのことが、全く 理解できなかった。
    沖縄の普天間基地の危険性をなくすということから、
    当初1997年には、辺野古への移転が決められていた。
    2009年に民主党政権になることで、鳩山首相は「県外移設」を主張。
    その時の知事は仲井眞弘多だった。
    その民主党の沖縄基地問題に対する経緯を見ている本当に
    情けないほど、統治能力がない。
    鳩山は、結局「抑止力」と言って、県外移設を断念する。
    なんじゃそれという感じだ。
    そのこ

    0
    2019年07月28日
  • 殺しの柳川 日韓戦後秘史

    Posted by ブクログ

    殺しちゃ嫌よ。

    ってな事で、竹中明洋の『殺しの柳川 日韓戦後秘史』

    三代目山口組 田岡組長の直参で、初代柳川組組長、韓国出身の柳川次郎の秘史。

    鬼頭組(組員100人)へたったの8人で日本刀で殴り込みをかけた事で、山口組随一の武闘派で「殺しの柳川」の異名を持っていた。

    しかし、柳川組の解散を機に出身の韓国と日本の橋渡し役と成るため政界、財界、スポーツ界、韓国政界に太いパイプを作り表社会、裏社会に貢献してきたが……。
    .
    極道と言うより真の侠客じゃったんかなと。

    個人でここまで国政や色んな界隈への影響力があった事が凄いね。

    じゃが、殺しは駄目じゃね。

    2019年45冊目

    0
    2024年01月22日

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